
花田審査委員長 審査講評
まず、全体的な進め方としては「各自の基準でいいCMだと思うもの」に投票していただき、わりと淡々と入賞作を決めていくという方式をとりました。そして、審査委員15人のバラバラな基準の中で、それを超えて「いいと思われたCM」がグランプリや上位に入っています。
僕の中でも「上位に入っているこのCMのどこがいいのか正直全く理解できない」というものや、逆に「なんでこれが上位に入ってないの?」というものも多々ありますし、全員がそう思っているかと思いますが、CMとはそういうものである気がします。ただ、特にゴールド以上のものに関しては、比較的審査委員の総意ではあるような空気感だったように思います。
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「面白いとは似てないことである」というのは博報堂の井村光明さんが「面白いって何なんすか!?問題」で書かれていたことですが、個人的にも「面白い」の分解として納得していまして、グランプリのメリットのCMは、核となるテーマは骨太で普遍的でありながら、圧倒的に他と表現が似ていないと思っています。
似てない部分としては、ビジュアルのトーンの部分がまず大きく、音で言うと人気者に歌わせず子供の声にした点などがありますが、家族系広告のコピーらしからぬゴロッとした文体も大きいなと思います。これらの「似てなさ」が、見る側に「新鮮な感じ」「よくある広告じゃない感じ」「感動広告っぽいウザさの排除」などにつながっているのではないでしょうか。TVCMを主戦場としながらもSNSでも好意的に拡がっていて、今日において理想的な広告の一つだと思います。
そして、ゴールド以上のものを見ると多種多様なラインナップではありつつ、どれもそのテーマにおいて何らかの新鮮なアプローチがあり、それが見た人の心を動かすことにプラスに働いている、というものが並んでいるように見えます。
審査委員の指原さんから「Bカテは知っていたものも多かったけど、Aカテのものは恥ずかしながらほとんど初見でした」という発言もありまして、もちろん世代や属性にもよりますが、そういう人が急速に増えているなという実感があります。そんな時代において、いいTVCMとは何なのか、これからも考えていきたいと思いました。




