マーケティング・エフェクティブネス部門 入賞作品リスト

マーケティング・エフェクティブネス部門審査委員長

土橋 代幸

日々仕事の中でビジネス課題に向き合っている広告主と広告会社のマーケティングのプロが 喧々諤々、「エフェクティブネスとは何か？」を徹底的に議論し、単なる売上の規模でなく、 課題に対しての本質的な効果・成果をこそ評価することを基本スタンスに審査を行いました。

今年はTV・ラジオでのオンエアをエントリー条件から外したこともあり、マスとデジタルを 掛け算して最大限の効果を追求するキャンペーンが大幅に増えた中、大激戦を制して今年の グランプリに輝いたのは、アキタ「きよらのたまご」キャンペーンです。

スーパーの特売品の常連で、もっともコモデティー化した商品である「卵」を新たにブランディングし、「定価で指名買いしてもらう！」という難しい課題に対して、女性の心をつかむエッジの効いたクリエイティブアイデアと、ＴＶＣＭとクックパッドの展開を絶妙に掛け算することで、熾烈な価格競争が繰り広げられる卵売り場で、瞬間風速でなく「継続的に！」指名買いを実現し、大幅な売り上げ増につなげた事が、高評価となりました。

接戦の末惜しくもゴールドとなったauの「三太郎シリーズ」も、国民的な人気を確立した“強い表現フレーム”に甘んじる事無く、隠れキャラ「一寸法師」を密かに忍ばせ、世の中から発見されることを待つという大胆な仕掛けで、能動的に何度も見たくなるＣＭの仕組みを成功させたことが、マス×デジタルの新しい地平を切り開いてくれたと思います。

他にも、宮崎県小林市の「移住促進ＰＲ」、広島の社会福祉法人はぐくみの里の「折り鶴リサイクルシステム」がシルバーとブロンズに選ばれ、地域課題に対するクリエイティブの大きな可能性を感じました。

メディア環境が多様化し、消費者の購買行動が激変する時代にふさわしい、強くて新しいマーケティングを今回選定したキャンペーンから皆さんが感じ取って頂けるのではないかと感じています。