2019 59th ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS 審査委員講評

  • フィルム部門 審査委員長

    多田 琢Taku Tada
    • TUGBOAT
      クリエイティブディレクター・CMプランナー
    Q1 審査会の様子について。審査方針を含め、お聞かせください。

    審査とは審査委員の選出が、ほぼ全てだと思っています。その上でお集まりいただいたので、自分の好みに誘導することは一切しない、と決めていました。全ての審査委員の本音を引き出す、それが審査方針であると言ってもいいと思います。
    それ故、議論する時間を増やしました。なかなか白熱して、面白かったり、ちょっぴり辛辣であったり、でも意見のひとつひとつに制作者のCM愛が感じられて幸福な時間でした。

    Q2 今年の傾向およびグランプリ作品について、そして若いクリエイターへ。

    Bカテゴリーは圧倒的な差で選出されました。Web CMは興味を感じなければ6秒程で離脱するという傾向があるそうです。逆に捉えれば頭の6秒で引き込まれれば、長くても見続けてしまうということです。パンチのある10秒動画の連打というのはWeb CMの弱点を逆手に取った見事なアイディアでした。
    Aカテゴリーのグランプリ審査は紛糾しました。「ACCのグランプリは数が増えて、どれが一番なのかよくわからない」と言っていた自分が、グランプリを2つ出すことに後悔がないかと言われれば嘘になりますが、2つにすることによって、そこに共通するものを浮き彫りにしたいと思いました。それは、この2つが実際のオンエアーで、15秒という短い時間で強烈なインパクトを残したところです。
    大量出向のパワーゲームを仕掛けるキャンペーンや作品性の高い長尺CMに対して、オリジナリティーのある強いアイディアがあれば勝てる、ということを特に若いクリエイターに示したかったということです。

    フィルム部門 審査委員

    井村 光明 Mitsuaki Imura
    • 博報堂
    • 第三クリエイティブ局 クリエイティブディレクター

    Aカテゴリー、Bカテゴリー分けずに、フィルム全体でグランプリを一つにしてはどうか。そんな言葉が出るほど「jms」への評価が圧倒的でした。CM制作者の持つ短い秒数を突破する技術、その技を最も自由に発揮したのがAカテゴリーではなくBカテゴリーだったことに驚かされ、一方お株を奪われた形のAカテゴリーは、タレントや制作費のかかった別の意味でのTVCMらしさが目立つことになり、力んでいるように見えました。
    しかし、改めて短い秒数で表現するCMの技術に焦点が当たったことにこそ、AB両カテゴリーを同時に審査する意義があったのではないでしょうか。もしAカテゴリー単体で審査していたら得意技として意識することもなかったはずです。
    TVCMは秒数以外にも様々な制約を突破して作られている。まだまだ僕らには得意技があるのではないか、そう思わせられた審査会でした。

    えぐち りか Rika Eguchi
    • 電通
    • アートディレクター/アーティスト

    まず驚いたのは審査が想像以上に時間がかかったこと。ブランデッド・コミュニケーション部門も同時に審査していたので、数日間腰が痛くなるまで様々なジャンルを見続ける日々でした。ただCMは見ていて本当に楽しかった!数秒から数分で泣いたり笑ったり、感情をグラグラ動かしてくれるものって他にはないと思います。学生時代CMプランナーに憧れて電通を目指していた事を思い出しました。熱量のある数々の作品を前に、私はリスペクトの気持ちと受け手代表くらいの気持ちで挑ませていただきました。審査会ではそれぞれが思う「CMとは」を聞けた事がとにかく勉強になりました。刺激に満ちた幸せな時間、ありがとうございました!

    榎本 卓朗 Takuro Enomoto
    • ENOAD
    • クリエイティブディレクター/アートディレクター

    なにせ、初めてのACC審査会なのものですから緊張しまくりました。そもそもうまく喋れないので。多田審査委員長はじめ皆さんが優しかったのが救いでした笑 そんな中、Aカテゴリー・Bカテゴリー共に、ああ広告ってこうだったよな…と改めて思い出させてくれるような、そんな切れ味鋭いものがグランプリに選ばれたような気がします。時代性なんて関係ない。逞しく飄々と生きている人間の普通の暮らしがそこにある。それがなんだか気持ちがいい。誰でも動画が作れる時代に、必要最低限の尺の中でスタッフの匠の技が光っている。戦略病の世の中で、プロフェッショナルが作るCMの原点に立ち返った様なものが残ったと思います。勉強になりました。

    小国 士朗 Shiro Oguni
    • 小国士朗事務所
    • 代表取締役・プロデューサー
    • 一般社団法人注文をまちがえる料理店/常務理事

    2日にわたる議論を終えて、2つ思うことがありました。ひとつは「テレビ番組に表現の自由がなくなりつつある中で、CMにはまだ自由が残されている」ということ。CMは基本的には“1社提供”ですから、会社とクリエイターたちが覚悟を決めれば、かなりのことができるんだなぁと、テレビ出身の僕は少し嫉妬してしまいました。もうひとつは、「この審査の場にいられてよかった」ということです。CMの門外漢の僕が審査をするなんて不遜だと思ったので、オファーを一度はお断りしたのですが、その時の自分に「アホか」と言いたいくらい、受けてよかったです。CMの作り手たちの、CMへの愛を全身で浴びられて、「あっ、自分も頑張ろう」って思えました。

    権八 成裕 Naruhiro Gompa
    • ゴンパ
    • CMプランナー/クリエイティブディレクター

    初めてのフィルム審査。澤本さんから「ラジオに比べて精神的にすごく辛いよ」と聞いていた。思ったほどでもなかった。審査委員長の多田さんのお陰ではなかろうか。多田さんは、公平公正に私見を挟まず淡々と進められていた。元NHKの小国さんや、脚本家の野木さんなど、広告畑ではない方のコメントは興味深かった。審査委員にディレクターが4人いたことは今回、特徴的だったのではないか。その選定に意思を感じるし、審査結果にも大きく反映されていると思う。長久さんのコメントが辛辣かつユニークで全体をザワつかせてた印象。つられて普段は心に秘めているような事まで言ってしまい後からすごく恥ずかしくなった。長久のせいだ(笑)。

    佐々木 宏 Hiroshi Sasaki
    • クリエーティブディレクター 兼 世話役

    審査委員長の多田琢氏が立派でした。フェアでした。選んだメンバーが、まあ何というか、素敵でしたね。左隣の小国さん、品が良くてクレバーで。知り合えて良かった度NO.1でした。よろしく。右隣のえぐちりかさん、相変わらず天衣無縫で小生意気で美しすぎるアートディレクター。その隣の長久映画監督の才能に誰よりも惚れ込んでいるのは私、と思っていますが、多田の長久愛も半端ではなかったようです。審査委員に選んじゃうくらいだから。で、端っこにもっと危険な匂いの佐藤渉さん。さけるグミ→ブックオフでV2男に。この人がCM業界にいてくれて良かった度NO.1。その向かいに座ったのが、CM業界あんちゃん度NO.1。イケメン榎本AD。ミノキCM見て、買っちゃいましたもん、通りがかりのあんちゃんかよ的意見がなかったら、ミノキのグランプリはなかったでしょう。で、アオハルかよの佐藤雄介さん。売れっ子&イヤー賞となると、普通ヤな奴になるもんですが、相変わらず、のほほんいい奴。そして、東大卒で馬鹿なCM連発の井村氏。勝手ながら、私は井村の応援団長。ファンタもグミもあとなんだっけ代表作、いずれにしても、山内ケンジさんコンコルド的マニアです。その隣には、たしかゴンパのゴンパ。気が合わないけど、意見が妙に合う。17年のシンガタ生活に終止符打って、のびのび長久とバトル。幸せそうでなにより。で、田中裕介さん、カッコ良すぎるCM、昔だと、外人のディレクターに頼まないと無理、という映像が、いまなら、この人で大丈夫。センスの塊。で、その左が、山崎隆明氏。この男の平身低頭にだまされてはいけない。なんだかんだグランプリ掻っ攫い男であり、妙にオシャレでもある。ミノキ、おめでとう。この野郎。そして、その隣には、逃げ恥アンナチュラルの野木さんが。いいタイミングで、いちいちいいこと言うなぁと。鋭く、グサッと、なるほ度NO.1.ありがとうございました。その対面は、関根光才さん。この名前、佐々木宏と比べて、ずるいなと思います。いかにも才能ありそうだし、私には見える、的なこの横顔。現に作るもの、どれも図抜けたセンスだし。ずるい。で、その隣が、澤本嘉光様。身近な存在だけに、いくら周りが、彼を持ち上げても、いくら本人が、私を見下したように哀れむように窘めても、永遠の部下。これで1周。
    21年続けたACC審査委員を今年で卒業させて頂きますと、最後に挨拶させて頂いた。65才になった爺さんをよくぞ選んでくれました。多田ちゃん。17年続けたシンガタを店仕舞いし、同じ南青山のオフィスに「連」といういっぷう変わったシェアオフィスをスタートし、その会議室「通称オリエントエクスプレス」で、2日間の審査をしました。わりと感動的な挨拶をしたのですが、拍手はまばら。えぐちりかが泣きそうになりました、と言ってくれて、でも、涙はなかった。

    佐藤 雄介 Yusuke Sato
    • 電通
    • クリエーティブディレクター/CMプランナー

    佐藤 渉 Wataru Sato
    • TYO SPARK
    • ディレクター/プランナー

    正直、参加する前はACC審査会に対していいイメージはありませんでした。当然審査委員の中には出品作品に関わる当事者もたくさんいるはずなので、どうせ忖度のし合いになるんだろうなと。しかしそんな疑いは一瞬でなくなりました。その口火を切ったのは僕の隣にいた映画監督長久くんだった気がします。審査委員全員が、時に論理的に、時に感覚的に、それぞれの尺度を持ちながら、強い意志で作品を評価し合っていました。審査委員どうしで意見がぶつかる場面も多々ありましたが、議論の中で他の審査委員の意見に影響されて多くの票が移っていくさまはおもしろかったです。今までACC賞の審査結果に何かしら疑いを持っている方がいたら、僕が真っ向から否定したいと思います。
    今回は結果的にフィルム部門の3つのグランプリ作品が15秒以下で成立していました。だからといって今後短い尺の作品が主流になるわけでもないと思います。尺が長いとか短いとか、予算が多いとか少ないとか、企画がどうだ、演出がどうだ、編集がどうだとか、そんなことを考えさせる暇さえ与えない、圧倒的なものが評価されるのだと、いつも思っています。審査委員の役割を終えてすぐに出てきた思いは、結局、自分がプレーヤーとして圧倒的なものを表現していきたい、というものでした。みんなが「いい。」の一言しか出ないような作品。審査委員講評のはずが作り手としての決意で締めてしまってすいません。

    澤本 嘉光 Yoshimitsu Sawamoto
    • 電通
    • シニア・プライム・エグゼクティブ・プロフェッショナル/エグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクター

    審査会は、実は勉強になる。あれだけたくさんのCMや動画をまとめて強制的に見る機会なんてこれ以外ない。一年の良い作品をほぼこの審査会で網羅できる。そして内容を深く各分野の優秀な審査委員の方と議論ができる。自分がいいことを言っていると思われたい一心で考えを整理しながら話す。自分で納得する。誰かに自分では気がついてない指摘をされて、ハッ!としてそのCMへの見方を変える。今年は、その、ハッ!が何回も襲ってきた。これほど勉強になった審査会は初めてで、つまりそれくらいきちんとした議論の結果だと思っていただいて構わない。選ばれた方は自信持って顔をあげてください。

    関根 光才 Kosai Sekine
    • GLASSLOFT/NION 共同設立者
    • ディレクター

    初めてACCの審査に参加させて頂きましたが、4名の映像監督がいる「現場より」審査会だった事が印象的で、審査委員長多田さんのクラフトマンへの信頼を改めて感じました。実際に自分が審査に加わることで、ACCでの受賞ハードルが如何に高いものであるかを感じ、受賞者の皆さんには心から敬意を表したい思いでいます。また、社会的イシューを取り上げる作品について、その視点だけでなく「深み」を議論しあう場が生まれたことが非常に大切な時間でした。ただ「面白い」とか「クール」であるという表層的なことを超えたポイントが何かを議論することで、日本の今後の広告がより深みに触れるものになることを個人的には非常に期待しています。

    田中 裕介 Yusuke Tanaka
    • CAVIAR
    • 映像ディレクター

    今回の審査で1番印象に残っていることは審査委員同士で議論した時間ではないかと思います。自分自身の信念をもって仕事をしている審査委員たちが、その信念をもって推したい作品、推したくない作品をぶつけ合ったため、その議論はときに白熱したものになりました。否定的な意見ももちろん出ましたが、その作品を推している審査委員の信念にはリスペクトが払われているその場の空気感がとても心地よかったです。みな本気で仕事をしているのだなと。本気で審査している分意見も割れました。そのようにして決まっていた賞を獲った広告というものは、なにか圧倒的に秀でたものがあるというより、その年、その時代の1つの記録なのだなと思います。

    長久 允 Makoto Nagahisa
    • 映画監督

    「市井の僕ら」の代表のつもりで、忖度ない意見をたくさん言わせてもらいました(みなさま優しかった)。サロン的なもの、ジェンダーフラットの意識、上から視点への警告、広告を投じる意味に敏感になること。などをお伝えできて良かったです。各論ですが、ブックオフのCMがグランプリというお茶のミックな判断ができてホッとしました。また、福島民報の映像がCMプランナーとしてのベストである企画賞をとったのも嬉!CM自体の企画の手前に「世の中にコミットする本当の企画」があり、それを「盛らない」=「騙しのない」定着に抑えることができている。それってすごく今最も必要な感覚であり、技術なんじゃないかと思います。

    野木 亜紀子 Akiko Nogi
    • 脚本家

    映画の審査委員は常にお断りしているが、CMは自分に関係ないので参加して審査会で言いたい放題言ってしまい大変失礼致しました。良いと思った作品が過去作の焼き直しだと知った時にはウヒョーとなったが、ドラマや映画でも「いやこのパターン昔からあるよ」というのはオタクあるあるなので、なるほどCMオタクはそう見るのかと勉強になった。ドキュメント系は見方が厳しくなってしまう人が自分含め数人いた。ポリコレ視点では敏感な人が集まっていたように思う。シリーズCMに関しては、自身のテレビ視聴時にすべてを見た経験がないので、15秒一発に賭けてほしいという思いがあったが、Aカテゴリーグランプリ二作はその点でも優れていたと思う。

    山崎 隆明 Takaaki Yamazaki
    • Watson-Crick
    • クリエーティブディレクター・CMプランナー

    「昔のCMは面白かった」と、否定するだけのおじさんには、なりたくない。
    制作者として、前向きじゃないから。
    でも、Aカテゴリー審査を終えて、正直な自分の気持ちを書くと、そこに行き着く。
    コンプライアンスによる表現の規制とか、そういうことだけが影響しているのではなく、
    なんかもっと根本的なとこに問題があるんじゃないか、
    とモヤモヤした気持ちになる。
    ちなみに、このモヤモヤはきっとすごいCMがひとつ出るだけで、消える。
    いつの時代も問題を解決するのは、具体案だから。
    この閉塞感を打ち破る若い制作者の登場に期待したい。
    そういう意味で、今回の審査はよかった。
    年齢、肩書き関係なし。
    忖度せず、遠慮することなく、いろんな意見(評価軸)が乱れ飛んだ。
    えっ、そんなとこから球飛んでくるの?感が、とても新鮮だった。
    審査委員人選の妙。おつかれさまでした。

  • ラジオ&オーディオ広告部門 審査委員長

    嶋 浩一郎 Koichiro Shima
    • 博報堂 執行役員
    • 兼 博報堂ケトル代表取締役社長 クリエイティブディレクター
    Q1 審査会の様子について。審査方針を含め、お聞かせください。

    ラジオカテゴリーは広告制作者に加え、ラジオ番組制作者、ラジオに出演している方が審査担当。ラジオとそのリスナーについて知り尽くしている人が、そのCMはリアルに人を動かせるのかを審査します。ラジオ愛溢れる審査委員が今後の音声メディアがどこに向かうべきか?という視点も持って議論しました。

    Q2 今年の作品の傾向および、グランプリ作品について。

    大日本除虫菊のラジオCMは圧倒的にクオリティの高い型を作っていたにもかかわらず、それを自らディスラプトしてゼロからまた新たな型を作っています。しかも、リスナーの想像を超えた新しい世界観を。ブランディングという観点からもこの姿勢は評価されると考えます。

    Q3 若いクリエイターに一言

    全審査委員が今年の審査で感じたことは若手の活躍です。さらに今年は音声を活用した広告コミュニケーションを評価するBカテゴリーも始まりました。音声メディアの可能性は広がっています。チャレンジを!

    ラジオ&オーディオ広告部門 審査委員

    秋吉 健太 Kenta Akiyoshi
    • ヤフー
      Yahoo!ライフマガジン 編集長

    井村 光明 Mitsuaki Imura
    • 博報堂
      第三クリエイティブ局 クリエイティブディレクター

    去年のグランプリはエフエム群馬でした。すると今年、エフエム栃木が大量のCMを出品、殴り込みをかけてきたのです。まるで北関東ラジオCM戦争。この乱入感に興奮してしまいました。
    審査中こんな発言もありました。「音だけのラジオは最も想像を刺激するメディア、そんな昔ながらの考え方に逃げてはいけない」。全くそう思う。音にこだわるのではなく、耳に乱入してくるなんでもありの自由さこそがラジオの魅力ではないか。
    Radikoの時代、局の垣根を越えてエフエム群馬でエフエム栃木のCMを流したり、競合排除も放棄して、ライバルメーカーがディスりあうCMを流してもいいかもしれない。ネットみたいにクリックしなくたって、街を歩いていても耳に乱入してくるラジオこそなんでもあり。そんな未来を作りたいなと思いました。

    宇賀 なつみ Natsumi Uga
    • aestas
    • フリーアナウンサー

    今回初めて参加させていただきましたが、温かい雰囲気の中で、のびのび自由にやらせていただきました。素敵な作品ばかりで、点数をつけるのは本当に心苦しかった…でも、自分の考えや好みを再確認できたり、世代や立場によって受け取り方が変わるのだということも学びました。一日中部屋の中で作業していたのですが、終わる頃には疲れているどころか、逆に元気になっていて、作品のパワーと皆さんのラジオ愛に刺激された、充実した2日間でした。今後ラジオのお仕事をする際にも、この気持ちを忘れずにいたいと思います。最後に皆さんと飲みに行ったのも良い思い出!屋台のラーメンで〆ました。やっぱりラジオって、いいなぁ。

    小宮山 雄飛 Yuhi Komiyama
    • GENIUS AT WORK/代表取締役
    • ホフディラン
    • 渋谷区観光大使・クリエイティブアンバサダー

    澤本 嘉光 Yoshimitsu Sawamoto
    • 電通
      シニア・プライム・エグゼクティブ・プロフェッショナル/エグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクター

    まずはラジオCMを500本近く2日間でまとめて聞く、という作業が好きでないとなかなか辛い審査になりますが、この審査会の審査委員の皆さんはラジオ愛が強い方々の集合体でそこを趣味的にできているのが、審査の感想が「本当に2日間が楽しかった」という言葉から始められる一番の要因だと思います。その審査から今年の代表作が選ばれますが、僕の好きだったもの、多くの場合変な作品ですが、は結構予選で落ちていることもあり、なので、選ばれなかった、という事にさほど過度に悲観的になることはない気はしています。今年は受賞作に代表されるように表現の手法の幅が少々狭かった気がしています。音の使い方、は、もっと多様ではないかな。と。その中でグランプリの作品は一番音の設計も、企画も、ナレーション原稿も、全てが揃っていたものだと感じています。ここを凌駕するのは来年並大抵じゃないだろうなと。そういう絶対王者がいるのは、いい事だとも思います。

    東畑 幸多 Kota Tohata
    • 電通
    • エグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクター/CMプランナー

    西田 善太 Zenta Nishida
    • マガジンハウス
      BRUTUS編集長

    ACCもラジオCMじゃなくてラジオ広告賞に変わっていくといい。BRUTUSは今年初夏にラジオ番組のコラボをやった。TBSラジオの帯番組「アフターシックスジャンクション」×BRUTUS、ウィスキーのキャンペーン。番組と本誌+ウェブ、SNSを組合せ、六ヒルのイベントスペースで、週替りのバーを開いた。DJしたり生放送送り出したりする盛り上がり。流れ続けるラジオが作り出してる「場」は実にたくさんあるので、「ラジオと広告」の新しい関係をいつも考えていたい。純粋なラジオCMは、きっとカンのいいクリエイターが活躍する少し狭い場所になるかもしれないと思ってます。だから、ラジオCM作りがうまくなると、それは誰も持っていない武器になる。

    橋本 吉史 Yoshifumi Hashimoto
    • TBSラジオ
      プロデューサー

    秀島 史香 Fumika Hideshima
    • FM BIRD
      ラジオDJ/ナレーター

    出会い頭でいきなり掴まれるもの。聴き込むほどにじわじわ味わいが増してくるもの。今年もいかに「これ、いいね!」を言葉にするのか、発見と刺激に満ちた二日間でした。そして、新設されたオーディオ広告部門!手探り感はありましたが、逆に言えば「つまり何でもアリなんじゃない?」。それぞれの作品が新時代のブルーオーシャンへ、ザブーン!と豪快に、ちゃぽんと可愛らしく、おのおの自由形で飛び込んでいく姿に「音声の表現はさらに楽しくなる!」と確信しました。仕事柄、街をボーッと歩いていても、ふと耳に飛び込んでくる音につい反応してしまいますが、今後さらに挙動不審になる予感です。

    福本 ゆみ Yumi Fukumoto
    • 福本ゆみ事務所
      コピーライター/クリエーティブディレクター/俳人

    とにかくキンチョーが強い。余裕があるのに、隙がない。グランプリ決戦は、いつにもましてほぼ無風だった。凄いとも言えるし、寂しいとも言える。来年、この強力なキンチョーを倒すチームは現れるのか?楽しみに待ちたい。その他の作品で印象に残ったのは、パナソニックの「おかあさん卒業式」。松金よね子さんのお母さんが、さすがの暑苦しさだった。「東京タワー60周年」は、東京タワーの描写を極力少なくしたことによって、かえって東京タワーの存在が浮かび上がった。また、いい所まで行くけれど、コピーの細部の甘さで上に行けない作品が多々あった。アイデアはいいだけに、とても残念だった。

    細田 高広 Takahiro Hosoda
    • TBWAHAKUHODO
      Executive Creative Director

    2つの嬉しい混沌が審査中に生まれました。ひとつは「アンダー29」に関して。ベテランが強いカテゴリーだからこその若手救済策として生まれたアンダー29。回を追うごとに金銀銅との距離が縮まり、今年はもう正直、差がなくなりました。賞の存在意義を揺るがすこの事態は、20代の優れた書き手が台頭してきたことの証拠でしょう。もうひとつの混沌は、「オーディオ広告部門」の新設によるものです。出品作が実に多様で、統一の基準を設定しようもない。でも新しい表現というのは「どう評価していいか分からない」という評価軸ゼロ地点からこそ生まれてくるもの。2つの混沌が、音声広告を古くさい様式美の世界から解放するきっかけになると信じてやみません。

    三井 明子 Akiko Mitsui
    • ADKクリエイティブ・ワン
      コピーライター/クリエイティブディレクター

    吉田 尚記 Hisanori Yoshida
    • ニッポン放送
      ビジネス開発センター ネクストビジネス戦略部 副部長

    音声のみ、という限定環境下では、普通に思い浮かべられる通常の状況を想起させるのは簡単ですが、特殊な状況は、秒数を使わないと伝えられません。しかしCMは、限定秒数で差異を認識させるためのもの。ある意味、ラジオCMは無理難題です。その中で、今回の大日本除虫菊の作品は、なんだか聞いたことがあるやりとりを使って、まったくあり得ないシチュエーションを描き出してしかもユーモラスで情報も伝わる、という脅威の作品でした。脳内のワンダーランドに連れて行ってくれるラジオの可能性を見せて頂きました。「ゴキブリ先生」って言いたくなるはずなのですが、一度もその言い方はしていないところに、ヒントがありそうなんですよね…!

  • マーケティング・エフェクティブネス部門 審査委員長

    小和田 みどり Midori Kowada
    • ライオン/コミュニケーションデザイン部 部長
    Q1 審査会の様子について。審査方針を含め、お聞かせください。

    今年も「何をもってエフェクティブネスとするのか」という議論から審査はスタートしました。それだけ様々な成果をあげた素晴らしい作品が数多くエントリーしていただけました。審査会では「抽出された課題に対しての成果+α」という視点で審査を進めていくという方針を打ち出しました。最終審査の公開プレゼンは見に来ていただいた方々にも非常に勉強になったのではないでしょうか。どういう想いでその施策を創出したのか、どんな工夫をしたのか。審査委員一同その熱意をしかと受け止める事ができました。

    Q2 今年の作品の傾向および、グランプリ作品について。

    今年の作品の傾向としては単なる商品やサービスの告知を超えた新しいビジネスモデルの創出や企業コラボが散見されました。その中でグランプリを見事獲得した「注文をまちがえる料理店」は、現代の間違いを許容できない社会の中で、価値観を変革させ寛容な空気をつくりだすという成果。さらにそこに共感したいろんな企業にこの活動が広がっているという、社会が変わっていく可能性を高く評価しました。

    Q3 若いクリエイターに一言

    いまやいろんな結びつきが可能になっています。企業間、自治体と企業、B2B2C・・・モノよりコト、さらにはヒトという中でどんな可能性が創出できるか、固定観念に縛られずチャレンジして欲しいです。審査委員が「まいった!こんなやり方があったのか!」と思わずうなってしまう・・・そんな企画を楽しみに待っています。

    マーケティング・エフェクティブネス部門 審査委員

    上野 隆信 Takanobu Ueno
    • 大塚製薬
    • ニュートラシューティカルズ事業部 宣伝部 課長

    最終審査は、2次審査を通過した11チームによるプレゼン形式に変わり、今回で2回目。最終審査で携わった方の熱いプレゼンを聞くことで、1次・2次審査での印象は大きく変わりました。資料では見えなかった部分が炙り出され良い印象になったり、逆に見えてしまった為に悪い印象に変わるものが出てきました。審査に漏れた中にも、きっと受賞に値する施策が有ったと思います。グランプリは、プレゼンで印象がガラッと変わった施策です。課題から導き出された戦略とその取組み。そして一過性のイベントで終わらず継続されています。社会的課題に対して活動されている人の解決のヒントとなり勇気を与えた事でしょう。受賞作品は、いずれも納得の選出です。

    内山 健司 Kenji Uchiyama
    • マンダム
    • 執行役員 商品企画部・コミュニケーションデザイン部・第一マーケティング部・海外マーケティング室担当

    受賞された皆様、この度はおめでとうございました。
    「社会問題を解決する事が出来るか」「新市場を創造できるか」「目的に対する成果は高いか」「新たなテクノロジーを活用しているか」「費用対効果は高いか」そして何よりも「ターゲット生活者の気持ちを動かし行動に繋がるか」等の視点で審査させて頂きました。
    上位作品は多くの人の心を動かし、アクションにつなげ、大きな成果のみならず社会的ムーブメントにまで繋げております。プレゼンテーションにて改めて企画者の「熱い思い」が企画の成果に大きく繋がる事を再確認致しました。
    審査では作品を通じまた審査委員の皆様からも刺激を頂き、大変有意義な経験をさせて頂きました。

    奥野 圭亮 Keisuke Okuno
    • 電通
    • クリエーティブ・ディレクター

    マーケティング・エフェクティブネス、の意味が変わった。入賞作品を見ていただければその変化を感じていただけると思う。タイプは3つある。文字通り「市場を動かした」ことに拍手を送ったもの。「社会を良い方向に動かした」ことを称えたもの。それに加えて今年は新たに「マーケティングを進化させたもの」がエントリーした。これらの優れたキャンペーンに共通していたものは「勇気あるチャレンジ」を有してることだ。市場がシュリンクしていく日本。その危機感のあるアイデアが強かった。結果的に「自ら市場を切り開くアイデアと、前例のないものを作る実行力」に称賛が集まった。マーケティングに必要なものは、過去のデータではない。未来を変えていくパワーなのだ、と感じた。

    佐々木 亜悠 Ayu Sasaki
    • 電通
    • クリエーティブ・プランナー

    マーケティングの正解ってなんだろう?ということについて改めて考えさせられた審査会でした。昨年に引き続き、最も議論されたのは、何を「エフェクティブネス」と捉えるか。直接的な利益に貢献することと、二次的・三次的な価値や社会へのインパクトを生み出すこと。アイデアも打ち手も多様化する中で、いずれも難しい課題と向き合い、すばらしい結果を得ている作品の「効果は何か?」が議論の中心になりました。「市場」があって、「消費者」がいて、そこに対してどうやって「売るか」、ということを越えた広がりをもつ作品が多く、マーケティングのあり方そのものの進化を感じました。
    受賞されたみなさま、本当におめでとうございます!

    白井 明子 Akiko Shirai
    • ローソン
    • プロモーション部 シニアマネジャー

    ME部門の審査委員は、広告主と代理店が半々くらいで構成されています、そのため同じ作品を審査しても視点も意見が違います。
    各々の意見が面白いなあと思いつつ、勉強になる審査会でした。
    2019年はサステナビリティやSDGsのキーワードもでて、社会問題解決に取り組む作品をどう評価する?という議論が白熱したのが印象的でした。

    鈴木 あき子 Akiko Suzuki
    • サントリーコミュニケーションズ
    • 宣伝部長

    ゴールド以上の3作品は、どれがグランプリになってもおかしくなかったと思います。社会に大きな意識改革をもたらすケース、企業が赤字から黒字にV字回復したケース、意外な3業種が手を組んだケース。非常に幅が広く、「マーケティング」とはそもそも何なのか、ということを改めて考えるきっかけとなりました。ただ、最終審査会での熱いプレゼンテーションを聞いて、一つわかったことがあります。優れたマーケティングは、世の中を変革するのはもちろんのこと、その前にまず自らをトランスフォームしているのです。そしてそのトランスフォームを起こすのが人との出会いなのだと、特にゴールド以上の3作品から共通して感じた次第です。

    高田 伸敏 Nobutoshi Takada
    • 東急エージェンシー
    • クリエイティブ局局長 エグゼクティブクリエイティブディレクター

    今回は決めていた。一過性のキャンペーンや施策ではなく、持続性のある、この先により広がりのあるエフェクティブな試みに一票を投じようと。結果、認知症の方への優しさに満ち溢れた眼差しと、高いクリエイティビティ、不寛容な社会に新しい解決方法を提示したグランプリが生まれた。この先もどこかで開店し続けるであろう「注文をまちがえる料理店」に拍手を贈りたい。同じく、巨額の赤字に苦しむラーメンチェーン店をメニュー提案から、クーポン廃止、Twitterアンケート、TVCMまで、まさにマーケティングとクリエイティブの同時接続で見事にV字回復させた幸楽苑。グランプリに近いゴールド。統合的なソリューションのお手本だと思う。受賞されたみなさま、本当におめでとうございます!

    辻 毅 Takeshi Tsuji
    • ADKクリエイティブ・ワン
    • クリエイティブ本部 第1クリエイティブ・プランニング局 局長

    新メンバーは僕だけ!という完全アウェイの審査会に鼻息荒く乗り込んだ僕を、あたたかく迎え入れてくれたのは、とっても素敵な先輩たちでした。本当に感謝です。エフェクティブネスとは、何か?この議論に始まり、この議論で終わった。審査委員泣かせのとても難しい部門です。でもだからこそ、審査のしがいがある。そして何よりも、最終審査の公開プレゼンが、最高に面白かった!キングオブエフェクティブネスを決める7分の真剣勝負。M-1の審査委員になったような緊張感にゾクゾクしました。特に「注文をまちがえる料理店」のプレゼンは、圧巻でした。熱量がビンビンに伝わってきた。世の中を動かすのは、作り手の想いとチームの団結力。コレに尽きるんですね。

    二木 久乃 Hisano Niki
    • 博報堂
    • ストラテジックプラニング 部長

    2018年、19年と審査に携わりましたが、昨年と比べ2019年の応募作品には斬新な取組みが多く見られ、たった2年でも「時代の変化」を感じました。
    メディア特性を活かしタイミングも計算された理想的なIMC戦略を実現した作品、ブランドと親和性の高い人気スポットを発見、地道な活動によりブランドと生活者の接点として機能させた作品、共通の課題をもった企業同士で組みキャンペーンを成功させた作品、新しい領域を果敢に攻めている作品など。
    入賞作品をご覧いただけるとわかりますが、CMが機能しなくなってきた、消費行動がつまらないものになってきた、細分化・複雑化するメディア、セグメント等コミュニケーション戦略が難しくなっている実感があるがゆえに、斬新な取組みへの挑戦を評価、賞賛したくなる気持ちが高まっていると思います。
    これからも生活者のニーズを敏感に捉え、コミュニケーションで解決できる幅を広げていけたらと思います。

    藤原 かおり Kaori Fujiwara
    • カルビー
    • 執行役員 中国フルグラ プロジェクトリーダー

    伝統的なマーケティング手法が効かなくなった、と言われて久しい中で、企業や団体が様々な工夫を凝らしていることは昨年の審査でも実感していたのですが、今年はさらに工夫が進化していて、「ご担当者自身のディテールへのこだわり」と「新しいことへのチャレンジ精神」が受賞の決め手となった作品が多かったように感じました。人口が減り、若者はテレビを見ない、ネットも情報量が溢れて埋もれてしまう、そのような環境下、マーケティングで成果を上げることは、今後どんどん難しくなっていくことと思いますが、新しいチャレンジを志す方々にとっては良い時代になったなあ、と思います。マーケティング業界の皆様のご活躍を祈念いたします。

    松井 美樹 Miki Matsui
    • 博報堂
    • クリエイティブ戦略局 局長
      Executive Creative Director

    企業の大きな声から、生活者ひとりひとりの小さな声の集合体へ。エフェクティブを生む起点が変化してきている。審査会では、ただひとつの物語を紡ぎだし、その声の大きさで生みだすエフェクティブネスより、コミュニティーのひとりひとりの声を力へと束ねる装置を作り、それに周りを巻き込んでいくエフェクティブネスに自然と評価が集まった。グランプリには、注文を間違えても許される「料理店」という装置。金には、高校生たちが学校名を掲げて競い遊べる「超良問」という装置。審査会の熱い論議の裏には、変化の時代ならではの新しい成果の作り方って何?自分が次に取るべき手は?を自問自答する審査委員たちの熱い思いがあった、と感じます。

    山口 有希子 Yukiko Yamaguchi
    • パナソニック コネクティッドソリューションズ社
    • 常務
      エンタープライズマーケティング本部 本部長

    最終審査の公開プレゼンは本当に刺激的だ。直接企画者の思いを知ることが出来ると共に、そのチームの結束や関係性までわかってしまう。 それにより応募資料を見ただけの時とは違う判断になる場合もある。今回のグランプリ作品「注文をまちがえる料理店」は、企画者が高い志をもって、社会の風潮に一石を投じ、それが世の中に広まり人々の考えや行動を変える素晴らしいキャンペーンだった。キャンペーンの「効果」についてのKPIはいろいろな基準がある。そんな中、ME部門は、審査をする度に “マーケティング活動によって何を達成すべきか“ という本質的なことを改めて考えさせられる。

  • ブランデッドコミュニケーション部門 審査委員長

    菅野 薫 Kaoru Sugano
    • 電通/Dentsu Lab Tokyo
      エグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクター
    Q1 審査会の様子について。審査方針を含め、お聞かせください。

    昨年新設した「ブランデッド・コミュニケーション」部門の2年目。昨年の議論の偏りを反省し、審査のプロセスを改善。女性を中心に若い審査委員に加わっていただいて、2日間20時間以上の白熱した審査を行いました。具体的には審査委員全員が納得行く順位になるプロセスを得るために、ブロンズ以上プロジェクトは、すべて審査会において改めて議論する対象とし、その議論を踏まえて、審査委員全員で再度投票しなおすことにしました。審査委員全員が前向きに積極的に議論に参加してくださって、大変意義深い審査会になりました。

    Q2 今年の作品の傾向および、グランプリ作品について。

    応募された作品の精度やレベルが圧倒的にあがった印象を受けました。特に、プロモーションやPRカテゴリーは応募数も増加し、今の広告業界の求められるアイディアの傾向が変化してきている印象です。もうデジタル体験は全てのコミュニケーションに標準装備され、新規性のあるアイディアが求められるのは、方法論やメディアを飛び越えたブランドと社会との繋がりの部分。P&Gの「#この髪どうしてダメですか」のような社会課題への投げかけとブランドのあり方をしっかり提示するプロジェクトが日本からうまれたことに未来を感じました。

    Q3 若いクリエイターに一言

    自分も一生懸命なので偉そうなことは何にも言えないです、。広告業に若手も中堅も大御所もない。最高のアイディアを実現して、何かの役に立った人の勝ちです。むしろ若い感覚の方があらゆる意味で有利。世の中に幸せな仕事を増やして良い空気にしたいですね。お互い頑張りましょう!

    ブランデッドコミュニケーション部門 審査委員

    石下 佳奈子 Kanako Ishioroshi
    • 博報堂
    • コピーライター・ディレクター

    たとえ荒削りでも、新しさや心に強く響く部分があるものを見出そうとするポジティブな熱意の中、審査が進みました。
    ほぼ全員が良いと思わないと入賞できない厳しさがあるので、選ばれたものは、何色であっても本当に素晴らしい仕事だと思います。
    また、それぞれの専門性が際立つ審査委員の方々の、あらゆる角度からの議論が興味深く、とても勉強になりました。
    さ、私もがんばらなきゃ。

    井上 佳那子 Kanako Inoue
    • TOW
    • プランナー

    まず、受賞したみなさま本当におめでとうございます!そして、審査委員のみなさま貴重な場に参加させていただき、どうもありがとございました。
    審査委員のみなさんが、作品に心から感動、賛同して、まるで本当の作り手かのように、応援、議論をされている姿を間近でみて、非常に広告に対する愛が溢れている場だと感じました。
    さらに、これは果たして広告なのか、これはどうブランドを作ったのかと、今年よりも、破茶滅茶な議論が巻き起こるような、自由で幅広い作品の応募を期待しています!来年、楽しみにしております。

    イム ジョンホ Jeong-ho Im
    • mount
    • 代表取締役/Art director

    受賞者のみなさま、おめでとうございます!2年目の審査となりました。昨年を振り返ってみて、今年はさらに濃密な審査ができていたように思えます。特に、銅賞以上に関しては、すべての作品を改めてみて審査することを原則とすることで、より時間がかかりましたが、20人の審査委員のみなさまの率直かつ客観性をともなう主観的な意見で議論することで、審査の密度がよりあがったと感じました。それによって設けられた高いハードルを越えたすべての入賞作品は世の中で機能したすばらしい作品であることを自信を持って言えます。

    上西 祐理 Yuri Uenishi
    • 電通
    • アートディレクター/グラフィックデザイナー

    えぐち りか Rika Eguchi
    • 電通
    • アートディレクター/アーティスト

    ACCの審査は初めてでしたが、仕事の規模の大小ではなく、それが本当に世の中を動かしているものをちゃんと褒めて評価したいと思って挑ませていただきました。審査委員は4つのカテゴリーに合わせて様々なジャンルの方が集まっていたので、どのカテゴリー審査でも色んな角度からの意見が飛び交い、こんなに一つ一つの作品に対して議論するコンペは初めてでした。
    始終、自分の思想が審査されているようでもあり、ハードで刺激的な時間でしたが、貴重な機会を与えてくださったことに感謝するとともに、同じ作り手として自分ももっと頑張ろうという気持ちになりました。

    大八木 翼 Tsubasa Oyagi
    • SIX
    • クリエイティブディレクター/共同執行責任者

    尾上 永晃 Noriaki Onoe
    • 電通
    • プランナー

    大変なことになってきました。
    受賞作のほとんどが地に足のついた強烈な仕事ばかりで、
    アイデア一発ものや、賞狙いっぽい仕事は全然残らない。
    これは同時期に審査をさせて頂いた海外賞でも感じたことです。
    しかも、高い倫理観・社会的潮流の把握・メディア特性の熟知・継続力・交渉力etc.といった広範な能力が必要になってきている。本質的かどうかが問われる。
    いまの若手大変すぎ。いや、若手のアイデアを形にするCDが大変なのか?いずれにせよ、僕らはしっかり生活をして、社会と真摯に向き合わないといけないのだと思います。
    最近、広告2.0とか10.0とかなんか数字ばっかり増えがちですが、受賞作品を見ると、広告やメディアそのもののありようを見直すフェーズが来ているのではと感じる審査会でした。今は広告0.0と思えば楽しいのかもしれません。

    栗林 和明 Kuribayashi Kazuaki
    • CHOCOLATE
    • 取締役/Chief Content Officer

    かつてない空間を作る、キャラを作る、サービスを作る、プロダクトを作る、リアルとデジタルの融合体験を作る、隠れた社会問題を見つけ世論をつくる、さらには、提供ロゴをハックする…。
    ソーシャル/マスなんていう境界を優に越え、どんな手を使ってでも解を開拓してみせるという”不屈の悪あがき”が誇らしく並んでいた。
    これは、この国の「広告」に関わる人たちの熱量がこんなにもほとばしっていて、ここまで「広告」に進化の形があることを証明してしまったとも言える。この受賞作品の存在こそが、すべての広告人のすべてのアイデアに対して「まだいける」「もっといける」「あと一捻り」とけしかけてくれる、最高のクリエイティブディレクションだと思う。

    小杉 幸一 Koichi Kosugi
    • onehappy
    • クリエイティブディレクター/アートディレクター

    佐々木 康晴 Yasuharu Sasaki
    • 電通
    • 第4CRプランニング局長, デジタル・クリエーティブ・センター長, エグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクター

    この部門の良さは、領域と領域の「すきま」の部分にあります。デジタル、プロモーション、PR、デザイン。その既存のメディアや手法で分類されていた領域をひょいとまたぐような、複数の異なる視点から見ても際立つ案件が出てきたとき、その領域の「すきま」部分に、これからの時代を担う新しいクリエイティビティの芽が出ていたりする。台風の影響で出張から戻る飛行機が遅延し、審査会の議論は残念ながら少しだけしか参加できなかったのですが、今年はその「新芽」がいくつも見つかった年なのかも、と感じました。

    嶋 浩一郎 Koichiro Shima
    • 博報堂 執行役員
    • 博報堂ケトル代表取締役社長 クリエイティブディレクター

    広告業界の仕事の進化の先っちょにある仕事をどんどん褒めようという趣旨で作られた部門だけあって、手段を選ばずニュートラルな発想で課題を解決する仕事に多数触れることができ刺激的だった。「君の名は」のプロジェクトなど、新聞やテレビなどトラディショナルと言われるメディアでも使い方次第で革新的なコミュニケーションが可能だということを示してくれた。

    関戸 貴美子 Kimiko Sekido
    • 電通
    • アートディレクター

    手応えのある仕事をつくりあげても、評価される場がないと思った経験がある方は多いのではないでしょうか。
    朗報です。ACCブランデッド・コミュニケーション部門があります。「その他」を募集しているこの部門の応募作品は、規模も形もさまざまで、とても見応えがありました。異なる専門領域や価値基準を持つ審査委員たちが、それぞれ応援したい仕事を、称え、競わせ、議論と投票を繰り返した審査。これからの広告のひとつの指標となる結果を見つけられたのではないかと思います。
    私自身この部門の存在にとても勇気づけられ、勉強させていただきました。審査委員にお声がけ下さりどうもありがとうございました。

    東畑 幸多 Kota Tohata
    • 電通
    • エグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクター/CMプランナー

    審査会は、過去最高におもしろかった。審査委員のジェンダーバランスが変わり、議論の量と質が、飛躍的に向上した。それは、結果にも反映されていると思う。審査をしていて感じたのは、4つのカテゴリーを分けて審査する意味がなくなりつつあるということ。デジタル、プロモーション、PR、デザイン、すべての要素を高いレベルで統合しなければ、今の時代、影響力のあるコミュニケーションは作れない。優れた仕事は、カテゴリーを軽々と越境していた。今年は、粒ぞろいの作品が揃い、本当に激戦だった。特にPR。「#この髪どうしてダメですか」と「注文をまちがえる料理店」のグランプリ争い。個人的には、どちらにもグランプリをあげたかった。

    永松 綾子 Ryoko Nagamatsu
    • 博報堂
    • アートディレクター

    ACCの審査という貴重な機会をいただきとても光栄に感じています。ベテランから若手、男女、そしてあらゆる領域のプロフェッショナルによる審査会は幅広い視点の意見が飛び交い非常に濃いものでした。その分審査は長時間に及びましたが、いい作品を見つけようと思う審査委員の一体感は素晴らしく良いグルーヴ感が漂っておりました。今年海外を含め3つの審査に参加させていただきましたがとりわけACCは審査委員の熱量と情熱が強いように感じました。印象に残った作品は、This oneに選んだNISSIN KANSAI FACTORYとPANTENEの#この髪どうしてダメですか。後者は校則に抑え付けられてた10代の自分の苦い経験からも、世の中が漸くひとつ前進したように思えて感動しました。宝探しのような素敵な経験をありがとうございました。

    橋田 和明 Kazuaki Hashida
    • HASHI
    • クリエイティブディレクター

    審査委員がさらに多様なバックグラウンドを持つ人が集まった今回の審査は、さらに激しさを増したと思う。カテゴリーの多様性の話もそうだが、グローバルの中での日本という視点やジェンダーなどの視点もより多く提示されながら審査が行われた。それを勝ち抜いて贈賞された仕事については、本当に賞賛すべきものだ。長時間の審査をともにした審査委員たちは、審査が終わった後も飽きることなく議論をしていた。それだけの価値があると感じられた。このカテゴリーはきっと、このぶつかり合いによって、広告だったりブランドのために資するコミュニケーションを成長させていく使命を持っているのではないかと思う。

    八木 義博 Yoshihiro Yagi
    • 電通 CDC
    • クリエーティブディレクター / アートディレクター

    ブランデッド・コミュニケーションという名前にもあるように、そのブランドの発言として必然なのか?単なる自己表現になっていないか?正しいけど、つまんない。みたいなことになっていないか?特にデザインカテゴリでは、もともと持っている性質の延長線上にあるクラフトなのかどうかを心に留めながら審査していきました。

    広告として最大瞬間風速を目指す仕事のもの、5年、10年と耐久性を要する仕事を比べて考える場面があり、そこが難しかったですが、あらためて広告業界をベースにする自分の仕事についても考えさせられる機会となりました。今回も異分野同士の鋭い意見が飛び交う、示唆に富んだ審査会でした。ありがとうございました。

    保持 壮太郎 Sotaro Yasumochi
    • 電通 CDC / Dentsu Lab Tokyo
    • コピーライター/プランナー

    審査をしていていい事例と出会うと少し落ち込む。「ああ、俺が思いつきたかった」というものから「こんなの一生俺にはムリだ」というものまで。いずれにせよ落ち込む。BC部門は、それがあらゆる角度からやってくる。広告ってここまでやっていいんだ!という希望と、広告ってここまでやんなきゃだめなんだ!という焦りを同時に感じる。そして、そんな素晴らしい仕事を目の前にして「ここがおしい」みたいなコメントを偉そうにしてしまったりする自分に気づいてまた落ち込む。落ち込んで落ち込んで寝る前にハイボールでごまかそうするけれど、心に芽生えたざわつきは消えない。そして俺ももっとがんばらねば、と思う。今年もBC部門に応募してくださったすべてのみなさんに感謝を。おかげで大いに落ち込みました。

    米澤 香子 Kyoko Yonezawa
    • 電通
      Dentsu Lab Tokyo
      Creative Technologist

    今年から審査委員として参加させていただきました。ブランデッド・コミュニケーション部門は広告コミュニケーションの「その他なんでも」部門と聞いていましたが、改めてオンライン審査で作品にむきあってみると、本当に多様でゆえに難しい!自分の専門じゃない分野も、必死に考えてほんとにこれでいいのかなと思いながら点を入れ。みんなで集まって議論するターンになると、多様な専門をもったみなさまとの議論はとても楽しく、その視点はなかった!という発見もあり、みんな思ってること同じだった!というものもあり。専門をはじめとしたダイバーシティに富んでいたからこそ出せた結論になったのではと思います。

    レイ・イナモト Rei Inamoto
    • I & Co
    • Founding Partner

    今年のACC賞審査のご依頼を受けた時、「僕が審査委員を辞退して枠を空けるので、女性の審査委員を起用して下さい」とお伝えしました。
    今後日本がグローバルの世界で生き残っていくために必要な事の一つに、「男尊女卑をなくす」ということが僕は不可欠だと思っています。
    そんな中、去年までACCの審査委員に女性がほとんどいませんでした。
    結果、今年のACC・BC部門の審査委員の割合は女性が約4割ほどで、少しづつ世の中のあるべき姿の小さな一歩のきっかけにはなるのでは思いました。
    そしてそれに対応して下さった審査委員長の電通・菅野さんとACC運営部の皆様に感謝致します。

  • メディアクリエイティブ部門 審査委員長

    箭内道彦 Michihiko Yanai
    • クリエイティブディレクター
    • 東京藝術大学学長特別補佐・美術学部デザイン科教授
    Q1 審査会の様子について。審査方針を含め、お聞かせください。

    クリエイティブ自体のクオリティ以上に、メディアビジネスに新しい光を灯したか否かに重きを置く審査。
    一堂に会した異なる多様な立場の14名。高い点を付けた審査委員と低い点に留めた審査委員、その両者の見解を常に並列し、深く濃い議論を重ねた。

    Q2 今年の作品の傾向および、グランプリ作品について。

    応募作全体のレベルが昨年よりも高い、との意見が多く出た。時代に必要な志として、「メディア・クリエイティブ」というジャンルと概念の浸透を象徴している気がした。
    『君の名は。』との決戦を経て決定したRCCテレビのグランプリ。ネットだけではないリアルが「動く」ことのカタルシスがそこにあったように感じる。

    Q3 若いクリエイターに一言

    思いは、時に経験を凌駕する。年齢は、たぶん重要ではない。あなたであるか、あなた以外であるか、だと思います。

    メディアクリエイティブ部門 審査委員

    大澤 あつみ Atsumi Osawa
    • トヨタ自動車
      第一国内販売部 主任

    今年も多様な業界からの審査委員が集まり、同じ作品を見ても評価の観点が様々で大変刺激的な時間でした。
    どの作品も作り手側の想いがこもっていてエントリーシートや動画からひしひしと伝わってきました。
    メディアクリエイティブ部門は、広告のトレンド、メディアアセットの使い方、クリエイティブのアイデアなど、いくつかの観点を組み合わせながら作品1つ1つ議論をするのが特徴かと思いますが、進めるうちに審査委員それぞれの価値観やその業界のことを理解していくことにもつながり学びの多い機会となりました。今後もメディアとクリエイティブの掛け合わせで、世の中をあっと言わせるものを生み出していけるよう頑張りたいと思います。

    太田 雄貴 Yuki Ota
    • 国際フェンシング連盟/副会長
    • 日本フェンシング協会/会長

    岡 慎太郎 Shintaro Oka
    • NTTドコモ
      広報部 広報担当部長

    「メディアクリエイティブ部門」の審査委員にお声がけいただき本当に感謝しています。
    メディアとは何か?というそもそも論を問い直す機会をもらえました。そして、ともすれば炎上するリスクと隣り合わせのこの時代に、果敢にチャレンジした素晴らしいクリエイティブに出会うことができました。さらに様々な業界、団体から選出された審査委員の皆さんならではの視点のもとで議論ができたことは、素晴らしい財産となりました。
    全てのエントリー作品から、気づきと刺激をもらいました。
    とりわけ受賞作品は、どれもレベルが高く「メディア×クリエイティブ」の更なる可能性を感じることができるものばかりでした。今から来年の作品が気になっています!

    鯉渕 友康 Tomoyasu Koibuchi
    • 日本テレビ放送網
      人事局人事部長 兼 キャリアサポート部長

    今回初参加となります。多様な目線をもった審査委員による、刺激的な審査会でした。ともすれば広告表現の優劣に目が行きがちなところ、メディアアセットを活用した独創性とチャレンジ、という選考基準を強く意識しました。とはいえ、メディアアセットの定義付けや、選考基準の解釈について各審査委員によってバラつきもあり、その都度、箭内委員長の適切な問題提起で、各委員が修正を加えながら、意見が収斂されました。地方紙固有のアセットを活用した作品が多数見られたことも印象的でした。コミュニケーションが多様化する時代に、当部門は大きな意味があり、メディア関係者の刺激となり業界の活性化に繋がる賞に進化させていければと思います。

    坂井 佳奈子 Kanako Sakai
    • ハースト婦人画報社
      インターナショナル メディア グループ エル コンテンツ部 総編集長/エル・ジャポン 編集長

    初めて参加させていただきました。101点の作品を審査し、改めてメディアの役割とは何か、と自問する機会をいただいたように思います。SNSや動画で個々の発信が当たり前の時代に、「プロ」が発信する意味は何なのか。データ収集やアルゴリズムを活用し、精度を上げて発信することがメディアではありません。そこに人の思いをのせ、クリエイティブな発信をした先に感動があるのだと実感しました。情報社会に埋もれてしまう生活を送っていると、意外と忘れがちなものですね。メディアを通し世の中がもっと良い方向に進むことの重要さを示す良い機会をいただきました。また今回、選ばれた作品は「令和元年」の受賞作品としてふさわしいものばかりです。

    佐久間 宣行 Nobuyuki Sakuma
    • テレビ東京
      プロデューサー

    今まで2年間フィルム部門を担当させていただき、今年始めてメディアクリエイティブ部門の審査に参加しました。当日まで、まだどういう審査をすればいいのか悩んでいたのですが、最終的にはとても面白かったです。今の時代に新しい表現、仕掛けをしようと挑戦している最前線に立ち会えた感じがしました。同時にこの部門の審査をすることは、今後のメディアについて皆で考えることと同義で、たくさんの刺激と学びもありました。すべてのメディアが悩みながら格闘して次の時代の表現を見つけようとしている。混沌としているけど面白い部門だと思います。参加できてよかった。今後も楽しみです。

    嶋田 三四郎 Sanshiro Shimada
    • 博報堂DYメディアパートナーズ
    • エクゼクティブマネージャー/プロデューサー

    今回も審査委員メンバーとして参加をさせていただけたこと、
    大変光栄に思っております。

    エントリー作品の「アイデアの幅」は、格段に広がっているし、
    「メディアのチカラ」を最大限に活かそうという「チャレンジ」も
    たくさん出てきているし、
    審査をしながら「嫉妬とワクワク」に心躍らされました!

    「メディア×アイデア」で生まれる「クリエイティビティ」と言うと
    難しく考えがちですが、
    当たり前や、思い込みを「疑う事」が、「新しい発想の入り口」になり、
    その発想を、メディアを通じて、いかにシンプルに魅せていけるか…
    そんな「引き算の美学」の重要性を再認識できました!

    武田 隆 Takashi Takeda
    • グーグル
      執行役員/
    • クリエイティブ ソリューション & パートナーシップ

    グーグルとして初めてACCのメディアクリエイティブ部門で審査に参加させていただきました。審査会当日は、デジタルメディアから呼ばれて行く意味などについて考えつつ、少し気負いながらの参加でした。審査に入るや応募作品の質が非常に高かったことに加えて審査委員の皆さんの鋭いコメントで大変白熱した議論となりました。特定のメディアという垣根を超えて、純粋に素晴らしいアイデアについて熱のこもった議論が行われました。素晴らしいアイデアは全ての人を幸せにしてくれます。優れたアイデアを讃える場としてのACCの意義について再認識できた1日でした。箭内委員長、審査委員の皆様、たいへんお疲れ様でした。

    中谷 弥生 Yayoi Nakatani
    • TBSテレビ
      メディアビジネス局長

    今回初めて審査させて頂き、エントリー作品を見るだけで本当に勉強になりました。「メディアクリエイティブ部門」は審査委員長が「広告主と制作者と営業とメディアの総力戦」とおっしゃっていましたが、まさにその通りで、どの作品も熱量を感じるとともに「これがメディアになるのか!」という驚きや「こんなことができるのか!」といったデジタル技術も使った施策等が目白押しで本当に迷いました。審査会での皆さんと議論していくうちに「狭いテレビの価値観」をリセットするとともに、放送局の一員としてもっともっと考え抜きメディアアセットをうまく活用しなければいけないと反省ばかりの審査会でした。貴重な機会を頂きありがとうございました。

    平池 綾子 Ayako Hiraike
    • 資生堂ジャパン
    • メディア統括部 メディアバイインググループ
      グループマネージャー

    広告とは、「メディアを介して、製品やサービスを広く知らしめること」。しかし、それだけでは足りないのだということを、改めて肌で感じる機会となりました。
    ワクワクしたり、ざわっとしたり、気持ちに足跡を残す…そのような作品を目の前にし、日常業務の雑念を取り払って、私は一生活者として「心を動かされるメディア×アイデア」は何かという基準で審査しようと決めました。とはいえ、100件を超える応募作品を審査することは、なかなか大変です。
    そんな中で、気持ちを動かし、「その製品やサービスを試してみたい」「その投げかけについて考えてみたい」と思わせるすばらしいアイデアにたくさん出会えたことは、とても幸せで心が豊かになる時間でした。

    村本 美知 Michi Muramoto
    • ADKマーケティング・ソリューションズ
    • エクスペリエンス・デザインセンター センター長補佐 兼 EXソリューションユニット長

    刺激的な時間でした。とてつもない緊張感が絶え間なく襲ってくるそんな時間が待っているとは、想像を超えていました。オンライン審査では、もちろん一つ一つのエントリーをちゃんと向き合ったつもりでしたし、なんなら全エントリーにメモも作って、しっかりコメントする準備もして臨んだはずが。社会人になってからは縁遠かった“当てられたらどうしよう”な感覚と向き合ったのは久々です。ガラリ変わった審査委員長や審査委員の皆さんの、異なるバックグラウンドからのユニークな視点を沢山いただけて、今年も大いに学びがありました。メディアやテクノロジーや消費者の行動変化でクリエイティブの可能性がより広がっている実感が得られました。

    森田 太 Futoshi Morita
    • グランドロック
      代表取締役社長

    昨年の傾向として「何でもメディアって言ってしまったもん勝ち現象」を挙げましたが、
    今年、2019年のメディアクリエイティヴで感じた、ある種の特徴は、
    「実像のあるメディアを媒介して、ネットワールドで乱反射させる」という気配でした。

    「実像のあるメディア」それは実体化されたもの、人肌のあるもの、もっと言えば人間特有の不確かさと非効率さ、といった類のもので、従来の「新聞テレビ雑誌ラジオ」のいわゆる4マスメディアももはやここに分類されている気がします。

    今年の応募作品を覗くと、「引退した銀座線車両を再利用した一点モノの自販機」「あえて国会議事堂前駅のみに貼られたケンドリック・ラマーの黒塗りOOH」「新聞配達員の方のみに向けられた朝刊のメッセージ広告」「オールナイトニッポンのヘビーリスナーである漫画家の方だけに向けられた〆切り催促のラジオCM」etc…。
    例えば、掲載される広告プロダクトはモニュメント的にたった一ヶ所のみですが、その希少性でネットバズの誘因を狙い、例えば、4マスを使ってるのにも関わらず、わざわざリーチさせたい相手や時間帯を極めてニッチにする事で、その物語性でネットバズを起爆させる。

    4マスメディアを駆使したとしても、結局の課題解決の舞台は、ネットの数値的な文脈に落とし込まれていくわけですが、そのクリエィテイティヴを、「より信頼できるもの」、「より特別なもの」、に寄せて行くために、わざわざ「新聞テレビ雑誌ラジオ」を“反射板として”利用して、ネットワールドに乱反射させていくような、言うなれば、「メディアのリフレクション化現象」を感じました。

    デジタルワールドの中だけで、物語を創りだすのは、この時代のタイミングでは、手詰まり的な飽和点に達しているのかもしれません。ラジオ局に務めているので自虐っぽくなりますが、4マスを上手く反射板として利用し、実像の中に潜む“バグ”に出会っていくことこそ、深さのあるバズの本質なのかもしれません。

    有り難くも3年も任に就かせて頂きました。
    今年もたくさんの勇敢なアイデアと、冒険のクリエイティヴに、心からの感謝と敬意を!

    湯川 昌明 Masaaki Yukawa
    • 電通
    • 2020プロデュースセンター MD

    毎年、いい意味で議論の幅が広い審査だな、と思います。メディアの定義や概念はもちろん、企画においても表現だけに留まらない。前提として『多くの人が見た』以外の結果も求める。毎年様々な議論が起こるこの審査会は、そもそも人に伝えるってどういうことなのか?何を成功の定義にしているのか?の原点に立ち返れる機会として、とても勉強になります。
    賞の特性上テクノロジーの進化が、表現の幅をスケールさせていることもあります。驚きを持つこともありますが、同時に、どうしてその手法にたどり着いたのか?と思います。技術を正しく評価しているからこそ、審査委員全員に『テクノロジーに騙されないぞ(笑)』という健全な視点が備わっている空気を感じることも、この審査会が本質を追求しているからこそと思ってます。この賞を策定し3年ですか。作品のレベル上がりました。クリエイティブの本質をいろいろな角度で議論させていただくこと、今後もますます必要ですね。

  • クリエイティブイノベーション部門 審査委員長

    暦本 純一 Jun Rekimoto
    • 東京大学/教授
    • ソニーコンピュータサイエンス研究所/副所長
    Q1 審査会の様子について。審査方針を含め、お聞かせください。

    ACCクリエイティブイノベーション部門では、現時点でのビジネスの大きさよりも、まだ人々がよく知らない、しかし未来を作り出す可能性のあるものを掘り起こそうとしています。今年度も、本賞の意義を理解して応募いただいた作品が多く、その質は高く相当の激戦となりました。すでに製品化されているもの、研究途上のもの、それぞれの段階で評価すべき価値に留意しながら審査を行いました。

    Q2 今年の作品の傾向および、グランプリ作品について。

    全体としては、AIなどの先端技術を、単に使ってみましというレベルではなく、きちんと現実の課題に対応した解決策となっている点、利用のしかたがこなれて自然になってきた傾向を感じました。
    グランプリの「やさいバス」は、流通の見落としがちなところを非常に綿密に見ていて、技術と人間がしっかり組み合わさって運営されているところに感銘を受けました。また収穫や流通という一番上流にロボットやAIが入ってくるとどうなるか(ラストワンマイルならぬファーストワンマイル)など、未来の展望が見えたところも評価され、グランプリとさせていただきました。

    Q3 若いクリエイターに一言

    イノベーションというと目新しく特別なものを作らなければ思いがちですが、できてしまったらむしろ自然に感じられるのが本当のイノベーションです。逆に現状のほうが不自然だったと気づかせてくれる、そんなものを期待しています。

    クリエイティブイノベーション部門 審査委員

    安宅 和人 Kazuto Ataka
    • 慶應義塾大学/教授
    • ヤフー/チーフストラテジーオフィサー(CSO)

    3年目になるこのアワードの最終審査に出ていて感じたのは、応募も審査も「練れてきたな」ということでした。1, 2回目は広告案件の延長のような応募も無きにしもあらずで、審査現場も判断の軸をどう適用したらいいのか、どのように判断したらいいのか試行錯誤でした。今回はアイデアをテクノロジーと組み合わせて世の中を刷新していこうという動きが随分わかりやすく増えた。最終審査はどの人たちが上がるのかも読み切れないという熱い、濃厚な議論の場でした。きっとここから生まれる未来がいくつもある、そう感じられる幸せな時間でした。

    池澤 あやか Ayaka Ikezawa
    • 東宝芸能
    • タレント/エンジニア

    プロダクトやサービスからプロトタイプまで、今年もあらゆる領域におけるクリエイティブが集まりました。対象となる領域の幅が広く、素晴らしい作品も多かったため、大変甲乙つけがたい審査だったと思います。実際、審査委員ごとに評価する作品に差がありました。しかし、最終的には、満場一致で審査会が終了しました。あらゆる角度からわたしたちの生活や社会を見つめ直し、導き出されたクリエイティブに宿る、「わたしたちの生活や社会が変わるかもしれない」とワクワクさせてくれる大きな期待。それを強く感じる作品が、最終的には賞を獲得していました。

    稲田 雅彦 Masahiko Inada
    • DNX Ventures
    • Investment Vice President

    今年でACCクリエイティブイノベーション部門の審査に3年関わらせて頂いています。かつては広告業界に身を置き、スタートアップ経営を行い、今回はベンチャーキャピタルの立場としても新規ビジネスモデルの審査を行わせて頂きましたが、狭義の広告・マーケティングに留まらないアイデア、ビジネス創出が当たり前になってきていることを改めて感じました。ACCクリエイティブイノベーション部門は、クリエイティブを軸に持ちつつも、デザイン×アート×エンジニアリング×サイエンス×ビジネスをより加速させ、大きなイノベーションを起こしていく起点、原動力となって欲しいです。

    井上 裕太 Yuta Inoue
    • quantum
      global CEO/最高投資責任者

    やさいバスに代表されるように、技術と丁寧なサービスデザインの組み合わせで社会課題を解決する、あるいは生活の変化を捉えるプロダクトが多く入賞した。必ずしも技術は新しくないが、アイデアときめ細やかなエグゼキューションによってしっかりと生活者に届くTOUCH-AND-GO COFFEEのようなプロダクトが多かったのも大きな潮流だ。一方で、大学や企業の研究室からの応募が多いのも本部門の特徴だが、RETHINKING TOBACCOやugoのような大学発のスタートアップによるプロトタイプが勢いを増している。一番嬉しいのは、世界に送り出したい作品が増えてきたこと。ACCとしても後押しを加速していきたい。

    佐々木 康晴 Yasuharu Sasaki
    • 電通
      第4CRプランニング局長/デジタル・クリエーティブ・センター長/エグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクター

    今年は幅広い分野から力作が集まってきていて、審査はあいかわらず楽しかったです。その中で少し悩んだのは、イノベーションにおいて、いまクリエイティブがなすべきこととは何か、ということ。少し前は、テクノロジーに「表現の斬新さ」をかけ合わせる形での新価値創造があった。でもクリエイティブは、イノベーションのビジョン設定から、プロジェクトの組織とそのモチベーションのデザイン、ユーザーを動かす部分のプロダクトや体験の設計など、もっと深いところまでその価値を提供できるはず。テクノロジーがやや飽和状態にあるいま、僕らができることはもっとある。そんなことを考えながら審査をしていました。

    鈴木 雅穂 Masaho Suzuki
    • トヨタ自動車
      コネクティッドカンパニー ITS・コネクティッド統括部 総括・企画室 室長

    イノベーション部門も3年目に突入。年を重ねるごとに新たな切り口の作品、新たな参加者、そして新たな審査委員も加わり、議論も白熱化。本年の最終審査会はこのままでは時間切れでは、というくらいの激論に。テクノロジードリブンの「RETHINKING TOBACCO」、ソーシャルビジネス的な側面も持つ「やさいバス」、異なる基軸の2つの案が賞の1,2となりました。イノベーションへの道筋は多様です。様々な取組みがこのアワードを介しより多くの方々と接点を持つ、これがこのアワードの役割ではないかと考えます。来年のアワードでも様々な取組みと出会えることを楽しみにしております。

    西村 真里子 Mariko Nishimura
    • HEART CATCH
      代表取締役 プロデューサー

    「最新デジタル・テクノロジーの社会実装」の研究者、業界トップランナー、テクノロジーを活用した広告をはじめとするモノ・コトを起こすクリエイター、スタートアップの支援を行うアクセラレーターなど「これから」を実践している方々と行う審査は非常に刺激的で、審査委員として新たな視点をたくさん得られる。審査シーンそのものを公開することによって多くの学びを多くの方々と共有できるのではないか、と考えております。

    野添 剛士 Takeshi Nozoe
    • SIX
      代表取締役社長/クリエイティブディレクター

    グランプリに選んだ作品の傾向を見ていけば、そのアワードが持つ意志や意義、業界へ向けてどのようなメッセージを発したいのかが見えてくる。
    クリエイティブイノベーションという若い部門は、一体どんな「意志」を持っているのか。
    難航する最終審査会の中で、僕は、とにかくその視点を重視したかった。
    今年グランプリに選んだ「やさいバス」は、過去2年の大学発技術から生まれたグランプリ作品のような「ハイテク技術」ではない。一見地味に見える地方流通という課題に対して、地に足の着いた解決策を積み重ねていくことで生まれた現在進行形の活動体だ。
    この部門は3年目のグランプリにそれを選んだ。
    「イノベーションはどこからでも生み出せる可能性があるのだ。」この部門からの意志がひとりでも多くの人に届くと嬉しいなと思う。

    深田 昌則 Masa Fukata
    • パナソニックアプライアンス社
      Game Changer Catapult代表

    この賞の審査会は毎年大変な激戦のためエキサイティングな議論になるのですが、今年は例年にも増して僅差の議論になりました。そもそもクリエイティブとは何か、イノベーションとは何か、ということを審査委員全員が自ら問われており、自分事として考えた結果、受賞選考作品として公表するという厳しい視線を感じています。
    このクリエイティブ・イノベーションという概念は、単に技術やビジネスモデルの革新性だけではなく、それをクリエイティブの力で解釈した上で社会実装している新しいアイデアであり、そのこと自体が非常にチャレンジングな活動だと思います。今グローバル規模で起こっている様々な社会課題をこのように解決していくというアプローチこそ、まさに必要とされていると思います。

    朴 正義 Masayoshi Boku
    • バスキュール
    • 代表取締役/クリエイティブディレクター

    今年の応募作品はびっくりするようなイノベーションチャレンジというより、小粒だけどしっかり社会実装させていくというものが多かった気がします。その分、審査委員のみなさんの社会実装のさせ方への着目ぶりを垣間見えたのが面白かったです。多彩な審査委員のみなさんによる活発な議論に、いつも刺激をいただいてます。
    今回は、最終プレゼン審査に出席できず本当に残念でしたが、意外にも想像通りの結果だったので、みなさんしっかりプレゼンテーションされたんだなと思いました。他の部門もこのやり方を取り入れたと聞きましたが、よい審査プロセスだと思うので、根付くといいですね。

    森岡 東洋志 Toyoshi Morioka
    • ワントゥーテン
      チーフマネージャ / テクニカルディレクタ

    今回は3回目ということで、参加者のプレゼンテーションのクォリティが非常に高くなっている印象を受けました。
    そのため、書類では分からなかった部分がプレゼンテーションによって補完され、公開審査の後で評価が
    大きく変わるプロダクトやサービスが多くありました。
    特に今回大賞を受賞した『やさいバス』は書類審査の時点ではソーシャルグッド的な価値が先行していました。
    しかし、プレゼンテーションにてビジネスのスケールをしっかり確認している点や、運営する中で見えてきた新たな課題に対してテクノロジーでの解決を検討している点など、様々な観点から事業として回り始めていることを感じました。

    盛島 真由 Mayu Morishima
    • Beyond Next Ventures
      執行役員

    「ビッグ・アイデア×テクノロジー」を軸に、審査委員の皆さんと悩みに悩みぬいた審査会でした。普段私はアカデミア発ベンチャーと接する機会が多いのですが、今回のエントリーからは、必ずしもアカデミアの高度な研究開発を必要としない「テクノロジー」にもとづく作品も多く、テクノロジーの意味、その広がり、それがアイディアと組み合わさったときのインパクトをより強く意識する審査会でした。

    矢澤 麻里子 Mariko Yazawa
    • Plug and Play Japan
      Chief Operating Officer ※2019年8月現在

    今年は、昨年にも増してイノベーティブな作品が多く、私自身とても評価に迷いましたし、審査会における議論も白熱したものとなったと思います。
    作品はどれもこれも、さほど遠くない「未来」を確実に捉えており、いろんな未来を一挙に目の当たりにできてとてもエキサイティングでした。審査会のメンバーの意見にも、みなさんのバックグラウンド、その課題と解決の捉え方、そしてその未来に対する純粋な想いや熱がたくさんつまっており、バランスの良い作品選出になったのかな、と感じています。
    ここまで多彩で示唆に富んだ作品が審議される機会は少ないので、今後もACCを通して沢山の「未来」が発信されることがとても楽しみです。

    米澤 香子 Kyoko Yonezawa
    • 電通
      Dentsu Lab Tokyo
      Creative Technologist

    イノベーション、つまり社会変革を起こすために必要なものとは。とくに今年は、作品そのものだけでなく、いまの時代にその作品が存在する意義、というところまで広げての議論ができたのが印象的でした。たとえば、サステナビリティというグローバルな課題に対してその作品がどういう意識があるのか、あるいはとくに日本が遅れているジェンダーイクオリティという課題にどういう姿勢で向き合っているのか、など。そして、最終的には、プレゼンを通して伝えて頂いた制作者自身の作品への愛。本気で未来を変えたいという思いがたくさん集まった会になったのではと感じました。