デジタル・エクスペリエンス(Aカテゴリー)

総務大臣賞/ACCグランプリ

作品名
TV アニメ放送完結記念『進撃の巨人』ワールドワイド・アフターパーティー
審査評

大人気TVアニメ『進撃の巨人』の最終回。放送後には「#進撃ロス」がトレンド入りしそうな中、世界中のファンが集い、制作陣とともに作品愛にどっぷり浸れる場を提供することで、切ない終焉を祝いの宴に変えた取り組みです。
ファンも作品を盛り上げてきた仲間だと感じられる「アフターパーティー」というテーマ設定。ブラウザベースで参加できる敷居の低さや、異なる言語間でも交流できるアクションコマンド。ライブ配信から探索ゲームまで、多様なコンテンツも細やかに作り込み体験を充実させ、ファンイベントの新しい形を提示した点が、グランプリにふさわしいと感じました。
(木下 舞耶)

「メタバース」という、まだまだ模索されているコンテンツの中で、一つの大正解に辿り着いたプロジェクトだと感じます。
ありそうでなかった打ち上げという体験。
かゆいところに手が届く細やかなUIや、新しい収益ポイントの発明など、パッと見ただけでは気付きづらい場所に、たくさんの創意工夫が詰まっていました。
みんなが見過ごしがちなテクノロジーを、一周回って実用的な使い方として定着させる事例は、今後様々な仕事のありがたいリファレンスになり続けていくのだろうなと想像します。
(栗林 和明)

コロナ禍が、絶望的な恐怖と大きな悲しみとともに世界に及ぼしたものは、消えない大きな傷跡と、不可逆な習慣と常識の塗り替えだろう。我々の日常の中でもこの時期に一気に普及したリモートの文化は残り香と呼ぶにはあまりにはっきり残った。物理的に会わない祝祭の場としてのメタバースも一気に普及したが、会えるようになってなお、現実の代替ではないその価値を見出すという難題の壁を軽々と超えて、疑問なく当たり前のように定着させたプロジェクトとしてこの仕事は特筆すべきだ。新しい常識を証明するのもアイディアと実行力の力だ。
(菅野 薫)

VR施策はとにかく難しい。世の中のイメージと現実が擦り合わない。
技術的ブレークスルーがまだである以上、SF的に誇張された体験ではない、現実に即した新しいやり方を発明する必要があります。が、それは新しい物語を見つけることに近い壮大な挑戦です。
「よかった!」と言い合い、「お疲れ様!」と伝えるためだけに消費したい。
欲求を装飾せず、ユーザーとの接地を突き詰めた結果VRに行き着いていることが新しかった。フィクション、架空の打ち上げ、仮想空間。虚構の力=人類の無限の可能性を感じてグッとくる施策でした。
(多々良 樹)

世界中の視聴者をプロジェクト関係者の一員と読み替え、完結パーティーに招待する、というアイディアにこの企画の本質がある。メタバースというテクノロジーはあくまでそれらを補完し実現させるための手段に過ぎないという、潔さに好感を抱いた。コロナ禍の中で、メタバースイベント自体は広く行われ、擦られ感すら漂っている中で、『進撃の巨人』というグローバルIPと組み合わさることによってその敷居が下がり、メタバース技術を民主化に導いている。また、テクノロジーによってマネタイズポイントのシームレスな設計が叶うことで、事業性を担保できているのも秀逸。
(龍崎 翔子)

ACC ゴールド

作品名
TALKING CITY
審査評

居住コミュニティ内の人間関係の希薄化が進んでいる昨今、隣人の名前はおろか、顔や声も知らないという現象も珍しいことではありません。この企画は、人と人、そして街をつなぐ距離感の絶妙さが素敵だと思いました。住民の声を使うことで、リアルでありながらも、あくまで「付かず離れず」な関係を維持できている。決して強烈な体験ではないけれど、じんわりと街への愛着や安心感が生まれるのではないかと推察します。街のなんでもないベンチやポールが喋りだすという、イマジナリーフレンド的な体験もチャーミングです。
(片岡 良子)

モノに宿る魂、「八百万(やおよろず)の神」といった、日本ならではの考え方を表現しているのだと強く感じ、動画を見て泣いてしまいました。昔から居る住人の声で、まちに魂を宿らせる。手のひらで(スマホで)そこに昔から宿る声を聞くことができる。そんな思いを実現するために使った技術がシンプルでパーソナルだったのも良かったです。ARをやるためにARを使うのではなく、ヒトとヒトを繋ぐために技術を使う。昔から居る住人も、移住者や若い人も、いつもは見過ごしていた繋がりを大事にするためのデジタル体験として高く評価しました。
(富永 久美)

うお〜!めちゃくちゃこの施策好きでした!たとえば「エンジニア」や「テクノロジスト」じゃない広告業界のプランナーでも「テクノロジー」を活用してこんなにいい仕事が出来ちゃうという、そんな答えの一つを示しているのが『TALKING CITY』なのかな〜と思います!「居住歴が長い人から、居住歴が短い人にこの街の良さを伝える」というコアアイデアを最大化するために手段として、ARという民主化されたデジタルをフルに活用する。そこに住人の温かさを付加したアイデアの数々。めっちゃいい仕事で大好きです!
(明円 卓)

ACC シルバー

作品名
Honda. Improbable Mobility.
審査評

若い世代に向けた施策の形として、クラフトの完成度が高かったと感じました。サイトのデザインもつくりこまれていて思わず気になる、そんな佇まいがこの部門にピッタリでした。おめでとうございます。
(佐藤 雄介)

ACC シルバー

作品名
HERITAGE DATABANK
審査評

テクノロジー×クリエイティビティの幸福な出会い。
デジタルは得てして短期的な効率的なことに向かうイメージがあるが、歴史に残す、未来に伝えることに役立てられるという新しい発見があった。
アワードとは、この業界はこの方向に向かうといいのではないか?というある種の指針を投げかける場だ。
だとするならば、語弊を招く言い方をあえてしよう。
このプロジェクトを多くのクリエイターが、テクノロジストがパクればいいとさえ思う。
それが単なる真似事ではなく、このプロジェクトの構造・意志・本質を見抜いた上でのリスペクトのあるオマージュであるのならば。
(三浦 崇宏)

ACC ブロンズ

作品名
ペットのいないペットショップ
審査評

「ペットの生体販売」の問題提起として、課題と企画と技術が、合致している。「この技術の意味があるキャンペーン」だと思った。「実際にこのキャンペーンを通じて成約があったのか」という議論があったが、問題提起の隙間がなさそうな分野で「普段ペットショップに行く人」に対して、まずは違和感を与え、「何で?」と思わせることに成功している。この1歩をつくることができている時点で意味があるし、もっと普及するといいなと思う。
(市川 晴華)

ACC ブロンズ

作品名
カップニャードル
審査評

商品の資産であるフタ裏の猫を活用し、ゲームコンテンツへと発展させた「カップニャードル」。育成ゲームの手法を取り入れることで、エンゲージメントが長期化し、キャラクターへの愛着も深まりやすくなったのではないでしょうか。誘引CMのコピーもシンプルながらキャッチーで、日清らしい仕上がりでした。多くのブランドコンテンツが出しっぱなしで終わるのが業界の常識である中、本作ではサービス終了直前にゲームジャンルが突如変更されるサプライズがあり、クローズまでのストーリーが設計されていた点が、個人的に高く評価できるポイントです。
(木下 舞耶)

ACC ブロンズ

作品名
老いパーク
審査評

日本を代表する研究機関である日本科学未来館が、「老い」という人類共通の大テーマに向き合う試みには必然性を感じます。この企画は、その向き合い方がとても素直で、あらゆる人にオープンな体験になっているところに好感を持ちました。「サトウの達人」「スーパーへGO!」など、老いに対する悲観を持ち込ませないエンタメ性と、科学館らしい学びの提供が両立しており、持ち帰るものが多い体験設計になっている点が秀逸だと思いました。
(片岡 良子)

ACCファイナリスト

作品名
映画「PERFECT DAYS」公式ウェブサイト
審査評

見終えた後に、心に残る余韻。シームレスな世界観を描くことで映画体験を補完するWEBというのが新鮮である。洗練された最新技術ではなく、孤高のテキストサイト職人の仕事ぶりを思わせるクラフトが映画の空気感にも通じている。
(龍崎 翔子)

ACCファイナリスト

作品名
Play Has No Limits feat.King Gnu
審査評

デジタルの力で実現した圧倒的なクラフト力。もし、同じ企画を思いついても、ここまで精細で美しく、そして記憶に残るものを自分が作れたでしょうか。制作者たちの発想力と実装力、そして、果てしない努力に拍手。
(宇佐美 雅俊)

ACCファイナリスト

作品名
ファンタジースプリングス 開業前夜配信イベント 「THE FANTASY BEGINS」
審査評

AI技術や仮想空間に、”価値”や”居場所”を見出す昨今に、「デジタル技術」をツールとして活用し、人間のイマジネーションを以って現実世界に体験を提供するコンテンツに、他にはない「ワクワク」を感じました。
(舟崎 彩乃)

ACCファイナリスト

作品名
TOYOTA IMV 0 DIGITAL CUSTOMIZE
審査評

ゲームのUIの感覚で体験できる箱庭的なワンビジュアルに、単純にワクワクした。なんでも表現できてしまうデジタルこそ、アウトプットのゴールイメージの精度が問われる。とてもブランドらしい丁寧で楽しい定着に感じた。
(小暮 菜月)

プロモーション/アクティベーション(Bカテゴリー)

総務大臣賞/ACCグランプリ

作品名
バーガーキングを増やそう
審査評

企業の「困り事や課題」が、直接エンゲージメントのタネになるかもしれないという希望がもてた。審査会で、「インセンティブがお金なのはどうなのか」という議論があったが、たしかに「お金」であることで応募数に寄与したとは思うが、「お金」だからこそ、1ファンに対して企業が「仕事を依頼する」にしっかり見えたことで、本当に困ってる感が出て、企画の強度を高めたと思う。応募者にはクーポンが送られる仕組みで、ちょっとしたことだけど細部までバーガーキングに落ちるプロモーショナルな仕掛けにみちみちていると思った。鮮やか。
(市川 晴華)

この仕事は、ブランドだけでできないことを、ソーシャルの力で実現しています。そこには、ターゲットを“お客さん”ではなく、“デベロッパー”に転換するという戦略があると思いました。そして、ただ、話題を生み出すだけではなく、ちゃんと課題解決になっている。“企業の課題”で企画するのではなく、“ターゲットの課題”で企画してソリューションを生み出すという点にも、学びがあります。課題設定のクリエイティビティ、企画実行に対する構造設計、そして、世の中のリアクション、どこを切り取っても素晴らしい仕事です。
(宇佐美 雅俊)

本来お店がやることをユーザーにやってもらうという逆転。ただし、座ぐみやビジネス的なチャレンジが素晴らしいのではないと思っています。
僕がこの施策を評価するのは、街・最寄駅をデザインするって楽しい、というインサイトの発見と、施策への落とし込みに尽きると思います。
そして、それをやるのがバーキンという玄妙な納得感。ハンバーガーチェーンの中でバーキンを選ぶのはちょっと玄人感がありカスタム心をくすぐります。僕はバーキンと、ミスドと、ユニクロと、吉野家と、紀伊国屋書店がある駅に住みたい。
(多々良 樹)

「プロモーションにまだそういう手があったか?」と思わせてくれた、今年のACCを代表するアクティベーション業務。「バーガーキングのファンが一番嬉しいこと=身近にバーガーキングがあること」という、本質的だが実は見過ごしていた顧客インサイトの設定が秀逸。
インサイトを深く捉えているからこそ、バーガーキング好きが動く。そしてファンたちが動いた結果、大量のロケーションデータが集まり、バーガーキングのビジネスサポートになる。ブランドとファンがここまでWIN-WINになるプロモーションは見たことない、今年のグランプリに相応しい業務。
(畑中 翔太)

消費者を広告の対象ではなく事業拡大のパートナーと見做し、事業成長のKSFとなる出店地ソーシングに協力してもらうことで、顧客エンゲージメントを高めるばかりか、出店すべきエリアの見極めも可能となるという一石n鳥の企画。バーガーキングを好きな人をどうしたら幸せにできるのか?という出発点に立脚して紐解かれているところが通常の広告と全く思考回路が異なっていることが印象的であり、新しい広告コミュニケーションの発明となっている。一点あるとすれば、この企画が広告にとどまらず実際に出店に繋がっていることが示せればなお良かっただろう。
(龍崎 翔子)

ACC ゴールド

作品名
JO1 NEWSmileプロモーション「JO1 MART」
審査評

こんなにポップなのに、音楽業界に一石を投じる、批評性が感じられるメッセージがあるのがすばらしかった。1プロモーションという枠組みの中でもCDを売るにとどまらず、視座の高さが素晴らしい。何かをいきなり変えるのはむずかしくとも、こういう一歩一歩が確実に、「当たり前になっているけど、本当はなくていいもの」などを変えていくのだと思う。どういう提案書を書いたのか、知りたい。
(市川 晴華)

音楽は常にイノヴェーションの最前線で危機に晒されてきた。エジソンの蓄音機がもたらす録音物の量産と普及によって、純粋な芸術表現はエンタメと交錯しながらビジネスに直結して幸せなアートとなった。一方で、ラジオ放送の登場も、ネットの登場も、最初に音楽産業に危機をもたらした。ポスト・サブスクの現代においても、物理的な盤の購入が人気の可視化に影響する構造の残存故に、ファンの正しい行動を惑わしている。要らないCDの購入を促すためのグッズの添付という過渡期の常識を逆手に取った鮮やかな企画。今っぽさも広告の役割だ。
(菅野 薫)

CDに伴うプラスティックや大量廃棄を問題視したアーティストはこれまで日本にいたかもしれませんが、それをボーイズグループでやった価値に注目しました。アイドルの推し活におけるCD封入特典が目当ての大量購入は、同じCDを複数買うことで抽選に応募したり応援に繋がるといった感情的な理由で、物質浪費と環境負荷を一切考える隙を与えない悪循環を産んでいます。JO1のファンダムがこのプロモーションを通じて、推し活の一部として環境を考えるきっかけを広めたのが素晴らしいです。新しい「当たり前」が広がっていきますように。
(富永 久美)

ACC ゴールド

作品名
スポーツを起点に地域の未来をつくる共同創造型の新しいまちづくり「北海道ボールパークFビレッジ」
審査評

大尊敬です。
ビジョンドリブンのお手本のような仕事。
普通に歩んでも辿り着けない目標には、必ず地図が必要になります。
そのゴールが魅力的で、そして地図が"確か"であるほど、たくさんの人が賛同してくれる。このプロジェクトは、そんな"地図づくり"の発明が詰まっていました。
ここまで大きなプロジェクトを実現できると証明してくれたからこそ、今後、その地図づくりの技術は、あらゆる仕事の後押しになるはずです。
魅力的なビジョンに溢れる世界になることが、とてもたのしみです。
(栗林 和明)

このプロジェクトをACCの範疇で評価することについて、大きく議論が分かれた。
選者としての私は、このプロジェクトを評価せずして、何がACCかとも思う。
人の夢を形にする作業、そこには必ず、クリエイティビティが必要になる。
クリエイティビティとは、感情を動かすことで課題を解決することだ。
この途方もないプロジェクトを形にするまでのおそらく恐ろしいほどの課題があったことだろう。
それら一つ一つはお金や根気だけで解決できることではなかったはずだ。
人を本気にさせ、熱をうむ、そんなクリエイティビティが必要だったはずだ。
それを評価したい。
(三浦 崇宏)

ヤバすぎます…この仕事こそ今年のACCのBC部門が後世に伝えるべき、広告業界の未来を示す仕事だと思います。広告業界には、アイデアやビジョンを描ける人がいる。ビジョンを形に出来るプロデューサーがいる。クライアントと一丸となって、広告の域を超え、こんな夢のような仕事が生まれてしまう。どんなにデカい夢も、誰かが書いた一つの企画書から生まれていく。僕は最後までこの仕事がグランプリを獲る未来が良いなと思って投票しました。企画の視座を上げたい時は、このプロジェクトを思い出します!まだまだいける!頑張れます!
(明円 卓)

ACC ゴールド

作品名
MATSUKEN PARADE!!
審査評

何より、抜けが良かった。「抜け感があるか」は個人的にポイントにしている概念なのですが、この施策は、抜けの良さをキープしたまま、TVCMからアクティベーション施策まで、一気通貫させていたのがさらに良かった。松平健さんというキャストを、これでもかと活かし、やりきっている。デジタルのクラフトも熱量があって、とても好きでした。僕もマツケンを、召喚させたくなりました。
(佐藤 雄介)

最高!縁起いい感、お祭り感、マインドギャル感、実は我々が心の奥底で求めていたものを捉えた施策だと感じました。
女性購買層がターゲットで、「マツケン」「AR」って一見外している。ようで、ちゃんとハマっている。表層的ではなく、世の中の風を捉えたすごい施策だと思っています。ARなんて絶対やらないよ、という思い込みをスカンと吹っ飛ばしてくれる絵力と、なによりやっぱり縁起いい感じが購買にも繋がってくる。良い施策であることはみんな分かるけど、なんだか言葉では言い切れない横綱企画。金のショッパーも好きです!
(多々良 樹)

「新春」というハッピーな雰囲気にマッチしており、”マツケン”という魅力的な素材をここまで昇華していることに、クリエイティビティやセンスを感じました。「買い物」における「楽しさ」をさらに掻き立て、実際に足を運びたくなる要素もあり、”買い物を楽しむ”ってこういうことだよな、とも感じました。普段、松平健さんを追っかけているわけではない若い女性がマツケングッズを買う、という、理解できないが”感覚的に納得できる”気がします。
(舟崎 彩乃)

ACC シルバー

作品名
#これ誰にお礼言ったらいいですか
審査評

「企業が発信するハッシュタグキャンペーンでムーブメントを起こす」という、この時代に正面から向き合いたくない難題を、更に難しい「SNS性善説」方向で真っ向勝負した見事な手腕だと思った。そして何より素晴らしいのは、ネットでのムーブメント、話題創出で閉じることなく、実際に本人にお礼を届けて働く人へのモチベーションアップに繋げ、パーソルのブランド理念に強く結びついた一貫したキャンペーンになっていること。限られた予算の中でも輝ける、強力な力点と丁寧な設計を感じた。
(小暮 菜月)

ACC シルバー

作品名
思い出を重ね着するひな人形 きおくひとえ
審査評

ぬおーーーーーー、自分的に「アイデア部門」グランプリでした!全応募仕事の中で一番好きなアイデアでした!こんな風に、昔からあるものの価値を、しっかりと新しい価値に変換して今の時代に伝えてくれたら、自分がクライアントだったら最高に嬉しいだろうな〜…。「この時代に愛されるひな人形を新しく考えよ」というお題があった時に、これ以上の解って僕には全く思いつきません。こんな企画を考えられちゃうチームの方たちは、絶対どんな仕事でも最高のアイデアが作れる方達なんだろうな〜と思いました!
(明円 卓)

ACC シルバー

作品名
スマイルあげない
審査評

スマイルあげない、というタイトルに全てが集約されていくのが、すばらしかったです。かわいいミュージックビデオでありながら、社会性のあるテーマとつながっていたり、キャストの起用タイミング含め、時代を的確に捉えていた施策だと思いました。スマイル、というテーマを真ん中にしたことで、マクドナルドにしかできない施策にもなっており、その必然性も含めオリジナリティがある施策だと思いました。
(佐藤 雄介)

ACC シルバー

作品名
世界初。クレーンゲームでしかGETできないファッションブランド「TOFT」
審査評

クレーンゲームの新規顧客開拓という課題に対して、クレーンゲームでしか買えないブランドを作るというアイデアの導き方が、とてもストレートで本質的で、尊敬せずにはいられない企画です。アイデアだけでなく、アウトプットも抜かりない。「すわれないイス」や「おもちゃみたいなバッグ」など、コンセプトとデザインがいちいち可愛くて素晴らしいです。IPグッズに埋め尽くされたクレーンゲーム売り場に鮮やかな風穴を空けそうな、既存売り場から軽やかに飛び出していきそうな高いポテンシャルを感じました。
(片岡 良子)

ACC シルバー

作品名
メルカリで出会えるモノでつくった「ウチの実家」
審査評

実家は、「実家感」という言葉があるくらい世の中で共通のイメージがあるのに、どの実家も別に「実家感」を目指して作ったわけではなく、あくまで偶然の産物。人んちの実家は、ものすごく別世界のようで、自分の家のような懐かしさもあるという独特な場所です。この何とも言えない空間に着目し、出現させた感性に、驚かされました。実家というキャッチーな存在で興味をそそりつつ、企画のベースには「隠れ財産」という強いファクトがあり、企画の入り口と出口が滞りなく繋がっているところも、素晴らしいと思います。
(片岡 良子)

ACC シルバー

作品名
ティロリミックス 2024
審査評

広告を『作品』と称するこの業界の慣習が、吐き気を催すほど嫌いだ。
クライアントの金と意志で、クライアントの事業のために作られるものは、決してクリエイターの作品ではない。
審査の間にも、「この作品について〜」などと語られる度に腰痛が激しくなった。
しかし、広告の審査会では、それでも時に『作品』と呼びたくなるアウトプットがある。
また、『作品』と呼ぶクリエイターの矜持がアウトプットの強度を生むことも事実だ。
この仕事は、『作品』と呼びたくなるものだった。そういう仕事が減っていく中で、美しく目立っていた。
(三浦 崇宏)

ACC シルバー

作品名
いい人すぎるよ展シリーズ
審査評

世の中には、人を幸せな気持ちにする話題(バズ)と、そうでない話題(バズ)があります。この仕事は、まさに触れた人を幸せにする最たる例だと思いました。そして、その裏側には広告業界で培われた技術の粋がつくされていました。みんなが共感するインサイトは?どうやってWeb上で拡散されていく?どういう体験がメディアのニュースとしてとりあげられやすい?などなど。広告業界出身のクリエイターが広告以外で世の中を沸かしたという事実が、私たちが信じるクリエイティビティの可能性をまた一つ広げてくれたように感じます。
(宇佐美 雅俊)

ACC ブロンズ

作品名
目の愛護ショー
審査評

AI時代の技術の進化は加速度的に、SNS時代の情報の消費は一瞬になった現在。まだ誰もやったことがないことで勝負するアイデアの世界では、短い旬を捉える厳しい戦いを強いられている。既に8000台で同時飛行するようになったドローン飛行で描くディスプレイで人を驚かせることは難しい。その表現としては飽和した枯れた技術を逆手に取って、あえて粗い解像の表示を疲れ目の発見と解くアイデアには圧倒的な新規性がある。表現にとっては必ずしも最新技術が正解ではなく、技術の使い方の新規性に答えがあることを教えてくれる力が抜けた好例。
(菅野 薫)

ACC ブロンズ

作品名
オードリーのオールナイトマック
審査評

この企画のコピーが好きだ。「意味のない夜って、贅沢だ。」という言葉からはじまり、ラジオ番組自体の話がボディコピーでつづき、「生産性だってほぼゼロ」とまで言い放つ。マクドナルドの話はほとんど出てこない。でもそれこそが、マクドナルドにとって一番のブランド価値なんだと思う。特別コンテンツを実際に深夜のマックで聞いたことがある。それは夜のマクドナルドに来る人が求めている、「誰かがいる場所の安心感」という価値をさらに高め、その場所にいるすべての人を(クルーのみなさんも)幸せにしていたように感じた。
(嶋野 裕介)

ACC ブロンズ

作品名
POKÉDANCE
審査評

拡散を狙い澄ました、素晴らしいクリエーティブであるということは前提としてありながら、学びとしてはメッセージの削ぎ落としが秀逸だったのではないかと思っています。
Buddyである、ということ以外は、ソーシャルでの拡散を目指す工夫に振り切っているように思いました。だからこそ、どこを切り取られてもいいやと思えるし、切り取られる前提で一つ一つのパートを作り込んでいける。担保を求めず、そこまで振り切った勇気に乾杯したいです。
(多々良 樹)

ACC ブロンズ

作品名
日本の放置竹林を、資産に変える。『延岡メンマ』
審査評

あああ、これも本当〜〜〜に大好きなアイデアです!審査会でも議論が盛り上がりました!アイデアとデザインの力で、社会問題に切り込み、ちゃんとこんな風に世の中でワークしている事例って数少ないはずです。このアイデアのすごい所は、いくつもあるのですが、特に凄いなあと思ったのは、一社で解決するのではなく、みんなで解決するモデルになっていること。これぞ令和のソーシャルアイデアビジネスだと思います。ACCはこういう施策がちゃんと注目される賞であって欲しいと思うし、実際審査委員からも良いコメントばかりでした!
(明円 卓)

ACC ブロンズ

作品名
座ってイイッスPROJECT
審査評

まさに「新しい日常風景」を作った仕事。多様な働き方を認めようとしている現代の日本社会の中で、その働き方がAからBに変わるような象徴的な一歩を作ったアクティベーション業務。アルバイト中に「座れる」という選択肢があれば、体が不自由な方が働けるかもしれないし、年配の方も働けるかもしれないし、「人が働く可能性」を広げている。また、これまでバイトの求人数や種類で競い合っていた求人市場において、「(マイナビは)アルバイトの人権まで考えてくれる」という新たな価値軸を創造できている。社会変革のために今後のプロジェクト継続を期待する仕事。
(畑中 翔太)

ACC ブロンズ

作品名
「盗」
審査評

イマーシブ広告の新境地である。擦られ尽くしたプレゼント企画に、番組名『脳盗』に由来する「盗む」というコンセプトを付加し、ラジオ局の備品であるマイクを使用して「音を立ててはいけない」という制約を設けることで、お金を払ってでも足を運んで体験したいと思わせる価値を生み出している。また、それら全ての要素が韻を踏むかのように結ばれているのも技巧的で小気味がいい。衆目の中でノンバーバルなミッションに挑戦することでUGCが生まれやすくなるというナラティブの設計も秀逸。教科書的でありながら退屈でない、随所に真似したくなる小技が効いている優れた企画。
(龍崎 翔子)

ACC ブロンズ

作品名
渋谷霊丸
審査評

「あの渋谷の霊丸みたいにさ〜」この仕事に出会ってから、自分の打合せの場で何回言った台詞でしょうか。優れた仕事は、会議の場でリファレンスとしてしばしば取り上げられるものです。その点で、この仕事は、これから数年、もしくはずっと、日本中の企画会議の場で参考事例として語られると思いました。まさに、広告の歴史の教科書があるなら、そこに載るに相応しい仕事。こういうコロンブスの卵のような、みんなのベンチマークになるような仕事が大好きです。
(宇佐美 雅俊)

ACC ファイナリスト

作品名
匿名宝飾店
審査評

非常に衝撃的なコンテンツでした。上品なやり方ではあるものの、SNSへ挑戦状をたたきつけたようなスタイルに気概を感じました。メーカー名が分からないのに購買につながる、新しいブランド体験・店頭体験であったと思います。
(舟崎 彩乃)

ACC ファイナリスト

作品名
いきもの東急不動産
審査評

環境への配慮が企業広告の常套句になっている今、この企画は、それを宣伝するのではなく、証明してみせた。地道な姿勢に好感を持ちました。「営巣」という牧歌的な言葉を、表参道に掲げるワードチョイスも素敵です。
(片岡 良子)

ACC ファイナリスト

作品名
電車の中で座るための戦略とアクションプラン
審査評

通常はto Bで展開しているビジネスを、広告コミュニケーションにおいてその技術や能力を、「(あえて)to Cに使ってみる」という手法が斬新。コンサルティングファームという敷居の高い存在が、「電車の中で座るための戦略を練る」というギャップも秀逸。
(畑中 翔太)

ACC ファイナリスト

作品名
ハット首脳会談2023
審査評

クリエイティブとは人間の感情を動かすことで課題を解決する技術だ。
人間の感情は『喜怒哀楽』のような鮮やかな色だけでは決してない。
バカバカしい、悔しい、愛おしいといった曖昧な感情であり、それをうまく捉えることにこそ、この仕事の醍醐味と、我々クリエイターのプロの技術があるのだ。
また、利害の異なる3社の経営者を調整した営業の仕事も素晴らしい。
(三浦 崇宏)

ACC ファイナリスト

作品名
ペットのいないペットショップ
審査評

日頃動物愛護に関心があり、その領域の展開の難しさを感じていたので、このアウトプットの鮮やかさと細かい思考プロセスを想像し、非常に感激した。この文字数では伝えきれないのが残念だが、素晴らしい試みだと思った。
(小暮 菜月)

ACC ファイナリスト

作品名
「Cook Do®」 オイスターソース レタス保存用新聞2
審査評

クリエイティブとは人間の感情を動かすことで課題を解決する技術だ。
そして、人間の感情を動かすためには、まず驚かせないといけない。
その、人間の感情を動かすメカニズムを捉えた施策として鮮やか。
同時に流通対策としても機能しているのが素晴らしい。
(三浦 崇宏)

ACC ファイナリスト

作品名
【呂布カルマ×DUNLOPREFINED】日本人ラッパー初・グラビア写真集発売!
審査評

思わず半笑いになるが、光るものがある。本来、ルックブックとして無償配布されるべきものが、秀逸なキャスティングと「セミヌード写真集(袋とじつき)」というコピーを通じて価値と話題性が生まれ、収益化に繋がっているのが好印象。
(龍崎 翔子)

ACC ファイナリスト

作品名
ダンボールハウスけんちくじむしょ
審査評

今回、ワイルドカードという制度を使って、個人的にショートリストに挙げた施策です。大人が家を建てる時、同時に、子どもにも小さな家を一緒に建てるというアイデアが、家を建てる人のインサイトを的確に捉えていて、とても良いと思いました。本当は、賞ももっと上までいくと良いのに、と思った施策です。この施策、続けて欲しいと思いました。応援しています。
(佐藤 雄介)

ACC ファイナリスト

作品名
ずっ恋
審査評

文脈をここまで理解している企画はそうそうない。普通、広告でタブーに踏み込むことはすごく勇気がいるし、やもすると炎上も起こりうるのに、ファンも嬉しい、ブランドも嬉しいことを実現したことが素晴らしい。
(市川 晴華)

ACC ファイナリスト

作品名
ニッポンを、もっと健康に。「げんきな免疫プロジェクト」
審査評

最近やたらと「免疫」という言葉を見るなぁと思っていて、今回この仕事のエントリーを見て愕然としました。広告業界に十数年身を置く自分ですら気付かずに、まんまとプロモーションに乗せられていたなんて。座組の作り方や見せ方など、一つ一つが匠の所業です。
(宇佐美 雅俊)

ACC ファイナリスト

作品名
超ひらパー兄さん 通過点篇
審査評

この企画がすごいのは「実は何も達成していない」こと。特急電車を止めるというアイデアは実現していない。でもその実現していないことこそが関西におけるコミュニケーションであり、この「わかっている」感がUSJと戦うための最善の知恵とアイデアなのだと思う。
(嶋野 裕介)

ACC ファイナリスト

作品名
流れ星に願いごと絶対に届ける機
審査評

これこれ、こういうのがデジタル施策なのよ!という大好きな施策です。
枯れた技術を、ナラティブで楽しくする。そういったことが出来る人でありたいなと思います。そのお手本になる、素晴らしい施策でした。
(多々良 樹)

ACC ファイナリスト

作品名
M-1グランプリ2023プロモーション
審査評

近年の「M-1グランプリ」としてのブランド確立は、お笑い・漫才に「かっこよさ」を取り入れたことも要因の一つだと感じます。そのカッコよさに方言広告などの抜け感もあって、こういうのみんな好きだよなーと分かりつつ、まんまとM-1 を見たくなる気持ちになりました。
(舟崎 彩乃)

ACC ファイナリスト

作品名
伊右衛門の車窓にて
審査評

この映像が流れてきた時、どうなってんだこれは…と目を疑いました。
"癖に刺さる"という言葉を聞く機会が増えてきましたが、まさにこれは、"癖をめった刺し"にしようしているCMであって、その解像度が異常です。とはいえ、相当先を行ってる気がするので、3年後くらいにこそ、この凄さが伝わるんだろうなぁと勝手に想像しています。
(栗林 和明)

ソーシャル・インフルーエンス(Cカテゴリー)

総務大臣賞/ACCグランプリ

作品名
冷凍餃子フライパンチャレンジ
審査評

起こしたアクションのひとつひとつがとことん誠実だから、奇を衒った表現を加えなくても、世の中に響いていく。その様子を目の当たりにし、大きな希望を感じました。公式アカウントが、自分たちに都合が悪いツイートにも、光を当てる。リスクを取ってでも、ユーザーに向き合う。企業の人格を感じるSNS運用とは、こういうことかと、お手本を示していただいたような気持ちです。意識されていたかわかりませんが、安易に謝罪を繰り出さず、改良への意志を表明し続けるスタンスも、堂々としていてブランドへの信頼に繋がると感じました。
(片岡 良子)

1件のネガティブな投稿から商品リニューアルまでの壮大なストーリーが展開された本プロジェクト。「永久改良」という理念の体現と部門を越えた連携、プロジェクトを推進するスピード感、そしてプロセスの透明性が高く評価されました。フォロワーへのリプライやフライパンを並べたサイト、他社との協業など、どのステップでも誠意と本気が感じられ、清々しさを覚えます。特に、「フライパンの募集」は高すぎるハードルゆえに、バズを狙っている感じがなく、「やれることはやる」という姿勢が伺えます。まさに、今の時代における企業SNSの理想的なあり方の一つを提示するグランプリです。
(木下 舞耶)

SNSでの企業アカウントとしての向き合い方の中で、「誠実であり続ける(時に狂気的なほどに)」という究極の正解の一つだと思った。フランパンの苦情にまで丁寧に向き合い返答するSNS運営のミクロの強さは勿論、集まったフライパンを実際に壮大なwebサイトで可視化し、参加者全てを仲間に取り入れるマクロへの動き、そしてそれを決して無駄にせず、改良されたリニューアル商品を発売。企業とお客様を広告で繋ぐ、なんと見事な合気道。非常にブランデッドな仕事だと感じた。
(小暮 菜月)

「お客様の声を大切に」とアピールする企業が多くあるが、ここまでやり切った事例は見たことがない。たった一人の声に真摯に向き合い、同じ悩みを持つ人を集め、それらを実際に確認して商品開発に反映する。そんなお客様との理想の関係値をつくるには何が必要か?クライアントおよびチームの覚悟だ。本気でお客様と向き合う準備と、言葉だけではなく真摯な行動。コミュニケーションとは企業発だけではないことに気付かされた。SNSが普及した現代は、本当の意味で「コミュニケーション」ができる企業こそが勝者となることを実感した。
(嶋野 裕介)

ソーシャル・インフルエンスの主戦場であるSNSを閲覧している人が「読みたい」「観たい」「知りたい」「眺めたい」「期待している」投稿と、業務中に会議室で検討される「企業が発信したいこと」とのギャップは激しい。新聞は当然、テレビとも異なる温度がある。反応が可視化される切迫感も相俟って、まずは数値が稼げる方法を因数分解したメソッドを主軸に熱量を獲得出来るアイデアを構築した後に、ブランドを接続したような発想の転換が顕著になっている時代。ブランドを真ん中に、迅速で潔い判断を武器に熱量を獲得するやり方が鮮やか。
(菅野 薫)

ACC ゴールド

作品名
POKÉDANCE
審査評

"何でもかんでもバズればいいということではない"ということは、コミュニケーションに関わる人なら誰しも感じることがあるけれど、それでもやはり、"バズ"という現象は、今僕らが使える数少ない魔法の1つであり、妥協のない精緻な設計をした先にだけ見える、とてつもない景色というものがある。
この映像は、そんなプロフェッショナルな技術の結集で、だからこそ、世界中を巻き込む奇跡につながっている。
ダンスと音楽というストレートな方法で、まだまだできることがある、ということをまじまじと突きつけられた気分です。
(栗林 和明)

ソーシャルメディアのUGCを中心に世界規模で勢いよく発火していった印象がありました。トレンディングサウンドと2次的関連性のおかげで、ポケモンに興味がない人の目にも多く触れたと思います。私は多くのKPOPアーティスト達が投稿したコンテンツをポケモンだと知らずに見ていました。誰もが簡単に真似できるチュートリアル動画や、縦に切り取りやすい簡単な動作など、UGCに特化した作りが絶妙に設計されていたと思います。ポケモンが生まれてから28年たった今、史上初の記録を打ち出した快挙に脱帽です。
(富永 久美)

僕はグランプリに投票しました!この仕事は「ポケモンだから話題になったんでしょ」と思われるかもしれませんが、全く違います。これは、ポケモンという最強IPに、企画者の綿密な設計が掛け合わされることで、必然的に生まれた社会現象です。ソーシャルに本気で向き合っている人しか気が付けない、細かすぎるソーシャル技術が盛り込まれすぎている。ソーシャルクラフト。バズには理由があるし、バズらないにも理由がある。設計の技術が光る仕事が沢山でこの部門、超超超勉強になります!!
(明円 卓)

ACC ゴールド

作品名
いい人すぎるよ展シリーズ
審査評

Z世代トレンドランキングで、ハリポタやジブリ、ちいかわなどのビッグコンテンツと肩を並べた「いい人すぎるよ展」。オリジナルIPでヒットを生み出すというビッグチャレンジにもかかわらず、ソーシャルやPR視点を活用した綿密な体験設計と情報設計がしっかりと結果につながりました。また、ヒューマンインサイトに基づいた「いい人すぎる」という普遍的なテーマは、書籍化や海外展開も可能で、展示にとどまらない強さがあります。広告業界の人間として、まだまだ多くのことに挑戦できる希望が持てる仕事でした。
(木下 舞耶)

何をすれば、SNSで注目を集めることが出来るか、メディアが取材したいと思うか、人の行動を喚起することが出来るか。行動力があるものだけが獲得出来る圧倒的な思考量と経験値によって紡がれた細やかなアイデアの集積が、鮮やかな結果を残した。現代広告におけるあらゆる企画者にとって獲得しなければならない視座と能力を全て駆使してつくられた広告ではないもののもたらす圧倒感は、業界の全ての人間が励まされると同時に、努力と勇気を持って経験を積み重ねた人だけが可能な手練れの仕事という気持ちいいまでの絶望感も与えてくれる。
(菅野 薫)

人々の中にまだ可視化されていない・まだ共有化されていない事象を捉えた、共感型クリエイティブの代表作。「いい人=席を譲ってくれる人、荷物を持ってくれる人」というような紋切り型のパブリックイメージではなく、「あー!それそれ!」というみんなの脳裏にはあるが、まだ可視化・共有化はされていない潜在事象を具現化させた展示体験が、ソーシャルでの巨大な発話を生み出した。広告会社発のIP開発というビジネス設計からの成功も含めて、令和時代におけるコミュニケーション業務として様々な学びが詰まった仕事。
(畑中 翔太)

ACC シルバー

作品名
特別じゃない、しあわせな時間。
審査評

なぜこれがここまで広がるのか、一見して瞬時に理解できてしまう人はそう多くないと思います。
それでも、よーく目を凝らして見てみると、そこには細やかなクラフトが詰まっている。
誰もが感情移入してしまう音楽、仕草に込められたキャラクター性や関係性、そして何より、自分自身がかつて体験したマクドナルドの記憶を呼び起こす想起性…
ものすごい解像度と技術力で"エモ"という感情を抽出し、ブランドにブリッジさせている。
どんどんこういった、枠組みに収まらないCMが増えていくと良いなと思います。
(栗林 和明)

ACC シルバー

作品名
全額返金ペプシ_クールポコ。
審査評

今年一番嫉妬したキャンペーンです。全額返金というお得系キャンペーンで、これだけ話題を作れるチームがいるなんて・・・。しかも一番重要なアイコンである「シール」がコミュニケーションの主役になっているから、バズで広がることがちゃんと効いてる感じもすごい。SNSで愛されるタレント選定も、投稿企画も柔軟かつ丁寧で、すべてのSNSクリエイティブプランナーが参考にすべき事例だと思います。この企画をやりきったプランナーも、このアイデアを信じてGOを出されたサントリーさんもすごいと思いました。
(嶋野 裕介)

ACC ブロンズ

作品名
MATSUKEN AR PARADE!!
審査評

優れたネット的アートディレクションと、限定要素を巧みに取り入れた点がCカテゴリにおける評価ポイントでした。ご利益がありそうなマツケンの笑顔をあしらった大胆なデザインのショッパーやグッズ、ARコースターは、SNSにアップしたくなるインパクトとおしゃれさ、ネタ感が絶妙に調和しています。また、ド派手な「3DマツケンAR」は全国各地のパルコを巡るストーリーのもと、各店舗で1日限定のみ利用可能。「いつでもどこでも出現させられる」ARの特性を封じ、限定にすることで来店する価値を高める、まさに発想の転換ですね。
(木下 舞耶)

ACC ブロンズ

作品名
Play Has No Limits feat.King Gnu
審査評

こういう、TVCMもSNSもイベントも、360°きちんと設計して、どのアウトプットのクラフトもとっても高い。本当に高い。そんな現代のブランディング広告の在り方をきちんと顕現してる施策が、こういう部門で賞をもらわないのはおかしい、と思いました。こういうレベルの広告が増えれば、次の世代にもきちんと繋がっていくと思いました。
(佐藤 雄介)

ACC ブロンズ

作品名
伊右衛門の車窓にて
審査評

SNSのバズを狙って作るのは決して難しくはない。タレント、声優、プレキャン、インフルエンサーなどの組み合わせでそれなりに計算は立つ。しかしこのチームは、世の中の誰もがもつ「癖(へき)」に着目し、そこをバズを誘発するトリガーと考えた。つまり新しいバズ設計の仕組みを作ろうとした挑戦に対する賞です。いまはまだ、ブランドそのものの価値や飲みたくなる気分との距離が少し遠いかもしれない。でもいつかこのチームが、その本質部分さえも巻き込んだ仕組みを開発してくれるような期待感があった。
(嶋野 裕介)

ACC ブロンズ

作品名
大学教授と衝撃的なファクトを作り、政府や国連を動かす。『2531佐藤さん問題』
審査評

日本には苗字が13万種類ほどあるそうで、それ故に珍しい漢字も沢山あります。苗字にはそれぞれ歴史と由来があり、その豊かな多様性がいずれ絶滅してしまわないように保護すべきだと思います。日本で未だ選択的夫婦別姓が認められない背景に根付くマインドセット、調査対象の8割が選択制に賛成なのに変化を許さないステータスクオは、日本のジェンダーギャップ指数が未だに先進国で最下位だという現状と通じています。ソーシャル・インフルエンスを「社会への影響」という言葉の真の捉え方で考えて、この啓蒙プロジェクトに高評価を付けました。
(富永 久美)

ACC ファイナリスト

作品名
スマイルあげない
審査評

古い価値や今までの当たり前を自ら壊せるディスラプションが日本にはもっと必要で、大企業がそれをやったところを高く評価しました。笑顔をルールにするのを止め、Z世代を尊重し雇用に繋げたところが良かったです。
(富永 久美)

ACC ファイナリスト

作品名
バーガーキングを増やそう
審査評

こちらは、Bカテゴリーの時にグランプリに推しました。BかCでグランプリに入ればよいなぁと思っていた施策なので、きちんと評価されて良かったです。何より、この施策がローンチした時「この手があったか」とびっくりした施策です。おめでとうございます。
(佐藤 雄介)

ACC ファイナリスト

作品名
DONBEI MEME CHALLENGE
審査評

昨今数あるミーム生成プロモーションにおいて、「どん兵衛を食べないか」という「ブランドのミーム化」に成功できた秀逸な施策。もしかしたらこの宣伝文句が10年後も残るかもしれない、ソーシャル時代におけるミーム生成の可能性を感じた業務。
(畑中 翔太)

ACC ファイナリスト

作品名
PANTS
審査評

人間をクリエイティブディレクションする仕事。
評価すべきか議論が分かれた。クリエイターが素晴らしいのではなく、商品=タレントが素晴らしいだけではないのか?
そうかもしれないが、もはやそんな議論も時代遅れだと思う。クリエイターとキャラクターはこれから不可分になっていく。
新しい時代の仕事がもう始まっている。
(三浦 崇宏)

ACC ファイナリスト

作品名
Vtuber ぬくみん
審査評

Vtuberの人気にあやかるだけの施策が多い中で、違うアングルの仕事として爽快感がありました。カルチャーそのものを逆手にとって、コピーで落とす。プロの仕事、って感じがして好きでした。
(多々良 樹)

ACC ファイナリスト

作品名
ティロリミックス 2024
審査評

シリーズの難しさの中で、よりカルチャーに寄り添い深く入り込んでいく「深度」を作っていて感動した。特に#アー写でポテトはマクドナルドのこの商品でしか成立しない(でないと嘘感が強くなる)強いキャンペーンだと感じた。
(小暮 菜月)