
花田審査委員長 審査講評
まず、全体的な進め方としては「各自の基準でいいCMだと思うもの」に投票していただき、わりと淡々と入賞作を決めていくという方式をとりました。そして、審査委員15人のバラバラな基準の中で、それを超えて「いいと思われたCM」がグランプリや上位に入っています。
僕の中でも「上位に入っているこのCMのどこがいいのか正直全く理解できない」というものや、逆に「なんでこれが上位に入ってないの?」というものも多々ありますし、全員がそう思っているかと思いますが、CMとはそういうものである気がします。ただ、特にゴールド以上のものに関しては、比較的審査委員の総意ではあるような空気感だったように思います。
<Bカテゴリー>
Bカテに関して僕が前提として思うことは「TVCMはまだギリ許容できるけど、デジタル上で強制的に見せられる広告はどんなに内容が良くても、ほぼ全部かなり嫌」ということです。
なので、「WebCMの中ではかなり良くても、これを自ら進んで見る人はおらんやろ〜」というものは、一般生活者からするとなかなか厳しく見られているように感じます。
とはいえ、広告主や広告業界側の視点に立つと、TVerやYouTubeなどを筆頭に、強制視聴広告の広告費は年々増えている(ターゲティングできたりデータ取りやすかったりと扱いやすい)わけですし、その中で良いものを作ることはとても大事であるとは思っていて、そういったものもちゃんと入賞しているかと思います。
一方で、広告でありながらも、少なくともある特定の「誰か」はこれを喜んで見ている、といったものや、SNSで話題になって場合によっては数百万〜数千万人に届く(多くの人は話題になってるものなら進んで見る傾向がある)、といったものも徐々に増えてきており、そういったものがこれからの広告の一つの主流になっていくのではないでしょうか。
現状まだ過渡期ということで、ポケモンだったりマックだったり、ビッグネームの方が有利なように見えるし、実際それは間違いないのですが、SNSではほぼ無名の一般人が投稿した動画がバンバン見られているという意味では、既存の広告の概念さえ取っ払うことができれば、どんな企業の広告でもそれは可能であるはずです。
逆に言うと、「広告は見たくないもの」というこれまでの当たり前が、技術次第ではひっくり返せるメディア環境になってきたとも言えるわけで、マス発ではなくSNS発でたくさんヒットが生まれるようになった音楽業界のように、広告業界もそういったゲームチェンジが起こっていくのではと楽しみです。
最後に、審査委員長としては、自分が関わっているもの(いまだけ月見食べ美)がグランプリに選ばれることへの申し訳なさがあります。あまりこういうことを書くべきではないですかね、ちょっとわかりませんが... 個人的には「ポケ起き」か「ドンデコルテ渡辺銀次さんのダブチ」を推していました。




