菅野審査委員長 審査講評
ブランデッド・コミュニケーション部門3年目。コロナ禍で、応募数は少なくなるのではと予想していましたが、蓋を開けたら、全カテゴリーで過去最高の応募数。数だけでなく、質も過去最高といって良いのではないかというくらいレベルが高く、日本のクリエーティビティの勢いと底力を感じる年になりました。
それにこたえるように、リモート審査ではありますが、贈賞を検討したすべての作品について丁寧な議論を行い、議論後に再度投票しなおすという丁寧なプロセスで審査を行ったため、部門全体で計4日間、28時間半に渡っての審査となりました。
Aカテは、ここ数年応募数ものびず停滞していたような印象もあったのですが、
今年は、これから我々のクリエーティビティがデジタルエクスペリエンスで貢献すべき数多くの方向性が提示された示唆のあるカテゴリーになりました。グランプリはまさにそのひとつ。粘り強く、効くプラットフォームがつくられました。
Bカテは、もっとも多くの作品数が応募され、もっとも幅が広く、もっとも質の高い仕事が多く応募されたカテゴリーになりました。ブランドのための仕事をしている我々の今をもっともあらわしているカテゴリーかもしれません。
グランプリは、社会的に動かした実績はいわずもがな、丁寧で誠実な仕事で、世の中を幸せにしてくれたプロジェクトです。
今年ほど、人間が、企業が、社会的な存在であることを実感した年はないかもしれません。
Cカテは、社会的な大きなテーマを顕在化させ、社会の中で合意にむけてコミュニケーションしていく、投げかけを世の中に広げていく技術のカテゴリーです。この時代に、我々の仕事は、どうあるべきかを考える大きな示唆をくれる審査になりました。