鈴木審査委員長 審査講評
部門名に「エフェクティブネス」をうたっていることがこの部門の一つの特徴だと思います。多種多様なキャンペーンの「成果」に優劣をつけるのは本当に難しく、毎年審査会で激論となるところです。だから、どんな目的や課題認識に対しての成果なのかをセットで論じます。また、それを実現するためのコアアイディアの新しさも大きな評価ポイントです。
当日の公開プレゼンテーションに進んだメダリストの11組は、その点は全てクリアしているチームです。プレゼンテーションではさらに、どれだけ本気で取り組んでいるのかが全てのチームから伝わってきました。今年はコロナをきっかけにオンライン公開となりましたが、むしろこの方法を来年以降も続けて、日本全国のたくさんのマーケッターに視聴してほしいと思います。必ず勉強になるところがあるはずです。
各審査委員は今年も活発に様々な視点を提示してくれました。議論の末、今回はマーケティングエフェクティブネスの王道、全国の企業のマーケッターを勇気づける作品をグランプリに選ぶこととなりました。ロングセラーブランドの売上V字回復は本当に難しい仕事ですが、新しい価値軸を発見すること、そして製品を真ん中に置いて全ての施策を強力な一つの線でつなぐことで現状をひっくり返し、マーケティングの底力を見せてくれました。