菅野審査委員長 審査講評
昨年新設した「ブランデッド・コミュニケーション」部門の2年目。
今年応募されたプロジェクトもレベルが高く、昨年の審査結果を受けてかより精度が高くなった印象でした。この部門が目指しているのは、ブランドに貢献する全てのアイディアを評価対象とすること。カテゴリーの定義におさまらないアイディアも、審査委員が評価すべきと判断すればなんとか褒める方法がないか議論する、必要があればカテゴリーを移設してでもより高い評価を残せるようにする。また昨年、審査会で意見を交換するとかなり評価が上下するということがわかりました。そのため今年は、事前のオンライン審査での評価の数字と混濁をしないようにブロンズ以上の評価のプロジェクトは、審査会において全て議論する対象とし、その議論を踏まえて、審査委員全員で再度投票しなおすというシステムを採用しました。
そのため、そもそも審査時間が長かった昨年を遥かに凌駕する審査時間となり、今年の審査委員の方々には大変な負荷を与えてしまいましたが、皆様ずっと前向きに積極的に議論に参加してくださって、大変意義深い審査会となりました。審査委員の皆様には、この場を借りて改めてお礼申し上げます。
昨年も申し上げましたが、贈賞の順位に絶対の正解はありません。それぞれの人に、それぞれの価値観での順位がある。全てのプロジェクトに比べられない価値と意味があると思っています。今回の結果で、新しいアイディアや新しい才能が発見され、何が良い仕事なのか、何が今我々に求められている能力なのか考えるきっかけになれば嬉しいです。