総務大臣賞/ACCグランプリ
- 作品名
- サントリー 天然水 / ENDLESS DAWN そしてまた、朝が来る。
- 審査評
-
「北アルプスってこんなに険しくてすごい山なんだ。」まずその迫力に圧倒されました。そして、あまりに体験として仕上がりすぎていたので、もはやそこにテクノロジーを感じておらず、テクノロジー弱者の私は、これはデジタルエクスペリエンスなのか?と悩んだほどでした。冷静に何度も見るうちに、商品サイトという生活者がなかなか興味を持ちづらい場所でこんな形で商品を説明する、そのスタンスがかっこいいなと思いました。テクノロジーの理解度に関係なく、圧倒的な体験ができる。素晴らしいデジタルエクスペリエンスだと思います。
(有元 沙矢香)最初に企画の概要を読んだ時点では、オウンドメディアの充実がどこまで外に届くだろうと考えてしまいましたが、サイトを実際に拝見して、ブランドを伝えるための受け皿として、このとんでもないスケール感は、確実に言葉以上の役割を果たすだろうと思いました。「大自然」というとても根源的なテーマで、まだ見たことないものが作れるなんて。「感動するWEBサイト」として、これ以上のものが今後生まれるだろうか、という意味で、圧倒的なグランプリだと感じました。
(市川 晴華)圧倒的な清涼感、そして鳥になって飛んでいるかのような疑似体験。まさにテクノロジーを駆使した、デジタル・エクスペリエンスカテゴリーのグランプリにふさわしいのではないでしょうか。サントリーさんのウェブサイトであるはずなのに、映画館の中にいるような没入感の中で自然の美しさを感じることができます。ナレーターさんの選定も秀逸で、非日常を感じさせてくれる語り口にほっとします。北アルプスの山々を空撮で1万枚以上の高精細な写真で撮影し、画像解析の後、3Dモデルを生成したという制作側の「果てしなき美」への追及に拍手を送りたいです。
(木嵜 綾奈)テクノロジーの力で大自然を表現しようとしたって、リアルな自然には一生勝てない。土を踏み締める感覚や、もうこのまま街には帰れないんじゃないかと迫る恐怖心、季節の変わり目の木々の匂いの変化、そこに辿り着くまでの時間の経過。そんなものがまるっと全部すっ飛ばされてしまうんですから!と、思っていたんですが、これは違いました。この世界で私たちは鳥になり、水になれる。知っていたはずの山々の、確かに実在するが人が入り込むことのできない表情を、誰しもに開いてしまうんです。これを見たとき涙腺がきゅんと締め付けられて、巡る山々がもっと愛しくなりました。
(木本 梨絵)見た瞬間、0.1秒で脊髄に突き刺さるような「迫力」を纏った作品に出会うことが稀にあるけれど、このインタラクティブコンテンツは、まさにその1つだった。何かブランド活動をするときには「費用対効果はあるのか?」「どれほどの人に見られるのか?」といった合理の壁がつきまとうけれど、時につくり手は、その評価軸では測れない強烈な体験を作らないといけない時がある。「迫力」を纏ったこのコンテンツは、そういう強さを持っているし、だからこそ、触れた人々と本当の意味で深く繋がれる力を持つのだろうなと感じた。
(栗林 和明)デジタルの技術でアナログの質感をそのまま模倣しても、アナログの情報量を超える体験に成り得ることない。そのような議論が度々上がっていた。そんなデジタルとアナログの壁の中、颯爽と、あたかも元から存在していたかのような定着力で出力した作品だと思った。3Dスキャンだからこそ見ることができる鳥目線の自然の美しさと動き、実写では得られない”物質”として存在するリアリティ、その体験を持って語られる天然水の成り立ちの説得力。実写の山肌よりも深く濃密な体験を、デジタルで昇華させた最高のブランドコミュニケーションだと感じた。
(小暮 菜月)パッと一眼見ただけで、ただごとじゃないとわかるサイトだと思う。右脳的に気持ちよく、ずっと見ていたくなる。水の説明をするためにここまでやる、というこのサイトの存在自体が、「水と生きる」と謳うサントリーという企業の姿勢を語るものになっていてど真ん中のパワフルなブランディングだと感じた。ショートストーリーや倍速視聴などどんどん手軽なコンテンツに向かっていく世の中でこういう深さのあるブランド活動がもっと広がってほしいと素直に思った。
(小島 翔太)圧倒的なクラフト力。凄すぎて意味がわからないレベルのアウトプット。すべてがわかりやすく、広がりやすく、経済合理性を求めて作られる時代だからこそ、こういう「理屈を超えた超絶ワーク」の方が目立ち、かつ世の中からも必要とされるのかもしれない。
(嶋野 裕介)パソコンの前にいることを忘れ、空を飛んでいるかのような没入感、一本の映画を見たような読後感。一度見たら忘れられないブランドの深い世界観を体験させていただきました。
これまで天然水が発信してきたメッセージとも親和性が高く、受け手の中にもその蓄積があるからこそ、この壮大なストーリーに説得力があり、絆をより強固なものにする作用が働いていると思います。このようなハイコンテキストなコンテンツは、一般の方々にとってはハードルが高く広がりにくいという側面もあるのですが、それでもこのコンテンツを創る意義を感じられました。
(武市 美穂)webサイトなのに、映画のような重厚な読後感。もしもそのまま、「映画体験をwebサイトで実現する」という企画だったのなら、まさに気宇壮大です。演出アイデアの詰め込み方もすごく、細かな動きとマウススクロールを同期するだけでここまで没入感が出せるものかと感動しました。果たしてどんなオリエンだったのか。予算と効果についてどうバランスしたのか。自分には絶対に真似のできない予感がある、だからこそグランプリにふさわしい圧倒的な施策です。
(多々良 樹)様々な3D制作プラットフォームによって、バーチャル空間上に構築された「北アルプス」を自由に飛び回るようなデジタル体験は、まるで一本の映画を観ているようなシネマティック体験。そしてその体験を通じて感じる、「水と生きる」というサントリーの圧倒的な想いとメッセージ。ソーシャルでの拡散を叫ばれる昨今のマーケティングコミュニケーションにおいて、このウェブサイトを制作すること自体が、サントリーの凛としたブランド姿勢にも感じられるような、本カテゴリーにおけるグランプリにふさわしいブランデッドコミュニケーション。
(畑中 翔太)『デジタル』の『エクスペリエンス』というこの部門の定義を再確認し、再定義させられるような仕事。売り上げはでたの?とかニュースになったの?みたいな、ぼくが普段は気にしている問いを置き去りにしても許されてしまうような、テクノロジーと熱狂が同居する仕事。今後しばらくは、『デジタルエクスペリエンスってどういうこと?』と聞かれたら『サントリーのあれみたいなこと』と言われることになるだろう。そして、そんなぼくの予想を軽々と超えていくようなことが起きるのも、この部門の特徴なんだけど。
(三浦 崇宏)想像すると震えてしまうような果てしなく根気のいる作業。そこに挑まんとする覚悟や気概が山々から溢れ出ているかのようなダイナミックさと繊細さを併せ持った素晴らしい作品だと思いました。企業・ブランドとしての強い意志や揺るがない自信が、大自然と一体化して我々を深く包み込んで、その迫力と美しさでメッセージが自然と心に染み込んでくるような、これまでにないブランド体験の形を見せていただきました。制作に関わったすべての皆様、グランプリおめでとうございました!
(村上 絵美)水という差別化しづらく、安いイメージを持つカテゴリをここまでの高級感とクオリティーを作り上げたことに感服です。クリエイティビティーの力で確実に商品の価値を高めたと思います。
(李 心寧)