柳沢審査委員長 審査講評
今回、かなり特殊な審査基準を審査委員の皆さんにお願いしました。【審査委員自身が『これ本当にヤバいから絶対観て!』と激推しできる作品】。その偏愛の総数/熱量が多いモノをグランプリとし、無ければそれも良しとしましょうと話しました。「なぜ?」という意見が出ました。「私達は皆現役のプレイヤーだから、偏愛できる作品ってそうそう無いよ」「推せる作品って10年後も愛せる作品ってことじゃない?そんなの自分の作品でも中々出てこないよ」「グランプリをあげた方がクライアントさんも喜ぶし、広告業界の為になるんじゃ無いの?」「もっと優しい審査で良いんじゃない?」議論はちょっと荒れたと思います。というか荒れました。はい。あ、これ深夜行くな…と思いました。
でも私含めた審査委員全員の共通認識として「広告(=映像)がどんどんつまらなくなってる/小さくなってる」と言う感覚がありました。「私達(ACCフィルムクラフト)が推す映像作品は、世界中のどんな人にも推せる映像」それが斜陽に進み始めてる業界に、何か変化を与えられる事なのでは無いか。そうまとめました。シーンとなりました。
審査委員の一人が話し出しました。
「数年前ACCの審査をした時、面白い映像作品は全体の15%ぐらいだった印象。去年は10%。今年は1%。何かを変えないと、若い人がこなくなる」
勿論たった一回では変わらないです。激辛審査が良い結果を生むのかもわからないです。ただ、意識を変えない限り陽は沈んでいく。
ACCのフィルムクラフト部門に選ばれたって事は、本当にヤバイ作品なんだ!広告業界/映像業界の外にいる人達から、そう思ってもらえたら良いなと思っております。