2025 65th ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS 審査委員講評

  • フィルム部門 審査委員長

    福部 明浩Akihiro Fukube
    • catch
    • クリエイティブディレクター、コピーライター

    フィルム部門の審査は、非常にシンプルです。
    裸のフィルムが、ポンッとそこにあるだけ。
    エントリービデオや、プレゼンテーションはありません。
    こういう審査では論理より、生理や感情が投票を大きく左右します。
    「あ、面白い!」とか、「何これw!?」というものが強い。

    そんな中、今年のAカテは大接戦でした。
    15秒から、180秒の長尺CMまで、様々な「面白い」と
    「何これ」がせめぎ合う展開で、票はけっこう割れました。
    最終決戦は、コミケのボディメンテと、ソフの上さま。
    秒数もテイストも全く違う2つのCMが競り合い、
    何度も議論され、何度も決戦投票しました。
    しかし勝負がつかず、結果、
    史上稀に見るWグランプリとなりました。
    これは結果論ではありますが、CMの幅を感じる
    今年一番いい決断だったんじゃないかと思います。
    一方、Bカテは終始ぶっちぎり!
    「通帳の人」が、ポールトゥウィンという感じでした。
    (個人的には、ダブチ食べ美が
    もっと評価されて欲しかったけど)

    審査全体を通して感じたのは、
    Aカテ・Bカテ両方を同じメンバーで審査する方式は、
    そろそろアップデートしてもいいかもということです。
    Bカテは、審査以前の段階で既にネット上での効果や
    広がりが「分かっちゃってる」状態なので、
    それを知ってるか否かで投票行動が大きく変わります。
    つまり、そこに精通している審査委員比率を高めた方が、
    Bカテはより時代感のある審査ができそうだなと思いました。
    ただ一方で、AとBを完全にセパレートしちゃうと、
    それはそれで蛸壺化しちゃうので、バランスよく
    混ぜられる仕組みがあると良いなと思いました。

    あと個人的には、特別審査委員として来てくださった
    吉田恵里香さんの視座の高さと、
    映像表現に潜む偏見や暴力性への指摘が、
    目から鱗でした。
    「え、そこっ?!」という驚きの連続。
    でも言われてみれば確かにその通りで、
    なんだか滝に打たれたような衝撃と、
    滝行の後の爽快感を、同時に覚える審査会でした。

    フィルム部門 審査委員

    太田 麻衣子 Maiko Ohta
    • 博報堂/博報堂クリエイティブ・ヴォックス
    • エグゼクティブクリエイティブディレクター

    尾形 真理子 Mariko Ogata
    • Tang
    • クリエイティブディレクター、コピーライター

    尾上 永晃 Noriaki Onoe
    • 電通
    • プランナー、クリエイティブディレクター

    栗田 雅俊 Masatoshi Kurita
    • 電通
    • CMプランナー、コピーライター

    紛糾に紛糾を極め、順位もいろいろ入れ替わり、最終的にグランプリ2つとなったAカテゴリ。
    どの作品からも素晴らしい定着技術を感じました。

    Bカテのグランプリは一切揉めず、「通帳の人」が終始、圧倒的でした。
    この結果に、兆しめいたものも感じました。

    去年のBカテグランプリ、マクドナルドの縦型動画とはだいぶ違う趣のCMです。

    Aカテゴリは、限られた秒数で効果を最大化する技術。
    Bカテゴリは、映像を話題にして広げる技術。

    大きくはこういう分け方だったと思うのですが
    通帳の人に注がれているのは、かなりAカテゴリ的な技術でもあるといいますか、古来より受け継がれてきた「CM表現の技術」を強く感じます。

    オンラインCMが、より当たり前に、公のものになっていくにつれて言葉や世界観や商品定着やメジャー化といった、TVCMで磨かれた表現の技術の出番も増えて、さらなる面白さを生み出していけるのかもしれない。と感じました。

    佐藤 雄介 Yusuke Sato
    • 電通
    • クリエイティブディレクター、CMプランナー

    澤本 嘉光 Yoshimitsu Sawamoto
    • dentsu Japan
    • グロースオフィサー、エグゼクティブ・クリエイティブディレクター、CMプランナー、脚本家

    よく「昔はCMの表現もっと元気だった」とか言ってしまいがちじゃないですか。正しいと思うんです、ある側面。つまり「短い秒数に意味と感情を詰め込む技術」としてのCMとしては。ただ、以前にも審査させていただいた人として今回審査させていただいて感じたのは「こんなに長い秒数の動画が広告という名のもとに流れてるって状況は製作者としては幸せなのかもしれない」ということです。この2つはかなり違う能力と目標点から出来ているのですが、今回その2つを両方きちんと高く評価できたのはとてもいいメッセージだと思いました。審査委員長偉いです。そして吉田さんの話を聞いて自分がいかに深掘りしないでコンテを表面的に書いているかを痛感させられてしまったのでちょっと真剣にその意識は持とうと思いました。という色々な気づきがもらえた審査会、審査委員にとっても素晴らしい体験学習の場でした。

    杉井 すみれ Sumire Sugii
    • 電通
    • CMプランナー、コピーライター

    初めてのACC審査を終え、同世代から「受賞のコツわかった?」と何度か聞かれた。
    私も受賞のためのテクニックを盗、いや学びたい…そんな下心を持ちながら審査に挑んだ。受賞には2パターンあると感じた。
    1つ目は総合力受賞。「最後のコピーが残念…」「このセリフいる?」「3本あるうちの1本目はいいけど…」「このファーストカット良くない…」など驚くほど細部まで議論され、加減点を経て完成度の高い作品が上位に入っていた。
    2つ目は偏愛受賞。審査委員の強い推しが伝染し、ワイルドカード的に入選するケース。
    再現性があるのは前者。AカテでもBカテでも、日々の企画・制作で細部まで詰め切る、当たり前のことを頑張り続けるしかないなと思った。

    鈴木 晋太郎 Shintaro Suzuki
    • 電通
    • クリエイティブディレクター、CMプランナー、コピーライター

    応募されていた作品も評価された作品も、総じて真面目。という印象です。
    嘘を嫌悪する世の中の厳しい目に耐えうる、誠実さ、丁寧さ、リアリティがあること。
    ユーモアにも程よく節度があること。時代の要請に対する正しい答えだと思いました。
    一方、そんな時代などどこ吹く風で、颯爽と我が道をゆく上さまに、希望を感じました。
    誠にありがたきお姿であられました。
    Bカテゴリーについて。拡散した実績が重要なポイントになることは理解しつつも、前提知識がない人にとって魅力が感じられないフィルムを評価することには、
    違和感がありました。

    中田 みのり Minori Nakada
    • 博報堂
    • CMプラナー、映像作家

    永野 弥生 Yayoi Nagano
    • 電通九州
    • クリエーティブ・ディレクター、コピーライター、CMプランナー

    福岡からは、すこし遠くに見えていたACCとは、だいぶイメージが変わりました。
    「有名企業が莫大な予算を投じたCMとかじゃないと、勝ち上がることはむずかしい」みたいなことでは、ぜんぜんなかったです。
    審査委員のお一人お一人が、それぞれに、まっすぐに「好きなCM」を推していました。
    企業名すら知らないCMを、誰がつくったのかも知らないCMを、遠慮も忖度もなく、まっすぐに推す姿を、たしかに見ました。
    それを象徴するのが、今回のグランプリW受賞だったと思います。
    そのことを、ACCが遠く見えているすべての人に伝えたいです。
    いいと思っているものを信じて、まっすぐにつくれば、まっすぐに推してくれる人がかならずいると。

    花田 礼 Rei Hanada
    • 電通
    • プランナー

    Aカテゴリは、普通に審査していると上位は60秒以上の長尺のものが多くなってしまい、一方で「でもこれオンエアは1回きりとかだろうし、できるだけ短尺を評価できればなあ」と思いつつ、「でもそもそもメディア環境が激変する今日においても、広告業界って効率のことだけ気にして15/30秒ばっか流してるから『CMはつまらない・嫌い』って思われちゃうのかも」とか、そんなことを思いました。

    Bカテゴリについて、SNSの文脈や空気感などが絶妙に伝わらないまま審査するシステムは難しいなと思いましたが、多様な審査委員の方々の意見も聞けてとても勉強になり楽しかったです。

    原口 亮太 Ryota Haraguchi
    • TBWA HAKUHODO
    • Creative Director

    「ACC審査」というブラックボックス。年鑑や雑誌で一方的に名前を知っている審査委員。これがゴールド?何が面白いの?何でこれ落ちるの?ついに審査の裏側が知れる!そんな気持ちで望んだ初審査。以下個人の感想レポです。/議論はあるが、激論ではない/描かれて来なかった「新しさ」への評価強め/世代情報格差がある。特にBカテ問題/若手審査委員が大きく流れを変えるのほぼ無理。花田くんは例外/癒着や忖度は多分無い。でも事前に知ってる壁はデカい/会社間の壁もあると思う。だって人間だもん/クリエイターはみんな基本頑固/合議ではあるが、最後決めるのは審査委員長/超多忙な人が無償で丸2日間費やす、それが一番尊い。

    古川 裕也 Yuya Fufukawa
    • 古川裕也事務所
    • 代表、クリエーティブ・ディレクター

    カンヌなどずいぶん審査をやっているけれど、その中でも最上の審査体験でした。脚本家の吉田恵里香さんから、社会という観点からすべての表現を考えるという高い視座をいただき、久しぶりに細胞レベルで自分が変容する体験をしました。いっぱし自分がわかってるつもりのことが、実は全然わかっていない。それを外部から思い知らされるのは、とても気持ちのいいことです。
    今年いちばんのCMというと、SMBC「通帳のひと」。Bカテのグランプリ圧勝だったけれど、Aカテ的な、つまりすばらしいCMでした。映画ともPVともちがうTVCM独自の技術というものが確実にある。それを体現していたのがこれ。しかも、セリフのみによるストーリー・テリングという最近なかなか遭遇できない企画技術で、思わずひれ伏しました。僕たちの仕事は、意志×技術だということがよくわかる。

    細川 美和子 Miwako Hosokawa
    • (つづく)
    • CREATIVE DIRECTOR、COPY WRITER

    吉田 恵里香 Yoshida Erika
    • クィーンビー
    • 脚本家、小説家

    普段は脚本の仕事をしているので、知らないことばかりの場でございましたが私にとって非常に学びの多い場となりました。
    拝見させていただいたCMはテーマ性に秀でていたり、ユーモアにあふれていたり、何か新しいことに挑戦したい気持ちが伝わって来たり……どれも人の心にしっかりと残って見せるという意欲に満ちていました。どれも甲乙つけがたいといいますか、勝負する場所がみな違っていてCMというジャンルの奥深さをかんじました。
    更に素晴らしかったのは審査会に参加された方々の熱量、真剣さです。
    様々な角度からCM業界の未来や可能性を語られていて非常に胸を打たれました。次の世代へのエールといいますか一種の祈りのようなものを感じて、エンタメ業界一丸となってより良い作品を作っていきたいなと私自身の励みにもなりました。

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  • フィルムクラフト部門 審査委員長

    山田 智和Tomokazu Yamada
    • Caviar
      Tokyo Film/映像作家・映画監督・写真家

    全体の受賞作品を眺めると、多種多様なジャンルの作品が選出されていることがとても素晴らしいと感じました。他国のクラフト賞はメディアによって部門が分かれていることもありますが、ジャンルレスに作品全体を審査するというのが今回のコンセプト一つであり、結果としてこのようなラインナップになったのは、日本の広告映像のクリエイティブの素晴らしいところだと感じました。
    今回審査の議論を重ねる中で、見えてきた大事な基準が、クラフトのためのクラフトではなく、「人の心を動かすことができる作品」「社会へのメッセージ性を内包した作品」、そして「愛がある作品」かということでした。
    何が真実かというよりも、とても美しい、気持ちがいい、愛があるというようなものを作っていくことが、今まで以上に求められる社会が来ているのだと思います。
    たくさんの可能性が映像表現のクラフトには備わっている、そんな背中を押されるような審査会だったように思います。

    フィルムクラフト部門 審査委員

    佐渡 恵理 Eri Sawatari
    • 映像作家

    ACCの賞が映像の道に進んでいく、もしくは既に映像の仕事をしている全てのクリエイターのモチベーションに繋がるものになってほしいと思います。
    広告やMVの映像はクライアントがバジェットを握っているものですが、
    「広告やMVでこんな事していいんだ!こんな表現が許されるんだ!」と思わされるような、
    新しい自由な発想で既存の枠に囚われない作品が評価されるべきだと思います。
    商品を売るためだけの広告だけにならない為にも「賞」というのは存在し続けるべきだと思います。

    関 和亮 Kazuaki Seki
    • koe
    • Director、Art Director、Photographer

    改めて昨今のCG技術VFX技術に驚きを感じながら、グランプリには撮影の技術、衣装メイク、演者のパフォーマンス、音楽、演出、プロダクションワークと、映像作品としてクオリティーの高さが際立っていた。
    グランプリに選ばれなかったほか作品にもアナログで人間味のある作品も多数選出されていた事に喜びを感じた。
    今後も続くであろうアナログとデジタル、そしてAIの対抗という映像界の変革を今後も楽しみにしております。

    竹内 スグル Suguru Takeuchi
    • GLASSLOFT
    • 映像監督、DOP、写真家

    たくさんの作品を見たのですが、映像の力とは?を考えるいい機会になりました。所謂かっこいいものやグローバルを謳っているものはみんな票を入れなかった。自分たちの感覚というものが信じられている審査の場所でした。広告としての機能はほんとうは理屈で語られるものではないし、そんなつまらない理屈を突破するエネルギーに満ち溢れたものが誰かに伝わるのだと再確認する審査だったように思います。

    田中 裕介 Yusuke Tanaka
    • Caviar
    • 映像ディレクター

    今回のフィルムクラフトの審査委員は全員映像ディレクターでした。それぞれ個性が違うので、意見の違いはもちろんありましたが、そもそもお互いを尊敬している間柄であり、それぞれのディレクターが評価する理由が納得のいくものだったので、全員の総意はスムーズに決まったように思います。また、まさに今現在、現場で悪戦苦闘しているディレクター陣なので、考え方の違いは色々ありつつも、丁寧に創られた良い映像たちが選出されているのではないかと思います。楽しい時間でした。審査委員長をはじめ、審査委員のみんなに感謝です。

    長久 允 Makoto Nagahisa
    • 電通
    • 映画監督、脚本家

    言語化できないクリエーションの領域を、言語で議論していく難しさがあったが、幸い、グランプリは圧倒的だったのでハレーションはなかった。本能的に最高だと思えるものだし、技術的に突き詰めて考えても最高だと思う。広告において企画者サイドではない「監督」が審査するこのフィルムクラフトで、「コピー賞」を決めるのも大胆で良いと思っている。また、議論によって価値が見出される作品がいくつかあり、多数による審査というものの意味を強く感じた。

    林 響太朗 Kyotaro Hayashi
    • 映像監督、写真家

    藤井 道人 Michihito Fujii
    • BABEL LABEL
    • 監督、脚本家

    まず、僕のような他ジャンルの人間を審査委員として招いてくださった山田智和監督に感謝いたします。審査会は大変白熱したと聞いており、海外にいたため参加できず大変悔しい思いをしました。他の審査委員の皆さまにもお詫び申し上げます。
    審査対象の映像を観させていただき、その企画性、映像の精度に感嘆しました。僕自身が映画の人間なので、人に寄り添った作品を選ぼうと決めていたのですが、その自分の期待を大きく裏切ってくれたのが『I HOPE』というKANEBOさんの広告でした。
    僕じゃ逆立ちしても出ないようなアイデアに、執念にも似た美意識は心から尊敬しました。
    他にも、アニメーションのティロリミックスは広告の域を遥かに超えており、長尺作品で観たいなと思いました。
    「GO! GR SUPRA SAFETY CAR!」 の撮影、VFXの精度にも度肝を抜かれました。凄い!の一言です。
    と、全く自分の分野ではない評価(もはや一般人)になってしまいましたが、人の心を動かすという部分は共通しているのだと思いました。きっと人生一度きりの審査委員でしたが、貴重な経験ありがとうございました。

    堀田 英仁 Hideto Hotta
    • 映像監督

    YUANN Yuann
    • GENZONE / kidzfrmnowhere
    • Director、Photographer

    クラフト部門の審査委員として参加させていただき、大変光栄でした。
    今回の経験を通して、これまで自分が知らなかった日本の美しさやエネルギーに触れることができた気がします。
    日本人ならではの繊細で深い審美眼を持ち、豊かな日本から世界へと発信していく仲間たちが増えたことを、とても嬉しく思います。
    自分自身も刺激を受け、さらにアップデートしていけるよう努力していきたいと思います。

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  • ラジオ&オーディオ広告部門 審査委員長

    中山 佐知子 Sachiko Nakayama
    • ランダムハウス
    • コピーライター、ディレクター

    投票結果を見てみると、最上部に金鳥の三作品が鎮座していました。押しても引いても、投げ飛ばそうとしても微塵も揺るがない姿でした。予想の結果です。票がばらけることもなく、おさまるところにおさまっています。それはいいんだけど、当然いいんだけど、重いよね?他を圧し過ぎ?うん、重い。漬物石みたい?圧迫されている「他」も応援したい。審査委員の皆さんのそんな気持ちがあり、今年は受賞数がちょっと増えました。応募も去年よりは多かったそうです。来年はもっと増えるとうれしい。応募が増えて受賞数が増えるといいですね。さて、今年はBカテゴリーが音声コンテンツのみに制限されたのですが、その中にラジオの30秒CMと変わらないものが大量に出品されていました。それが面白かったのです。アイデアの萌芽といいますか、春に土の中から顔を出したたくさんの芽を眺めている心地がしました。若い人のチームを想像しました。立派な野原に育ちますように祈ります。最後に、金鳥のグランプリ「思春期」編はサウンドデザインとしてもたいへん面白い試みであったことをお伝えしたいと思います。

    ラジオ&オーディオ広告部門 審査委員

    大谷 恭代 Yasuyo Otani
    • J-WAVE
    • ビジネスプロデュース局ビジネスプロデュース部マネジャー

    昨年に引き続き、審査委員を務めさせていただきました。
    Aカテゴリーは、昨年と比べると作品数が増え、若いクリエイターや新しいクライアント、地域色のあるものやラジオ局制作のものなどの出品が広がっていたのも喜ばしいことでした。
    審査会では、皆が意見を出し合い、心地よい雰囲気の中で、選ばれるべくして選ばれた作品ばかりで、後から聞いても納得のCMが入選したと思いました。
    Bカテゴリーは、可能性を秘めている。長さやルールに縛られず、自由な発想で表現できて、もしかしたら音声メディアとして、もっと大きくなるのではないかと感じさせられました。

    黒沢 かずこ Kazuko Kurosawa
    • 吉本興業
    • お笑い芸人

    私が審査委員なんておこがましいのですが、リスナーとして「面白いもの」「心を動かされたもの」「(当たり前なんですが)自分では創れないもの」を毎年自分の中で審査基準に足しています。
    3年目の今回は、柔軟性を持って臨めたので他の審査委員の方の所見にも心が動きました。
    そして、上位にくるチームは、やはり強かった。(汗)
    何で、こんなに色を変えて毎年アイデアが生まれるんだ!と思わず審査中に、笑いながら「強い!」と口から溢れてました。
    本当に沢山の応募があり、面白い作品も多いんですよ!!
    U-29の作品も凄く良いんですよ!!
    なのにいい作品が多すぎます。作品を創られてる皆様に敬意しかありません。

    櫻井 瞭 Ryo Sakurai
    • ドリル
    • CMプランナー、構成作家

    自分も一人のプランナーとして「悔しい」と思った企画に投票させて頂きました。去年もそうでしたが、結果的にとても多くの作品に嫉妬していたような気がします。審査会ではどうしても長尺モノが上位に来てしまいがちですが、今年は「20秒にも未来がある」「まだ発明できる」と思えるような企画が多く、個人的には何度も何度も悔しい気持ちでいっぱいでした。そして、そこからさらに上位に食い込んでいくためには、この設定はすごい、コピーが良すぎる、構造的によくできているなど、どこかに突き抜けた異常値が必要だと感じました。広告みたいな広告を作ってる場合じゃないですね。明日からもっとラジオCMを頑張ろうと強く思える審査でした。

    澤本 嘉光 Yoshimitsu Sawamoto
    • dentsu Japan
    • グロースオフィサー、エグゼクティブ・クリエイティブディレクター、CMプランナー、脚本家

    ラジオ&オーディオ広告部門の審査は一言で言えば愛に溢れた場です。表現についてポジティブに捉えられているなあと。足引っ張るより持ち上げようという反重力がいつも働いているなあと。
    作品についてはいい意味で時代が一周した気がしていて、つまりは音楽と一緒で過去にあったCMにもし発想がどこか似ていたとしてもそれは今として表現調理していれば今年の表現としてはアリなのではと思えることです。ある意味古典を学ぶことがいい表現につながるとも思いますし、若手の活躍の場としてはとてもいい環境だなと改めて。

    しまおまほ Maho Shimao
    • 文筆業

    中村 直史 Nakamura Tadashi
    • 五島列島なかむらただし社
    • クリエーティブディレクター、コピーライター

    野田 絵美 Emi Noda
    • 博報堂
    • メディア環境研究所 上席研究員

    今年はまさに“豊作”!事前審査のPCの前で思わずニンマリしてしまうほど、心に響く作品が並びました。笑いあり、深みあり、音声ならではの想像をかき立てる表現に、審査後も耳と心に残る作品ばかり。多様な背景を持つ審査委員のみなさんと率直に語り合い、「なるほど!」と唸る瞬間が何度もありました。研究員としても、そして一人のリスナーとして、刺激と発見に満ちた審査会でした。

    林 尚司 Hisashi Hayashi
    • 電通
    • クリエーティブ・ディレクター

    今年の傾向を1つ挙げるなら、応募作品の顔ぶれに、例年になく「新しいクライアント」が目についたということだ。ラジオとその広告価値が見直されてきたのか? それともクリエイターが賞取りの手段にしているのか? どちらかは僕にはわからないが、どうやら近ごろ、ラジオリスナーが増えているのだけは事実だそうだ。それならその波が次第にどんどん高まって、やがて、ラジオがテレビを抜き、YouTubeを抜き、Netflixも抜いてしまう時代が来ないものだろうか?「ラジオCMがいちばん効く!」そう言える時が。そして、MLBだってラジオの独占中継……。そこまで行くと、行き過ぎか? ホームランを聞くだけなんて。けど、まあいい、ラジオ万歳。

    原 壮俊 Soushun Hara
    • K-MIX(静岡エフエム放送)
    • 編成制作部 副部長 コピーライター、番組プロデューサー

    聞いたことない無名の制作者が、聞いたことないタイプのCMで、脚光を浴びる。
    そして王者・キンチョーを倒す。

    そんな大波乱を、日本一を決めるACC賞で起こせたら格好よくないですか?

    ラジオCMは少人数で作れる。だから、そんなドラマが起こりやすい。
    リスナーは、一人の奇才の登場を待っています!

    審査中、森三中の黒沢かずこさんは、自作のCMソングを録音していた。一人こっそり・・・
    もっとラジオが面白くなりそうです。

    原田 堅介 Kensuke Harada
    • CHERRY
    • クリエイティブ・ディレクター、CMプランナー、コピーライター

    圧倒されました。グランプリの無双っぷりに。U29の熱量に。そして、審査委員のみなさんの若い世代への愛情に。審査会をひとことであらわすと、あったか〜い。そのぬくもりが、きっと審査結果にもあらわれているはず。今年はエントリー数が増えたそうです。個人的には、それがいちばん嬉しかった。いまの世の中にとって必要な音声表現になっているだろうか?制作者のうちわノリになってはいないだろうか?広告の本質を丁寧に議論する空気感がとても心地よかったです。ほんといい教訓になりました。ラジオ&オーディオ広告部門は(あ、「広告」ってついてるのこの部門だけだ)、これからの時代がいちばんおもしろくなりそうな予感がしています。

    古川 雅之 Masayuki Furukawa
    • 電通(Creative KANSAI)
    • クリエーティブ・ディレクター、CMプランナー、コピーライター

    中山審査委員長のお人柄と人選のおかげで、審査メンバーのみんなが思ったことをなんでも遠慮なく言い合える審査会が続いている。無遠慮が過ぎてその議論のすべてを公開するというわけにはいかないだろうが、熱い意見交換、審査のことばの数々にはつぎへのヒントがあるかもしれない。メモ形式でお裾分けです。「荒削りでも何かしようというアイデアの芽があるものには惹かれる」「漬物石が重すぎる」「若い才能を応援したい」「短い尺で強いものがあれば推したい」「ネタはおもしろいが広告として最後の落とし込みの弱さが惜しい」「Bカテは(求めてるものが)わかりやすくなってチャンスある」「内輪ネタには食傷ぎみです」「単品かシリーズか出品の仕方で損してない?」「初めいいと思ったけど何回も聞いてたら感想が変わった。なんでだろう?」

    吉岡 丈晴 Takeharu Yoshioka
    • 博報堂
    • クリエイティブディレクター、コピーライター

    「希望」を見つける。称える。発信する。中山審査委員長は、ステキな冗談もまじえながら、想いを何度も口にされた。グランプリの作品は、毎週聴いているラジオ番組で出会った。あまりのオモロさに、「お母さん」も楽しみのひとつに番組を聴いた。CMが面白ければ、番組もメディア自体も、もっと好きになる。忘れていた広告の根源とも言える「希望」に立ち返ることができた。商品や企業の眠れる魅力を見つけだし、丁寧に、誠実に、工夫を重ね、言葉を紡ぐ。『頑張り屋の桜』が、頑張り屋のコピーライターたちに「希望」をくれる。どんなカタチであれ、「広告」に希望はある。あると信じて、ジタバタもがき、必死こいて書き続けた先にだけ。そう思いませんか?

    吉岡 由祐 Yusuke Yoshioka
    • 大広
    • クリエイティブディレクター、CMプランナー、コピーライター

    今年、やはり話題にすべきは上位を占めた大日本除虫菊のラジオCM。このレベルに追いつくことはそう簡単なことではない、いや追いつこうなんておこがましい…と、審査委員であることを忘れてしまうほど書き手としての心が騒ぐ。そして昨年と比べ作品のエントリー数も増え、若手の書き手も増えている。まだまだ負けていられないと、これまた書き手としての心が騒ぐ。ラジオCMは何となくでは仕上がらない。だから自分に嘘をつけない。実力の現在地を教えてくれる。審査委員を務めて三年目。今年も審査したラジオCMをとおして、大事なものを持ち帰らせてもらった。よしっ、来年に向けてクマ対策に貢献できる音声広告でも考えてみようかな。

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  • マーケティング・エフェクティブネス部門
    審査委員長

    松村 眞依子 Maiko Matsumura
    • 日産自動車
    • 日本マーケティング本部 ブランド&コミュニケーション戦略部 シニアマネージャー

    今年の「マーケティング・エフェクティブネス部門」は、マーケティングが持つ課題解決の無限の可能性を感じさせてくれました。ファイナリストたちの卓越した作品たちは、審査の議論を白熱させました。
    グランプリに輝いたのは「大震災における最新リアルタイム情報発信戦略~石川県庁の1年半~」。マーケティングの力が「人命」という最も尊い領域に深く関わり、救済の光を灯したことに、深い感銘を受けました。石川県庁の揺るぎない熱意は、県民と職員を救い、復興への希望の波を力強く広げました。さらにこの知見が「未来の危機」に備えられるものとしてマニュアル化されたことは他県でもきっと活用されると思いました。
    今年もまた、時代を切り拓く好事例に触れ、その価値を審議できたことに、心より感謝いたします。

    マーケティング・エフェクティブネス部門
    審査委員

    青木 貴志 Takashi Aoki
    • マッキャンエリクソン 代表取締役社長
    • マッキャン・ワールドグループ ホールディングス 取締役、クラフト ワールドワイド 代表取締役社長

    マーケティング・エフェクティブネス部門は、課題設定の大きさや独自性が最も重要であると私は考えています。その着眼点があれば、戦略もより新規性が高まり、施策までのロジカルな設計と圧倒的なインパクトのある結果に繋がりやすくなると思います。その点で、今年は多様な課題設定が見られたのは非常に興味深かったし、マーケティングの意義と価値を引き上げる作品が多かったと思います。グランプリの石川県庁が、「命を守るマーケティング」と表現されていたことには、発見・感銘・共感を深く覚えました。エントリーいただいたすべての皆さま、力作をありがとうございました。

    糸瀬 大祐 Daisuke Itose
    • サントリーホールディングス
    • 宣伝部 部長

    今年初めて審査委員として参加しました。72件のエントリーシートと向き合った一次審査、審査委員全員で議論を重ねた二次審査、そして想いのこもったプレゼンテーション。どの段階も熱気にあふれ、学びと刺激の連続でした。事業会社とエージェンシーという異なる立場の審査委員が、フランクかつ建設的に意見を交わす中で、思考が深まり視野が広がる貴重な時間となりました。戦略とアイデアの質の高さに加え、組織を動かし、実現へ導いた情熱と実行力に、同じマーケティングに携わる者として大きな勇気をもらいました。受賞された皆さま、本当におめでとうございます。

    川嵜 鋼平 Kohei Kawasaki
    • LIFULL
    • 執行役員CCO、LIFULL HOME'S事業本部副本部長CMO、LIFULL senior取締役

    今年の審査会では、石川県庁「能登半島地震情報発信」の“命を守るマーケティング”に強く心を動かされました。被災地や生活者の実情に寄り添い、課題解決に真正面から取り組むプロジェクトリーダー中塚さんという「圧倒的当事者」の存在が、施策の説得力と成果を生み出しています。単なる表現や露出に留まらず、社会課題を見据え、必要な行動を自然に促す力。まさにACCが評価する“マーケティングの本質”だと感じました。

    坂井 嘉裕 Yoshihiro Sakai
    • サイバーエージェント
    • 執行役員

    本年のマーケティング・エフェクティブネス部門は、近年でも特に完成度の高い作品が多く、審査では熱い議論が交わされました。データとクリエイティブを掛け合わせ、成果を明確に設計する実践的なマーケティングの進化を感じました。また、企業だけでなく行政や地域など、社会課題の解決にまでマーケティングの活躍の場が広がっていることも印象的でした。マーケティングが“売る”ための手段から、“社会を動かす力”へと確実に進化していることを強く感じた一年でした。

    白澤 勉 Tsutomu Shirasawa
    • 日清食品
    • マーケティング部 部長

    今回初めてACCマーケティング・エフェクティブネス部門の審査をさせていただきましたが、審査のメンバーは事業主とエージェンシーが混ざり合い、それぞれの視点から議論を繰り広げ、非常に密度の濃い審査会となりました。
    入賞した全ての作品は軸は違えど、常識を変えるチャレンジを行い、優れた結果を残し、未来に向けて継続性のあるものばかりです。中でもグランプリに輝いた石川県庁「能登半島地震情報発信」は「人の命を救うマーケティング」というマーケティングの可能性を大きく広げるもので、驚きとともに深い感銘を受けました。
    最後に多くの熱意あるプレゼンを聞かせていただき、改めて世の中を動かすのはマーケター達の熱量なのだということを強く感じた審査でした。
    皆様ありがとうございました。

    中川 悠 Yu Nakagawa
    • 博報堂
    • エグゼクティブクリエイティブディレクター、ストラテジスト

    「覚悟」の時代のクリエイティブ。
    今年の審査を通じて、そんな印象を持ちました。グランプリに輝いた石川県庁は「命を守るマーケティング」という圧倒的な覚悟でプレゼンに挑んでくれました。同じ事態に直面した時に、自分は同じ熱量で向き合えるだろうか?と考えさせられるものでした。他の受賞作品も、業界を変えようとか、社会の常識をひっくり返そうとか、新しいカテゴリーを生み出そうとか、そんな覚悟にあふれていました。アイデア1割、実現9割。野望が大きくなればなるほど、実現確率は減っていく。その壁を越えていくのは、結局、人の力なんだなよなーと気づかされた今年の審査会でした。

    萩原 幸也 Yukiya Hagihara
    • リクルート
    • マーケティング室 部長、クリエーティブ・ディレクター

    本部門の審査委員を務めて三年目。審査の現場は、「マーケティングにおけるクリエイティビティとは何か」を問い直す時間でもあった。2024年、日本マーケティング協会は34年ぶりに定義を改訂し、『顧客や社会と共に価値を創造し…』と掲げた。鍵は「共創」である。かつて主流だった「競争」の視点だけでは語れない。受賞作は、その転換の必然を鮮やかに示している。企業と生活者、地域や文化を結び、関係を育むプロセスへ―。その視座に立ったとき、表現は単なる訴求を超え、社会への提案となる。ACC賞の成果から、その手応えと可能性を感じていただければ幸いだ。今年の議論と選定は、その新しい定義の実践例を可視化する営みでもあった。

    古市 丈二 Joji Furuichi
    • ロッテ
    • マーケティング本部第1ブランド戦略部 部長

    審査委員2年目となりました。今年も事業者サイドとエージェンシーサイドで構成された委員の皆さんとの様々な視点での議論が本当に面白かったです。
    マーケティング・エフェクティブネス部門は審査プロセスが長く、デジタル化・AIの技術革新が進む中で審査委員が数回リアルに集結してひざ詰めで議論し、最終プレゼンでは登壇者の熱量をその場で感じるのが特徴です。
    そういう場の匂いを共有した審査委員と最終プレゼンに進んだプレゼンテーターとの対話の場は期待を超えるプレゼンテーションの連続。最終プレゼンを通してマーケターの熱量・想いが起点となってそれが周囲に伝播し、世の中を変えることを改めて再認識しました。
    そして今年は何といってもグランプリの石川県庁の命を救うマーケティング。近年のリアリティを重視する世界においてあまりポジティブな文脈で使われない“マーケティング”の可能性を石川県庁の中塚様はじめ広報チームの方々は示して頂きました。

    前田 星平 Shohei Maeda
    • 電通
    • クリエイティブディレクター、コミュニケーションデザイナー

    最終プレゼンでお会いした事業部の皆様の、それぞれの人生を賭して仕事に向き合う「使命感」に触れ、胸が熱くなりました。どのプレゼンも素晴らしく、審査員だけが聞ける役得でした。中でもグランプリの石川県は、マーケティングのプロとしての知見と確かな意思決定で事態を動かしており、尊敬の念を隠しきれませんでした。
    プレゼン以外の企画も魅力的でしたが、課題とリザルトのつながりを私が十分に汲み取れず、もどかしい思いをした作品も多かったです。リザルトは「売上」に限らないはず。素晴らしい企画だからこそ、その結びつきをボード上でもう少し補足いただけると嬉しく思います。
    熱意と戦略が交錯する、最高に面白い部門でした。

    山崎 真理子 Mariko Yamazaki
    • ADKマーケティング・ソリューションズ
    • エクスペリエンス・クリエイティブ本部 NEXT GENクリエイティブ局 局長、シニア・クリエイティブ・ディレクター、プランナー

    AIやテクノロジーが進化し、それを多くの人が使いこなし、便利になっている今日ですが、マーケティング・エフェクティブネス部門の作品たちは、人の想い、人のアイデアに胸打たれるものばかりでした。初めての審査会でしたが、意見を交わすことが心地よく刺激的でした。マーケティングに真摯に向き合って苦労し、そして愛があるからこそ、視点が鋭くでも新たなチャレンジとその成果を讃えたいという空気がありました。この場にいられて幸せでした。あー、マーケティングって楽しいなぁ。こんなに可能性があるのかと、心の中に沸々とあったかいものが湧き上がってきました。人って素晴らしいなと思えました。受賞者のみなさん、おめでとうございます。

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  • ブランデッド・コミュニケーション部門
    審査委員長

    栗林 和明 Kazuaki Kuribayashi
    • CHOCOLATE
      チーフコンテンツオフィサー

    「宝を探す」——それがこの部門の審査会のテーマでした。広告か否かはまだ定義されてはいないけれど、紛れもなく潜んでいる「コミュニケーションの知恵と創意工夫」、そんな宝を全員で発掘してきました。設立当初から掲げている「その他、募集。」というスローガンにふさわしく、この部門には本当に多種多様なプロジェクトが立ち並びます。今年の結果をご覧いただければ、「広告」の領域がどれだけ広がっているか、一目瞭然かと思います。僕は、この多様性こそが「広告」の可能性だと感じています。

    そんな中で、審査委員が最も貴重な宝として選んだのが、今年のグランプリ作品です。
    「金龍のしっぽ」は、どんな状況でさえ、アイデア一つでここまで状況をひっくり返すことができるという魔法と希望を示してくれました。
    「No No Girls」は、小手先ではなく、根本の「思想/哲学」をど真ん中のコンセプトに据え、すべてのアウトプットを一気通貫することで、ここまで世の中に影響を与えることができると証明してくれました。
    「IOWN × Perfume」は、テクノロジーの力によって、そのブランドが提示する未来の常識を誰もが想像できる形に昇華させ、新たなプレゼンテーション体験の境地を切り拓いてくれました。

    今まさに、広告とコンテンツ・事業・サービス・ソーシャルアクションの境界は、どんどん溶け合い、面白くなっています。この先、果たしてどんな仕事が生まれていくのか——たのしみになる審査会でした。

    ブランデッド・コミュニケーション部門
    審査委員

    あさぎーにょ Asaginyo
    • ポップクリエイター

    何日もかけて作品を見つめ議論を重ねる時間は、脳が溶けそうなほど濃密でした。
    改めて感じたのは、広告のあり方は常に変化し、進化を続けているということ。
    広告の表現にとどまらず、「広告とは何か」という根本から議論が繰り広げられました。
    何年も広告と向き合い続けるACCが、その問いを毎年アップデートしていることに心から感動しました。
    私が強く感じたのは、テクノロジーや手法の発達だけでなく、“ブランデッド”だからこそ、人の温度や想いが核になるということです!

    荒井 信洋 Nobuhiro Arai
    • AKQA
    • Executive Creative Director

    上から目線で審査するのではなく、むしろ審査されている感覚。新しい視点や切り口を突きつけられ、これから「広告」がどうその枠を超えていくのかを問われるような貴重な体験でした。想定していた審査基準だけでは決して測れないエントリーに対して、審査委員全員で議論し合う。そのプロセスこそが、何よりも有益でした。
    ぜひ皆さんも、自分自身でも、同僚とでも、勝手に「審査」をしてみてください。なぜこれが受賞して、なぜこれが受賞しないのか?何がメダルの色の違いを生んだのか?審査委員センスない、俺ならこれを評価する!そんな勝手な議論こそ、ACCの価値だと思います。賞とは、自信や嫉妬を生むものであると同時に、成長する種の宝庫だと改めて痛感しました。

    市川 晴華 Haruka Ichikawa
    • CHOCOLATE
    • プランナー、クリエイティブディレクター

    『グランプリは金龍、No No Girls、IOWN Perfumeね。自分の仕事とはなんか遠いなあ』と思われたかもしれません。でも、実は根っこには盗めるところがあります。金龍は「1アイディアでピンチをチャンスにできるかも」、ノノガは「業界のタブーに向き合え!」、IOWNは「新技術に適切なアイディアを掛け算する」。今年も昼休憩を忘れるぐらい徹底議論して、業界が前に進みそうな企画が選ばれました。
    私が審査していて思うのは、BC部門は「結果が出ている作品」が集まってくるので、「もし入賞しなくても、エントリーするだけの成果がある」ということ自体が、素晴らしいと思います。そこに至るまで、大変な苦労があったと思います。大きな拍手を送りたいです。

    太田 郁子 Ikuko Ohta
    • Accenture Song
    • マネジング・ディレクター

    今年久しぶりにブランデッドの審査委員に戻ってきました。結構な様変わりに時代の変化を感じました。特に今回は審査委員のバックグラウンドが多様で、たくさんの視点を学ばせていただきました。多数の応募に対して討議時間に限りがあることや、「面白いけれどブランデッドなのか」という観点で惜しくも入選しなかった作品が数多くありましたが、事後の懇親会で「実はこの作品が推しだった」と盛り上がり、意外な方が意外な作品をこっそり推していたこともわかりました。その中にも広告の未来を垣間見られるものがたくさんありました。あらためて、受賞チームの皆様おめでとうございます。そしてエントリーしてくださった全ての方に感謝します。

    尾上 永晃 Noriaki Onoe
    • 電通
      プランナー、クリエイティブディレクター

    アワードビデオは事前審査で見ているので、議論長くするために審査会では1.5倍速でいいですか?という栗林審査委員長の発言に感動しました。当たり前になってることを疑う姿勢こそが新しく効果的な仕事を生むもの。撤去という当たり前を工夫で人気に、オーディションという当たり前を強いテーマで新しく、万博のいわゆる当たり前を時空を超えた体験に。特にアクティベーションは「AをBに変える」ことが効果的に見えました。ゆるキャラをSNSに。缶を牌に。ソーシャルクラフトにおける、刺激を与えるための技術のみに向かうのは業界にとっていいのかという議論も示唆的でした。メッセージがあり手法があるということを忘れないようにしたいです。

    片岡 良子 Ryoko Kataoka
    • 電通
    • コピーライター

    「うまく言語化できない良さも大切にしていい」という審査委員長の方針のおかげで、ひとつひとつの応募作に対して、あらゆる角度からその魅力を検証することができたように思います。そして上位に入賞した応募作の多くは、ブランドとアイデアを結ぶ太いロジックがあるだけでなく、論理を超えた生理的な喜びを纏っていると感じました。金龍のピンチを笑いに変えるセンス、ひろくまの会いたくさせる香り、No No Girlsで貫かれた哲学、IOWN×Perfumeで表現されたパフォーマンスの気配。人間の性や感覚を正確に扱う制作者の方々の鋭い感性と、表現を磨く胆力に心から敬意を表します。

    小暮 菜月 Natsuki Kogure
    • 博報堂
    • アートディレクター、クリエイティブディレクター

    今年のACC賞では、「クラフト」を“深さ”と“広さ”の両義で捉え直す視点が印象的だった。ローカルな課題解決が全国に広がったプロモーション、普遍的かつ強い意志を提示してレッドオーシャンを突破したソーシャルインフルエンス、難解なテーマを緻密な体験へと昇華したソーシャルデジタルクラフト。それぞれが異なる手法だが、新しい熱や信念を掘り続けた「魂の新規性」を示す非常にブランデッドな仕事たちだった。結果的に、深めるほど広がり、広がるものは深みがある。現状コンテンツと広告は分けて語りがちだが、両者はますます融合し、広告的な思考はあらゆる領域に拡張していくだろう。異種格闘技と化した広告の中で、変わらないクリエイティブの本質を信じさせてくれる感動的な審査だった。

    小西 利行 Toshiyuki Konishi
    • POOL
    • クリエイティブ・ディレクター、コピーライター

    審査というより、乱闘だった。
    誰もポジショントークをしない。ただひたすらに「ブランドのためになっているか?」「どういう点が新しいアイデアか?」をぶつけ合う。誰かへの忖度も、自分への妥協もない、清々しい知恵の乱闘だ。正直、評価されるには、デジタルでソーシャルな時代ならではの「お作法」が必須だ。それでも金龍のように、ただひとつの強いアイデアが勝ち残ったのは嬉しい誤算。結局はブランドのためになって、かつ、なんかグッと来るなあっていう新しいアイデアが重要ってこと。昔から変わってない。ただその「人のコアを動かすアイデア」を新しいマスが反応する手法で届けるだけ。この歳になってそれを再認識できたのは嬉しい限り。最後に、素晴らしい審査委員の中に入れたことを心から感謝したい。栗林委員長、ありがとうね。

    佐野 貴子 Takako Sano
    • サントリー食品インターナショナル
    • コミュニケーションデザイン部 課長

    この審査会に参加し、熱狂を共にできたことに心から感謝しています。 いわゆる広告の形をしているもの、していないもの、たくさんのアイデアたちに向き合いながら議論した二日間はなんとも幸せな時間でした。素敵だなと思ったコミュニケーションには、形ではなく背景にある思想や誠実さ、それが社会に純粋に広がっていく様をありありと感じましたし、改めて広告の原点でもある“心を動かす力”を実感しました。広告は“人生の応援歌”だと教えられてきましたし、私自身もそう信じています。 だからこそ、この雑多な時代において、“広告にはまだまだできることがあるんじゃない?”と問いかけられたようで、広告主としても一人の人間としても大きな刺激を受けました。広告はもっと自由になれますね!そう思わずにはいられない審査会でした。本当にありがとうございました。

    菅野 薫 Kaoru Sugano
    • (つづく)
    • Creative Director、Creative Technologist

    栗林審査委員長が選出した審査委員の皆様の能力の高さと多様性が、幅広い視点を提示してくれて論点が多岐にわたり、とても良い議論が出来たことに尽きるのではないでしょうか。ブランデッド・コミュニケーション部門は広告の新領域、つまり現時点の辺境の部分を扱う部門なだけに、年々と議論の対象となるプロジェクトが変わっていくのが特徴です。それだけに審査委員には時代による変化を柔軟に受け止めて、その可能性を発見する能力が問われます。思考の手順、クラフトの専門性、これまでと全然違う才能が現れて、これまでの常識をひっくり返してくれる。そのスピードがどんどんはやくなっていることを実感します。これまでとは全然違う評価のされかたをした今年の受賞作。学ぶことは多いと思います。

    TaiTan TaiTan
    • ラッパー、クリエイティブディレクター

    「その他募集」と応募要項にあった。とてもわかりやすい呼びかけである。が、「その他」とは何か。この定義が思いの外難しい。広告以外のもの、コミュニーケションを拡張させるもの、ルールを再発明するもの、といったエントリー作を評価すればいいのかとも思ったが、そればかりに気を取られては単なる逆張り、あるいは大喜利のような審査方針になってしまうし、はてさてと頭を悩ませるばかりなのだった。審査委員の中で広告のフィールドにはいない私こそ、その「その他」へ光を当てるための視座を用意すべきだったのだろうけれど、いわゆる真っ当でクラシカルな「広告」がピカピカと輝いているようにも思えてしまい、毎秒揺らいだ。が、まわりを見たらみんな同様の表情をしていた。そのことが印象深い。誠実な会だなと思った。だからこそ、その揺らぎのニュアンスも込みで、結果発表できたらより応募者にとって納得感があるのかもしれない、と同時に思ったりした。受賞作の方々皆様おめでとうございます。

    畑中 翔太 Shota Hatanaka
    • dea/クリエイティブディレクター
      BABEL LABEL/企画プロデューサー、脚本家

    ブランデッド・コミュニケーション部門は、1つの部門の中に3つのカテゴリーがあり、単純計算で言えば審査は3倍大変だ。一方で、審査という“入口”では苦労するが、審査結果という“出口”では3つのグランプリを選ぶことができるという、他部門にはない「特権」がある。
    今年のプロモーション/アクティベーションのグランプリは、着眼点とアイデアで一本背負いをした「金龍のしっぽ」。ソーシャルインフルエンスは、今年最も世の中に影響を与えたオーディションプロジェクト「No No Girls」。そしてデジタル・ソーシャルクラフトは、デジタルを通じた究極のライブ体験を追求した「IOWN × Perfume」。
    普段なら同じ土俵に並ぶことのないであろうこの3つが、それぞれグランプリを受賞したこと自体が、このブランデッド・コミュニケーション部門の可能性と未来を示していると実感した今年の審査だった。来年この舞台にどんな3つが並ぶのか、そしてそれがどんなメッセージを投げかけるのか、今からワクワクでしかない。

    花田 礼 Rei Hanada
    • 電通
    • クリエーティブディレクター、プランナー

    BC部門の審査委員を初めてやらせていただいて驚いたのは「こんな面白い企画あったんだ!」という仕事がたくさんあることでした。しかも結構世の中的にはうまくいってるっぽいものでも知らなくて、クラスタが細分化されてることを改めて実感... 審査しながら、自分のデジタル上のメモにたくさんストックできました。

    あと、個人的には今年は万博イヤーだとも思っているので、応募いただいている万博仕事で、もっと評価されてもいいのになと思うものがいくつかありました。例えば、サントリーとダイキンの「アオと夜の虹のパレード」が入賞してないのは変だなあと。(イベント系は体験してないとわかりづらいという審査上の弱点もあり)

    細田 高広 Takahiro Hosoda
    • TBWA HAKUHODO
    • Chief Creative Officer

    これって広告なの?と眉をひそめる人が出ても不思議ではないグランプリが3本生まれました。素晴らしい結果です。広告とそれ以外との間にある線引きを無効化することが、BCという部門の存在意義だと信じるからです。オーディション番組、ライブ体験、屋外看板のスタント。一見バラバラに見えるグランプリにも共通項が確かに存在します。それは「人の心を動かすことで市場を動かした」ということ。広告という名前を剥いだとき、変わりゆく私たちの仕事を最も的確に捉えた定義ではないでしょうか。こんなにも大きく広告領域をハミ出した仕事がグランプリになったら、若手が絶望するという懸念の声もありました。私には希望にしか見えません。

    明円 卓 Suguru Myoen
    • ENTAKU produce
    • Creative Producer

    僕は元々、「広告賞は審査委員たちが内輪な感じで褒め合っているのではないか」と敬遠していました!でもこの2年審査に参加して、完全にその逆なんだなとが分かりました!とにかく業界発展のために、いいアイデアに光を当てようと議論をし尽くしています。審査の中で、細田さんが「広告業界の発展に繋がる教科書」を作るつもりで審査しようと仰っていたのが印象に残っています。選ばれた企画たちは、どれも大きな学びがあるものたちばかりです。この教科書をもとに、来年また新しいものが生まれるといいなと思います。

    龍崎 翔子 Shoko Ryuzaki
    • 水星
    • 代表取締役

    広告の枠を超える広告が大きな存在感を発揮した審査会だった。消費者心理をハックするための技法だとか、審査委員に評価される新規性だとか、そんなものではなく、人としての生き様、ブランドとしての姿勢、企業の在り方、そんな関わる人々の体重と体温の乗ったクリエイティブこそが、人の心を動かすのだと証明されたのだと思う。今回の審査会でグランプリを取った作品は、いずれもいわゆる「広告」ではないのかもしれない。上流から自動で流れてくるライン製造のクリエイティブではなく、自らの力で掴み取り、自らの力で生み出したクリエイティブには、仕事への愛と誇りが宿り、多くの広告やクリエイティブに携わる人々の心に火を付けるのである。

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  • PR部門 審査委員長

    眞野 昌子Masako Mano
    • 日本マクドナルド
      サステナビリティ・政策渉外部 部長
      日本パブリックリレーションズ協会(PRSJ)
      副理事長

    今年3年目となるPR部門では、【BMSG×ちゃんみな】ガールズグループオーディション「No No Girls」プロジェクトがグランプリに輝きました。PRの枠を超えたクリエイティブコンテンツとして、オーディションプロジェクトを選出することは、審査委員一人ひとりにとって勇気の要る決断でした。知らず知らずのうちに引いていたPRのしごとの周りを囲む境界線を乗り越えることができるのかという覚悟を問われたからです。この圧倒的なコンテンツが発信する強力なメッセージが女性、男性、すべてのオーディエンスに与えたパワーが、審査委員にこれまでの自分への挑戦をつきつけました。全員がトラディショナルなPRの枠を超える次のレベルにハードルを上げる責任の重さと、チャレンジへの興奮に、鳥肌の立った瞬間だったはずです。そして、一体感を感じた瞬間でした。

    PR部門 審査委員

    伊東 由理 Yuri Ito
    • LINEヤフー
    • 執行役員 コーポレートコミュニケーション統括本部長

    数多くの力作が並ぶ中、特に心に残ったのは、グランプリに輝いた【BMSG×ちゃんみな】「No No Girls」プロジェクトです。オーディションを「社会の価値観を問い直す装置」として再定義し、旧来的なルッキズムや年齢主義を超えて、純粋に才能へと向き合う姿勢は、社会そのものへの提案でした。
    「これはPRか」という問いは、アワードの現場に付きまとうテーマですが、本作はそれを鋭く突き付けてきたように思います。社会も情報の広がり方もめまぐるしく変わる今、PRのあり方もまた変化し続けています。私たちはその変化に気づけているのか、目をこらして時代のうねりに寄り添えているのか――審査委員自身も試されているように感じました。こうした気づきを与えてくれた本プロジェクトと機会に、心から感謝しています。

    小国 士朗 Shiro Oguni
    • 小国士朗事務所
    • 代表取締役

    これはPRなのか?いや、これだってPRだ!そのはざまで、感情を激しく揺さぶられ続けた審査会でした。「no no girls」に対して、メディア(NHK)出身の僕としては、強烈な違和感を抱いていました。これがOKなら「24時間テレビ」や「虎に翼」もOKってことになるの?PRといえばPRだけど、これって反則技じゃないの?でも、でも、それでも、「no no girls」はグランプリにふさわしいし、グランプリ以外はあり得ないと思いました!理屈やセオリー、業界の常識みたいなものを豪快に吹っ飛ばすだけの圧倒的なパワーがありました。大谷翔平が出てきたときもこんな感じだったよね。その才能やパワーには正直嫉妬するし、悔しい気持ちもたっぷりあるんだけど、「やったるぞ…」とメラメラと心の炎を燃やすこともできた審査会だったのでした。吠えろtiger。ちくしょう、いい曲だな(ヘビロテ中)。

    加藤 倫子 Michiko Kato
    • 電通
    • クリエーティブディレクター、PRディレクター

    工藤 里紗 Lisa Kudo
    • テレビ東京
    • 制作局クリエイティブ開発チーム 部長・チーフプロデューサー

    「No No Girls」プロジェクト、グランプリおめでとうございます!このプロジェクトをPR部門としてどう捉えるか、雷が鳴りまくった某日、熱い議論が交わされました。コンテンツとは?企画とは?伝えたいメッセージ、思い描く社会、勇気、エンパワー、エンターテインメントと社会性。「PR」に潜む無意識の固定概念への気づきと共に、これしかない!と。プロジェクトをグランプリに選出したPR部門の大胆な覚悟と決断に審査当日の締めの一言で「震えた」とコメントしたのですが、実は感極まったものをグッと堪えてました。日本や各業界、企業が抱える混沌とした閉塞感をブチ破る意気込み。議論をした上での相互理解と腹落ち。身が引き締まります。参加できて良かった!

    小林 大地 Daichi Kobayashi
    • The Breakthrough Company GO
    • Creative Director

    ACC PR部門の役割は、PR領域におけるクリエイティビティの可能性を拡張していくことにある。
    そういった意味において、今年はACCの使命を果たす受賞作が生まれた審査だったと思う。

    「No No Girls」は「オーディション番組」というアプローチを通して、BMSGの「才能を殺さないために。」という思想を見事に体現。
    それによってステークホルダーである「若い才能」との新たな合意形成を成し遂げた。

    「涙目シール」は、2cmにも満たない小さな工夫で、サステナビリティに対するファミリーマートの姿勢を社会に示すとともに、「助けたいから買う」という新たな購買動機を生み出すことにも成功した。

    賞の審査結果には、いつだって賛否がつきまとう。
    だけど、今回の審査結果が、PRパーソンの活躍の場を広げる契機になれば嬉しい。
    「未踏の領域に挑戦したい。」「そして何よりいい仕事がしたい。」
    そんな気持ちが強まりました。
    受賞者の皆さま、おめでとうございます。ぼくも、持ち場でがんばります。

    嶋 浩一郎 Koichiro Shima
    • 博報堂/執行役員 エグゼクティブ クリエイティブディレクター
    • 博報堂ケトル/ファウンダー

    PRの仕事はもっともっとクリエイティブになったら面白くなる。より多くの人達との合意形成を進めることができると思って仕事をしてきた。クリエイティビティを最も大事にするACCにPR部門ができて3年目の今年、例年以上に「その手があったか」と思わせてくれるクリエイティブなPRの仕事について議論することができた。
    クリエイティブジャンプは壁をぶち破る。人は経験を重ねるうちに、自分の仕事の型を決めてしまう。PRパーソンも知らず知らずのうちに自分の持ち場を自分で狭めていたかもしれない。そんな状況に一石を投じる審査結果になっていたらいい。選んだ自分たちもこれからの仕事に責任を持たなければ。

    住友 聡子 Satoko Sumitomo
    • P&Gジャパン
    • 広報渉外 執行役員

    私たちが住み暮らす社会が抱える課題に向き合い、様々なステークホルダーの想いをクリエイティブに繋ぎ届けていく過程がPRの魅力かつパワーです。エントリーシートを通じて、日本のあちこちで、時に穏やかに、時に強烈に起きた数々の合意形成を覗かせていただきました。
    受賞作品を振り返ってみると、どれも届ける相手もメッセージも絞り込まれているのに、心をざわつかせるさざなみが社会に大きなうねりを緩やかに起こしていく力に溢れていたように思います。
    何度も繰り返される"PRとは?"という問いとともに、頭も心も揺さぶられ、気付かず固まっていた思考の枠が溶けていく選考を経て、PRの扉が無限に広がっていく瞬間に立ち会うことができました。扉を大きく開かれた受賞者の皆様、心よりお祝い申し上げます。

    関 航 Wataru Seki
    • マテリアル
    • 取締役 兼 Executive Storyteller

    社会の「共通言語」が失われつつある。
    かつて流行語や話題が社会をつなげた時代は終わり、いまは人それぞれの興味や価値観の中で生きている。

    そんな時代において、PRに求められるのは、どれだけ多くに届いたかではなく、異なる世界をどう理解し、その間にどんな関係を築けるか。

    分断された環境の中で、その構造を自覚的に設計できていた作品は、ごくわずかだったと個人的には感じている。

    No No Girlsは、その数少ない例のひとつであり、「届かない時代に届く」構造を描いていた。

    登坂 泰斗 Taito Tosaka
    • オズマピーアール
    • リレーションズデザイン本部 副本部長、統合コミュニケーションデザイナー

    ACC、初めての審査会。
    これまでは、挑戦する側からの側面でしか見えてこなかったACC。その裏側がこんなにも熱量の高いものだったのかと、驚きとともに、感動を覚えました。
    今回の審査では、PRの手法の新しさ(鮮やかさ)というものがファイナリストからグランプリに至るまで一貫して話されていた大きな論点であったと感じています。
    その中で出た、グランプリとゴールド。
    特にグランプリとなる「No No Girlsプロジェクト」はまさに今回の審査を象徴するもので、この作品を選ぶことは、私自身かなり勇気のいる決断でした。
    これからのPR部門は、さらに自由でハードなカテゴリーになると思います!
    そんなことを、予感させてくれる審査でした

    橋本 しおり Shiori Hashimoto
    • ベクトルグループ プラチナム
    • PRディレクター

    今年で審査に関わらせていただき3年目。この3年という期間の中でもPRというものが大きく進化を遂げ、3年目の今年もまた、初年度、2年目とは違った議論を審査委員の皆様と交わすことができました。
    毎度ですが、審査の過程で素晴らしい仕事を手がけたPRパーソンの方々に嫉妬を覚えながら、よりPRを好きになることができるとても貴重な時間となりました。

    松尾 雄介 Yusuke Matsuo
    • 電通PRコンサルティング
    • PRプロデューサー、プランナー

    「“PR”を狭めない」。それが今回の審査会を通じて感じたことです。ACCのPR部門審査委員は今年で2回目でしたが、昨年にも増して“異種格闘技”のように多彩なエントリーが集まりました。一次審査や最終審査では、PR部門としてどう評価するのがよいのかと、悩ましくも充実した時間でした。審査委員のみなさんと一つひとつの取り組みをPRの視点から見ていくことは、PRを捉え直し、その可能性を拡張していく過程でもありました。アイデアはもちろんですが、そのアイデアを実現するために関係者をうまく巻き込む力が発揮された取り組みに、強く心を動かされました。

    松田 崇弥 Takaya Matsuda
    • ヘラルボニー
    • 代表取締役、Co-CEO

    「PRとは何か」を根底から問われる時間でした。私たちはしばしばPRを「広報」や「宣伝」の枠に閉じ込めてしまう、なぜか。しかし本来PRって、人の心をどれだけ動かせるのか、行動をどれだけ変えられるのか、技術や手法の新しさよりも、どれほど深く人の感情に触れられるか、あらゆる創造の営みそのものでしかない。真のPRって手法は問わない、自由なんだった。一人の起業家として知らず知らずに固執していた事実も浮き彫りになり、恥ずかしさも覚える時間でした。自分の固定観念がほどけていく、審査のひとときでした、PR最高!

    持冨 弘士郎 Koshiro Mochitomi
    • プラップジャパン
    • Planning Director

    意識変容はどんな場面からも起こり得る。そして業種や仕事の大小を問わず、社会を変えようとする強い意志を伴うアクションそのものが、PRにおけるクリエイティビティなのだろうと、多様な応募作品と向き合う過程で実感しました。
    意識変容のフィールドの広さにPRの可能性を感じる一方で、グランプリ「No No Girls」の審査過程で突き付けられたのは、PRパーソンがそれをリードする存在であるために何が必要なのか、という視点。他者の気持ちに寄り添うやさしさだけでなく、価値観を揺さぶる強さ。その両方を磨くことの重要性を、深く教えられた機会でした。

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  • デザイン部門 審査委員長

    川村 真司 Masashi Kawamura
    • Whatever/Chief Creative Officer、Co-Founder
    • Open Medical Lab/Chief Creative Officer

    毎年言っているようにも思いますが、今年も例年以上に議論が白熱する大変面白いデザイン部門審査会となりました_毎年必ず一つは突出した応募作があるのですが、今年はそれが最初は見受けられず、一次審査で高評価だった作品が選外になったり、選外だったものが上位に上がってきたりとかなりの評価の変化がありました。それはしかし審査委員一同が現物審査や審査会での議論を通してより深く作品を理解し、これがデザイン部門の受賞に値するのかを真剣に議論した結果だと感じています。

    最終的に受賞した作品のラインアップを見ると、非常に今のデザイン部門を象徴するようなバラエティに富んだプロジェクトが並んでいると思います。どうしても医療系といったソーシャルインパクトの高いプロジェクトが上位にきがちなのですが、それらが上位を独占することなく、国スポのような地方発で日本の歴史と未来をつなぐ素晴らしいデザインの取り組みや、はたまたヒプノシスマイクのような新しいエンターテイメントコンテンツの仕組み、フードロスを減らすための小さいけど大きなインパクトを期待できるかわいい涙目シールなど、実に多様なプロジェクトが受賞しています。どれも規模が全然違うし、そのジャンルも違いますが、「社会を動かすアイデアを鮮やかに形にしている」という点では共通しているのではないかなと思います。

    また今年から、プロジェクトの背景やインパクトの大小とは関係なく、純粋にクラフトのクオリティに対して贈賞するデザイン・クラフト賞もスタートしました。こうして技巧に特化して評価するチャンスがあることで、メインの審査もしやすくなったように感じています。映えある一回目のデザイン・クラフト賞に選ばれたニッカのキャンペーンは、広告というコミュニケーションの中でデザインがいかに力を持っているのかを再認識させてくれるような素晴らしい作品だと感じています。

    受賞者の皆様、おめでとうございます!

    デザイン部門 審査委員

    黒田 英邦 Hidekuni Kuroda
    • コクヨ
    • 代表執行役社長

    経営者としてこのACCデザイン部門の審査に関われることはこの上ない貴重な体験です。ビジネスを通じて世の中に価値を提供していくことは、常に新しいことへの挑戦であり、自分たちにとって答えのない問いを自ら立てそれを解き続ける旅のようなものです。自分としては、これこどはクリエイティブでありデザインであると考えています。クリエイティブとデザインのおかげで、世界は絶望せず常に前向きでいられるんだと信じています。
    今年の作品も世の中を変えたい、より良くしたい、という執念に溢れるものばかりで、審査なんておこがましく、作品や審査の過程ですごい刺激をもらうことができました。このような機会を頂戴でき心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

    佐藤 ねじ Neji Sato
    • ブルーパドル
    • クリエイティブディレクター、プランナー

    前回に続いて2回目の参加。企画やビジュアルを見ただけでは本当の良さが理解できない施策も多く、ゴール/リザルトも細かく確認し、医療系に強い審査委員に背景を聞いたり、各プロジェクトの価値を見逃さないよう慎重に審査しました。例えば佐賀の国スポは、「体育からスポーツへの変化」の文脈を理解することで、評価が大きく変わったりも。
    また、審査会に関わることで「ファイナリスト」の認識も変わりました。単純に良いものが多すぎて、上から並べたときブロンズに入らなかっただけで、審査側としてはメダルと同等。「ファイナリスト」という名の、4つ目のメダルと捉えるのがいいなと思いました。

    武部 貴則 Takanori Takebe
    • 横浜市立大学
    • 先端医科学研究センター コミュニケーション・デザイン・センター長

    今年は、日本らしい丁寧なクラフトが光る作品が目立ち、審査はどの作品も非常に僅差だったと感じています。甲乙つけがたいレベルの高さに、日本のクリエイティブの底力を改めて認識させられました。
    私自身の審査過程では「アイデアが社会の前提をどう揺さぶるか」という点も大きな論点となりました。既存の枠組みを美しく「革新」する力に加え、常識そのものを塗り替えるような「発明」の力。その両輪が駆動する先に、社会を動かす大きな熱量が生まれるのではないでしょうか。来年以降も、そうした新しい熱に触れ、”Aha moment”に直面できることを楽しみにしております。

    筒井 晴子 Haruko Tsutsui
    • 電通
    • Creative Director、Copywriter

    オンライン審査(一次)の結果を見て、審査委員の皆さんと選んでいるものが結構違うと思いました。なので、まずはなぜその作品が良いのか、皆さんの視点を聞こうと審査に入りました。デザイン部門には、医療の取り組み、国のイベント、広告ポスター、エンタメを売る仕組み、さまざま集まります。そのために審査委員も多彩な専門分野から集まり、リアルを教えてもらいながらの審査になります。例えば医療の取り組みであれば、現場ではどう使われるのか、本当の(隠れた)ニーズや、同じようなものが既にあるならば、その中のどんな違いが素晴らしいのか。応募映像やネット情報だけでは分からないこと。それを知った上で、他の作品と並べ、それぞれの判断軸で順位を決めていきます。順位が激しく入れ替わるのも、その検証のためです。「クリエイティブ」と同じくらい大きな意味を持つ「デザイン」の審査。私自身も学びが多く楽しい時間でした。最終結果はデザインらしいユニークなラインナップになったと思います。

    戸村 朝子 Asako Tomura
    • ARTn /CEO, Producer
    • 東京⼤学⼤学院情報学環/客員研究員
    • 東京工科大学/客員教授

    膝を打つような構想と設計がある作品や活動はやはり強いと思った。その組織やチームでなければできないことを研ぎ澄まし、今の社会の要請に応じたハモリが見事なものは、何をおいても鍛えられている。そして規模の大小を問わず、伝搬も深く強い。企業や組織、また業界のジレンマを踏まえ、そのベンチレーションを目指したものが多いのは、相変化の臨界点を迎えた時代の変化、そして足元の揺動が激しい(そして今後への備えの手綱が緩められない)現在においては、正常な進化の兆しかもしれない。ACCの本賞を通じても、勇気を持って前に進んでいく糧に少しでもなれば、同じ揺動する社会の上にあるひとりとしても幸いである。

    朴 正義 Masayoshi Boku
    • バスキュール
    • 代表取締役、クリエイティブディレクター

    生成AIやSNSの普及で、世の中には有象無象の作品があふれる時代になりました。そのせいなのか、クラフトの完成度だけで勝負する応募作は減ってきたように思います。ボク個人としては「社会や未来にどんな問いを投げかけたのか」「そのためにどんなリスクを覚悟したのか」という視点で評価してみましたが、終わってみると、あまりしっくりくる物差しではなかったかもしれません。審査委員の仕事もAIに置き換えられる時代も、もうまもなくやってくるのかもしれないですね(笑)。そんな中で、みなさんと議論を重ねながら審査に向き合える機会をいただけたことに感謝しています。

    松島 倫明 Michiaki Matsushima
    • コンデナスト・ジャパン
    • 『WIRED』日本版 編集長

    ACCデザイン部門の審査とはつまり、「デザイン」とは何か、2025年におけるその領域を定義する行為に他なりませんでした。ちょうど審査の直前に開催されていた世界陸上に引きつけるならば、審査とはつまり、短距離と長距離と槍投げと3000m障害を比べてどれがいちばん陸上競技らしいかを語るようなものです。本当に大切なのは、結局のところ、そのスタジアムで何が達成され、どんなドラマが起こって、いかに人々の気持ちを動かしたのか、です。

    ムラカミ カイエ Kaie Murakami
    • SIMONE
    • 代表取締役

    今回の審査は、社会の仕組みやインタラクティブな体験といった“姿なきデザイン”から、文化を映すオーセンティックな造形まで、幅広い表現に出会う機会となりました。その多彩さは「デザイン部門って、結局なんだ?」という根本的な問いを浮かび上がらせます。多様な背景を持つ審査委員のみなさんのコメントは鋭さとユーモアに富み、真剣さの中にも思わず笑みがこぼれる瞬間がありました。あらためて思うのは、デザインとは未来に残された問いであり、時に社会を変える“いたずら心”でもあるということ。今回の議論が次の挑戦への小さな火種になることを楽しみにしています。

    米澤 香子 Kyoko Yonezawa
    • TBWA HAKUHODO
    • Head of Innovation

    デザインが社会にどのような意味をもたらすのかについて、審査委員間で活発な議論が交わされる、とても印象的な審査会でした。n=1の想いから生まれたデザインから、社会の構造にまで影響を与える大きな野望まで、多様なエントリーが集まっていて、メダルの色を決める過程はとても難しかったです。バックグラウンドの異なる審査委員のさまざまな視点が投げ込まれ、議論を重ねるうちに作品の評価が大きく揺れる瞬間も多く、その過程自体が私にとっても大きな学びとなりました。こうした議論のプロセスそのものが、デザインを考え続けるための糧になると感じましたので、ぜひ各受賞作の審査評もじっくり呼んでみてください。

    写真:SOLIT
    ライラ・カセム Laila Cassim
    • シブヤフォント/クリエイティブディレクター
    • 奈良女子大学/特任准教授

    デザイン部門はカテゴリーが存在しないカテゴリー。審査会を何年かやっていると、大まかな金賞や銀賞1人で審査している時でもその目安はつく。でもACCの審査会は違う。最終審査会では多岐にわたる経験をもつ審査委員の多彩な視点と意見が飛び交い、こういう考え方もあったのか、とかそう考えるとそうでもないと思っていたこのデザインも秀才だなとこれまでみていたものに対して新たな着眼点を与えてくれて、まるで学校に戻ったのかと思うくらいデザインを改めて学び直します。今年も他の賞ではみられない様なデザインのライナップいわば社会の縮図がこの部門では集結していると思います。

    龍崎 翔子 Shoko Ryuzaki
    • 水星
    • 代表取締役

    多くの素敵な作品を審査する機会を頂戴し、本当にありがとうございます。デザイン部門の審査で印象的だったのは、"デザインの前提をデザインしている"作品が高く評価されていたこと。「HONYAL」や「ヒプノシスマイク」のように、事業や収益構造の仕組みそのものをデザインすること。「SAGA2024国スポ・全障スポ」のように、デザインのグランドルールをデザインすること。最終的な成果物が、美しい、もしくは機能的であることだけではなく、社会や経済と持続的に接続していくこと、再現性をもって世の中に残り続けるルールとなっていくことまでをも戦略的に設計している作品が特に多くの審査委員の心を捉えていたように感じています。

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  • メディアクリエイティブ部門 審査委員長

    檜原 麻希 Maki Hiwara
    • ニッポン放送
    • 代表取締役社長

    2025年はメディア業界も様々な事があり、変革を求められる1年だった。メディアクリエイティブ部門にエントリーした108の作品は全体的に俯瞰してみると従来の「メディアの定義」が変わりつつあるという認識をあらたにした。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌といった旧来メディアが確かに存在はしているが、街や自販機、
    看板、電車の窓、ゲーム、店、壁といった非常にローカライズされた場所やモノがメディアとして使われている作品が実に多かった。そこにオリジナリティ溢れるアイデアが加味された。グランプリの「PLAY THE PRESERVATION - 遊べば遊ぶほど保全が進む-」もそうである。世界遺産である軍艦島にフォーカスを当て、デジタルデータで再現された島全体のコンテンツを、Fortniteという最強オンラインゲームのステージに再現した事で、課金収益の一部を島の保全資金にするというエコシステムは、素晴らしい発見である。そして勿論、作品のクオリティもトップクラス。選定に当たっては白熱した議論をし、最後は全審査メンバー納得のグランプリとなった。今後の継続性と実際の収益成果に期待したい。

    メディアクリエイティブ部門 審査委員

    今江 元紀 Motonori Imae
    • FM802
    • 802編成部長

    内山 聖子 Satoko Uchiyama
    • テレビ朝日
    • 取締役 コンテンツ編成局エグゼクティブプロデューサー

    今回の審査会はとても白熱した議論で意見が踊り、とても刺激的でした!
    今年はメディア業界がさらに混沌として、常識がひっくり返る出来事も多かったので、個人的には「変わらない正義」を意識して、「優しさ」と「ユーモア」をテーマに選びましたが、「アイデア」「課題解決発明」「成果」何に重きをおいているか、審査委員の個性がわかる楽しい会でもありました。従来のメディアの域をこえて、どの空間もどのツールも創造性を発揮出来るメディアであるということに改めて気づきました。私自身がゲームやデジタル空間に精通していないため、グランプリ作品の「世界遺産を守るためのオンラインゲーム」という発想及び収益成果については、目から鱗でこの議論があって初めて深く刺さりました。

    加藤 純子 Junko Kato
    • 出光興産
    • 広報部長

    メディアをとりまく環境変化が大きい時代だからこそ、従来のメディアの枠を超え、新しい挑戦、生活者との接点を再定義するアイデア等の応募が数多くなり、審査自体もコミュニケーションの本質を問い直す場となったと思います。審査委員のバックグラウンドが多岐にわたるため、その視点の違いが議論を一層深め、刺激的な審査会となりました。また、優れたアイデアが他領域への展開や社会的インパクトを生み出す可能性についても多くの意見が交わされ、未来のコミュニケーションの新たな方向性を感じる審査会でした。

    佐々木 亜悠 Ayu Sasaki
    • 電通
    • zero 局長 クリエイティブディレクター

    電波がなかった時代には、あらゆる手段を使って誰かにものを伝えるためのアイデアに富んださまざまな媒体が生まれていたはずで、いままさにもう一度その黎明期を迎えているように感じました。自販機も選挙ポスターもゲームも洋服も、人と接するものすべてがアイデアによって「メディア」として機能する。情報過多の世界の中で「どこで何と出会うか」こそ、記憶されていくための鍵になる。「メディア」という言葉は今、何を指しているのだろう?と自問自答しながらも、これほどまでに多くの伝え方や届け方があるのだということに改めて気づかされ、ヒントをたくさんもらうことができた審査会でした。受賞された皆様、おめでとうございます!

    杉浦 充 Mitsuru Sugiura
    • ADKマーケティング・ソリューションズ
    • エクスペリエンス・クリエイティブ本部
    • バーティカルCRプランニンググループ
    • プランニング・ディレクター

    初めて審査委員として参加しましたが、素晴らしい施策が多く、非常に悩みました。個人的には「新しさがあるもの」「今後の模範となる施策だと感じられるもの」を評価しました。特にグランプリとゴールドを決定する議論は白熱しましたが、グランプリの『PLAY THE PRESERVATION - 遊べば遊ぶほど保全が進む-』は「メディアのアセットを活用したクリエイティビティにより、広告主や社会課題を解決する」という点で、当部門のお手本のような施策だと感じています。過去にはOOH・新聞・ラジオなどの受賞が多かった部門でしたが、今年は「ゲーム」「AR」「VTuber」等を活用した施策が上位の作品に入ってきたことが大きな特徴かと思います。来年も楽しみにしています!

    髙橋 利之 Toshiyuki Takahashi
    • 日本テレビ
    • 取締役級CES

    私の心が掻き乱された作品は二つ。
    サントリーBOSS缶を麻雀牌に見立て、自動販売機は何が出てくるかわからないのでそれをツモに見立てる。
    実際にプロにBOSS缶で麻雀をやってもらう。全て楽しい。

    もう一つはシンカトリ広告効果ダービー。
    二作品に、共通しているのは作品の素晴らしさを「誰かに話したくなる」こと。
    どんなにメディアやシステムが発達しても「口伝え」や「会話での広がり」を舐めてはいけない。
    最もスピーディーで、熱量が伝わるから。この二つ以外にも誰かに伝えたくなる魅力的な作品が沢山あり、幸せな審査でした。

    中村 全信 Masanobu Nakamura
    • メルカリ
    • メルカリShops 事業開発本部長 兼 マーケティング本部長

    【〇〇メディアならでは】
    本部門は、メディアアセットを活用したクリエイティビティや達成した成果に加えて、「メディアビジネスの進化に貢献したアイデア」を重視します。今回は、OOHメディアの新しい活用法に注目が集まりました。「ツモれるボス雀缶」は自動販売機ならでは、「特茶ぴったり広告」は日本の正確な交通機関ならではのアイデアです。WHO(誰に)・WHAT(何を)・HOW(どうやって伝えるか)がマッチし、審査委員一同が「この手があったか」と感嘆しました。

    【Steal with Prideしましょう】
    他の入賞作品にもたくさんのヒントが詰まっています。ぜひ、成功事例から学び、自社のビジネスに活かしてみてはいかがでしょうか。

    松島 有輝 Yuki Matsushima
    • Cloud Nine
    • プロデューサー

    (非常に有り難いことに)2年目のメディアクリエイティブ部門審査委員ということで、昨年よりもほんの少しだけ自身の直感(ピンと来る/グッと来る)に正直に審査に臨ませて頂きました。

    結果的に、他審査委員の皆さまと自身の「メディアクリエイティブとは?」という視点や感覚の差が可視化され、昨年よりも議論を楽むことができました。

    メディアクリエイティブには基本的に2種類の『コレをこう使ったんだ!』があると思っています。ひとつは既存メディアの新たな使い方発明、もうひとつは新たな器のメディア化、です。

    今年はそれらの驚きに、さらに「ストーリー」や「物語」「体験」が前後に付随した『長めに味わうことのできる作品』が多かった印象でした。

    望月 省二 Seiji Mochizuki
    • アサヒビール
    • 理事
      マーケティング本部
      マーケティング戦略部 部長

    審査は昨年同様、「メディアクリエイティブとは何か?」を問い続ける時間となりました。「この広告企画はメディアクリエイティブ部門にふさわしいのか?」という問いに対し、審査委員長の檜原さんが述べられた「メディアの領域を固定概念で縛ってはならない。我々の知らない領域にまで拡大していると考えるべきである」というご意見に、深く考えさせられました。
    何をメディアと捉えるかが、まさに本質的なポイントであると感じます。そして、そのメディアに対して、いかに新しいアイデアや社会的意義を加えていくか。広告主、媒体社、クリエイターが活躍できるフィールドは、ますます広がっていると実感しています。

    リュウ シーチャウ Xiqiao Liu
    • サニーサイドアップ
    • 代表取締役社長

    今回も、メディアを創造的に活用し、その価値を最大化した素晴らしい事例が数多くありました。事前審査の段階からワクワクしながら拝見していましたが、実際の審査会では、他の審査委員の皆さんとの議論が本当に刺激的でした。特に、意見が分かれた際に交わされた「素晴らしい取り組みだけれど、結果が見えなければ評価は難しい」「これはメディアアワードとしてどのように捉えるべきか」といった対話が印象的でした。最後まで悩み抜いて選んだグランプリ。それだけ、素晴らしい作品が多かったということだと思います。

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  • クリエイティブイノベーション部門
    審査委員長

    木嵜 綾奈 Ayana Kizaki
    • NewsPicks Studios
    • 取締役、Executive producer

    世の中にどのような新しい価値を生み出し、社会変容につなげられるかを大切に議論しました。医療、地方、社会など、さまざまな課題に対してどのように新しいサービスやアイデアが変革をもたらすのか。クリエイティブイノベーション部門として、創造性の力で社会を前進させ、世界に羽ばたくプロダクトやサービスを応援したいという想いを込めました。審査委員一人ひとりの視点と情熱が反映された、心から誇れる賞になったと思います。

    クリエイティブイノベーション部門 審査委員

    石田 健 Ken Ishida
    • The HEADLINE編集長

    各作品をめぐって活発な議論がおこなわれ、とくにイノベーションの定義や作品の主体、そのプロジェクトが目指す社会など、クリエイティブイノベーションという賞の在り方や意義そのものを問い直すような問題提起がなされました。広告賞が広告の品質のみを評価すべきなのか、あるいはプロジェクトの持続可能性やインパクトの大きさ、商業性や批評性のバランスなどを全て勘案すべきなのかは議論があるでしょうが、少なくとも後者を切り離したものを "イノベーション" と呼ぶことは困難でしょう。その意味で、真に受賞をめぐる判断が妥当なものであるかは、数年後の答え合わせが必要であることは間違いありません。

    小池 藍 Ai Koike
    • THE CREATIVE FUND, LLP
    • 代表パートナー

    今年もだが、例年この部門は「医療/地方/社会」×クリエイティブといったテーマが多いように思う。創造的なサービスやアイディアがどこまで「変革」をもたらしているかを議論した。例えば、課題に対し、これまでとは異なるやり方での新しいソリューションが単発のアイデアではなく持続的に巻き込み変え続けているか、該当団体のみならずどこまで影響力を及ぼし変えていけそうか、などだ。最終的にグランプリとなったヘラルボニーアートプライズは自社のみならず、「日本発で世界に羽ばたくプロダクトやサービス」としてどこまで可能性を感じるかを議論できたことが大きかったように思う。

    小布施 典孝 Noritaka Kobuse
    • dentsu japan
    • グロースオフィサー、Future Creative センター長、Executive Creative Director

    応募作品を上から目線で評価する。審査委員をしていると、いつの間にか、そういう姿勢になりがちな傾向もあったります。でも、応募された1つ1つの仕事に、現場で一生懸命背負い、戦っている人たちがいる。この仕事で世界を少しでも良い方向に変えたいとピュアに真っ直ぐ取り組んでいる人がいる。審査する側は、その想いを決して忘れてはいけない。そんなことを今回とくに強く思いました。
    そして、上手なもの、整ったものより、手触りのある強い意志が込められているもののほうが、たとえまだゴツゴツしていたとしても、キラリと光っている。そうした気づきを改めてもらいました。

    柴田 陽子 Yoko Shibata
    • 柴田陽子事務所
    • ブランドプロデューサー、柴田陽子事務所 代表取締役、BORDERS at BALCONY代表取締役

    世の中における価値観や正しさが、目を見張るスピード感で変化する現代。一見、誰かのためになっているものでも、本質的な価値や本当に達成されるべきは何か、という目的を見失っている、もしくはズレてしまっているサービスやコンテンツは世の中に溢れています。
    自己満足的になるのではなく、それが世の中にあるから、良い未来を描ける。時間が経てば経つほどに「在ってよかった」と社会から言われる、そんなイノベーションとは何か。審査委員で真剣に話し合う場、そしてその俎上となるこの賞こそが、世界の未来を創る場になっているのだと今回の審査を通じて感じました。

    中馬 和彦 Kazuhiko Chuman
    • みずほフィナンシャルグループ
    • 執行役員 CBDO

    今年のクリエイティブイノベーション部門はAI祭りになるのでは?そんな予感をもって臨んだ審査会だったが、その予想は良い意味で大いに裏切られた。
    応募作品に占めるAI作品は半数をこえていたが、上位作品の大半は非AI作品であった。
    そんな中グランプリに選ばれたのは「HERALBONY Art Prize」
    HERALBONY社は、知的障害者によるアートを新たなカテゴリーとして定義し且つインダストリーとして確立した取り組みとして多くのAwardを受賞してきたが、今回の取り組みは知的障害者アートというインダストリーそのものを権威化することで、その影響力を普遍化しようという全く次元の異なる崇高なチャレンジであると大きに共感した。
    AIが世界の全てをオーバーライトしようとしている現在にあっても、人の想いでイノベーションは生まれ続けるし、社会に新たな希望の光を照らすのも、また人である。
    「クリエイティブイノベーション部門はいつまで人のためのAwardであり続けられるのか?」そんなことを考えさせられた2025年の審査会であった。

    夫馬 賢治 Kenji Fuma
    • ニューラル/CEO、ESGアドバイザー
    • 信州大学/グリーン社会共創機構特任教授

    イノベーションを通じた社会課題の解決がますます重要となる世の中で、クリエイティブイノベーション部門に応募される作品のテーマも多様になってきていると感じます。作品の段階も、構想段階からすでにローンチされたものまで様々です。審査会の中では、アイデアの着想やメディア露出の規模だけでなく、どれだけ世の中を変えていこうとしているかという本気度も重要な審査ポイントになっていると感じています。

    坊垣 佳奈 Kana Bogaki
    • マクアケ
    • 共同創業者、顧問

    今年もこれ以上にない素晴らしい機会を、本当にありがとうございました。
    昨年に続き、個性豊かで多様な視点と知見を持つ審査委員の皆様と、「クリエイティブイノベーションとは何か」「今年、ここで何を見出すことが社会に意味をもたらすのか」を真剣に語り合う時間は、かけがえのないものでした。
    多くの熱量に圧倒されながらも、確信をもって導き出した今回の結論を胸に、これからもこの流れが新たなイノベーションへとつながっていくことを心から願っています。

    松本 紗代子 Sayoko Matsumoto
    • Cloudflare Japan
    • 日本地域統括バイスプレジデント兼日本代表

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