木嵜審査委員長 審査講評
今年の審査の論点は「我々の生活はクリエイティビティとイノベーションの力により、どのように変わっていくのか」ということでした。
グランプリとして選ばせて頂いたのが、医療AIスタートアップであるアイリスが開発した、AIを搭載したインフルエンザ検査機器「nodoca(ノドカ)」です。
プレゼンテーションの冒頭で、アイリス代表・沖山翔さんの口から発せられたのは、医師としての葛藤と苦悩でした。
「離島や船の中でも医師として勤務していたが、自分の力で救えなかった患者さんがいたー」
救急医として、幅広い患者さんと向き合ってきたこそ見えた課題感が、沖山さんの医師としての人生を大きく変え、起業家となるきっかけになりました。
医療格差を解決したい。そのために、AIの力を使い医療検査に革命を起こし、救える命を救う。
初めてのものづくりの作業は戸惑うことも多く、医療関係者の共感を得るにも多くの苦難があったかと思いますが、沖山さんの意思を貫き、困難に立ち向かう力に共感しました。
インフルエンザに感染した子供が熱が出て苦しんでいる時に、さらに痛みを伴う検査を行うことは親にとっても辛いことです。
AIを使った革新的なプロダクトが我々の生活を大きく変え、社会課題を解決するための一歩になることを願っています。