澤本審査委員長 審査講評
大変学びの多い審査会でした。まず、多様なジャンルから参加いただいた審査委員のメンバーを確認していただけると推測できると思うのですが、審査会自体が映像を扱う部門には大変刺激的な勉強の場となりました。
テレビCM部門がフィルム部門と名前を変えて3年。15秒、30秒・・・とテレビCMとして秒数が制限されたAカテゴリーとweb動画として時間の制限のないBカテゴリー。CM制作者としては制約のないBカテゴリーの方が表現的に豊かになってきている感覚がありましたが、参加いただいた映画、テレビ界を代表する審査委員からは、制約があるAカテゴリーの表現の方に感心するものが多く逆にBは自分たちが作ればさらに良くできる予感がする、という指摘を頂き、いかに自分たちが近視眼になっているかの気づきとなりました。
とにかく広告業界は自分たちで閉じてしまわず「映像」という広い海原で他の種類の映像を創造していく方々と共に切磋琢磨することが大事だと考えます。その点で、映画、テレビドラマ、バラエティー、女優、と立場の違う映像界の才能が違った視点から今までの審査会の議論では交わされなかったような意見を交換しながら選んだ受賞作、制作者は胸を張ってほしいと思います。そして、地方からの出品で最終選考で上位を争う力作が多くなってきているのも大きな特徴だということを付記しておきます。是非ご確認下さい。