箭内審査委員長 審査講評
その矜持を世に問われるメディアの現在を救うアイデアに出逢うべく、多様な発信の最前線から審査委員を招聘した。それぞれが何を基準と理想にどう選ぶのか、各自の表明から始まった会。高い点を付けた審査委員と低い点に留めた審査委員、その両者の見解を常に並列し、深く濃い議論を重ねた。応募作全体のレベルの高さへの言及が多出したことは、この時代に必要な志としての「メディア・クリエイティブ」というジャンルと概念の浸透を象徴していた。グランプリのRCCテレビ『リリドラ』には、ネットだけではないリアルが「動く」愛とカタルシスがあった。最後まで競り合った『君の名は。』。表裏を透かす新聞広告、提供クレジットでの企業ロゴスワップ、名作映画を改めて現在形にした。